<社会人野球・日本選手権>ヤマハ 6日の初戦へ 攻守のラストピース埋まる 舟久保、水野が復活アピール
社会人野球の日本選手権に出場するヤマハは、11月6日の西部ガスとの初戦を前に攻守のラストピースが埋まった。都市対抗本大会直前に故障離脱していた舟久保秀稔外野手が戦線復帰し、中継ぎの水野匡貴投手(静岡高出)が復調。10月30日に行われた大会前最後のオープン戦は、攻めては18安打10得点。守っては4投手の継投で完封勝利する納得の仕上がりだった。
厚み増す打線
ヤマハ打線をさらに分厚くする戦力が帰ってきた。
8月26日、都市対抗本大会直前の東京ドーム練習で脇腹に肉離れを起こして離脱していた舟久保外野手が、最後のオープン戦で2本の二塁打を放つなど完全復活をアピールした。
「(負傷当日は)寝返りもできない状態でした」
予選は絶好調で、打線を引っ張っていただけに落胆は大きかった。スタンドから見つめた都市対抗。「勝ってほしいけれど、自分なしで勝ち上がっていくのを見ていてむなしさ、悔しさというか複雑な気持ちもありましたね」
「変わる」きっかけに
焦る気持ちを抑えながら、リハビリに励んだ。
「けがから戻っても試合に出られないかもしれない。けがの巧妙じゃないけれど、これを機会に何か変えられることがないか考えました。より良い体の使い方とか、動画を見ながら勉強しました」
以前から興味があったピラティスにも挑戦。
「自分はパワーはあるけれど、もっと体幹を使ってコントロールできるようになれたらと思って。柔軟性を高めたいという狙いもありました」
「自分が目立って勝つ」
10月中旬のJABA伊勢・松阪大会で実戦復帰。満を持して、大阪に乗り込む。
「日本選手権では自分がいるから勝てるというくらい、自分が目立って勝つ。今までは〝脇役〟という意識があったけれど、レギュラーとして出るならそのくらいの責任がある。もっと目立っていきます」
間に合った復調
中継ぎを担う水野投手は10月30日のオープン戦で2回を投げて2安打無失点と復調を印象付けた。
6月27日の都市対抗東海地区2次予選の第4代表決定戦を前に、右肩の激痛に襲われた。
「朝起きたら肩が上がらなくて。炎症があったようですが、キャッチボールをしてみても投げられそうにない。投げていて〝引っかかる〟から腕が振れない」。都市対抗本大会も登録されたものの、登板はなかった。
戻った本来の投球
回復の兆しが見えたのがJABA伊勢・松阪大会。「フォームをいじってみたら改善してきたんです。腕を体からあまり離さない位置で上げるようにしてみたら、痛みがなくなった。キャッチャーに説明しても(違いが)わからないと言われるくらいのわずかの差ですが」。腕を振れるようになり、本来の投球が戻ってきた。
準優勝した2023年の都市対抗大会では水野投手のほか、波多野陽介投手、昨季限りで引退した近藤卓也さんの3人が中継ぎとしてフル回転した。今季は先発投手陣が完投能力を備えているものの、経験のある中継ぎ投手の復調は心強い。
日本一を目指して
今年30歳を迎えた8年目の右腕は、最速を1㌔更新するなどまだまだ成長中。「日本一を目標にずっとやってきた。大本(拓海)キャプテン(掛川西高出)のもと、このメンバーでやれる最後の大会。全部勝って、そこに貢献する」と決意を口にした。
(編集局ニュースセンター・結城啓子)