ついに確定!? 『ONE PIECE』作者・尾田栄一郎先生がフランキーとクイーンの親子疑惑に言及!
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
11月4日(火)には、シャンクスの双子の兄・シャムロックら神の騎士団の謀略により混乱していくエルバフを描くコミックス第113巻が発売されました。
そんな第113巻内のSBS(質問コーナー)では、ワノ国編から囁かれていた麦わらの一味の船大工・フランキーと百獣海賊団の“大看板”・クイーンの親子説が取り上げられました。
ついに数年間の疑惑に答えが……!?
ワノ国編で浮上したフランキーとクイーンの親子説
最初にフランキーとクイーンの親子説が囁かれはじめたのは、ワノ国編でのこと。
両者に共通点が多いことや、フランキーの生い立ちとクイーンの半生に合致する部分があることなどが、親子説を裏付ける主な理由として挙げられていました。
<フランキーとクイーンの親子説のポイント>
●特徴的なダンス
フランキーはウォーターセブンで、キウイ、モズとともに特徴的なダンスを踊りながら登場しました。同様に、クイーンも「ズムズム」という特徴的なリズムに乗ってダンスするシーンが印象的です。
●サイボーグの身体
フランキーとクイーンはともに人体を改造したサイボーグ。フランキーは「改造人間(サイボーグ)」、クイーンは「絡繰人間(サイボーグ)」です。
●コーラとおしるこ
フランキーの好物はコーラ、クイーンの好物はおしるこ。フランキーにとって、コーラはもはや好物を超えた大切な燃料です。そして、クイーンはおしるこを「酸素」だと語っています。洋と和の違いはあるものの、甘い飲料をこよなく愛する姿が重なります。
●モノづくり
船大工であるフランキーは、サニー号のような船はもちろん、「バトルフランキー」という戦艦、フランキー将軍のようなロボット兵器を自作するなど、モノづくりが得意です。一方、クイーンは「カラクリ武器」や「病原体(ウイルス)」づくりが趣味で、モノをつくるのが好きという設定があります。
●表紙の構図の一致
コミックス39巻の表紙と93巻の表紙には、それぞれ同じポジションで同じポーズをとるフランキーとクイーンの姿が。偶然かもしれませんが、39と93で見事に数字が反転しているのもすごいですよね。
●戦闘や能力における類似点
フランキーとクイーンは、その戦闘にも似た点があります。たとえば、フランキーは「風来胞(クー・ド・バースト)」、クイーンは「風来拳(ブライパン)」という技を使用。攻撃内容は異なるものの、そのネーミングからは似た雰囲気を感じずにはいられません。
また、両者には“ブラキオ”の繋がりも。フランキーが作った兵器には「ブラキオタンク5号」があります。そして、クイーンの悪魔の実は「リュウリュウの実の古代種 モデル“ブラキオサウルス”」です。
●見た目も似ている?
一見、ビジュアルは似ていないように思えるフランキーとクイーン。しかし、両者ともにサングラスをかけていることや、2年後の坊主頭になったフランキーと、コミックス103巻で描かれた幼少期のクイーンの姿が似ていることも話題になりました。
●フランキーの親は海賊
また、フランキーは10歳のころ、偉大なる航路(グランドライン)で親に船から投げ捨てられたという過去を持っています。作中では、その親は「ロクでもねェ海賊」だと語られました。
『VIVRE CARD』で判明したさらなるヒント
さらにその後、『ONE PIECE』の公式ファンブック『VIVRECARD 〜ONEPIECE図鑑〜』にクイーンの情報が掲載されたことで、さらにフランキーとクイーンの親子説は濃厚なものになります。
●クイーンが捨てた息子とフランキーの年齢が一致
『VIVRE CARD』では、クイーンの半生が年表形式で公開されました。
ここで、36年前にクイーンに子どもが生まれたこと、そして百獣海賊団に加入した26年前に息子を捨てたことが明らかに。
現在フランキーの年齢は36歳。さらに彼が捨てられたのは10歳のころなので、見事に年齢が一致するのです。
●血液型
『VIVRE CARD』で判明したクイーンの血液型はXF型。フランキーはXF型のため、両者の血液型は共通しています。
●本名
フランキーも、クイーンも本名ではありません。フランキーの本名は「カティ・フラム」。そして、『VIVRE CARD』ではクイーンの本名が「サイエン」だと明かされました。
もし、二人が親子で姓も同じならクイーンのフルネームは「カティ・サイエン」。“家庭菜園”を連想させる響きも注目を集めました。
ついに作者が二人の親子説にコメント!
本編で語られることはなかったものの、これらの情報を繋ぎ合わせていくと、フランキーとクイーンの親子説はほぼ確定していたようなものといえます。しかし、公式見解が出されたわけではなく、物語もワノ国から進んだことで、真相は闇のなかへ……。
と思いきや、コミックス第113巻のSBS(質問コーナー)にて、作者・尾田栄一郎氏が二人の親子説について言及しました。
尾田氏は、フランキーとクイーンは親子なのかというストレートな問いを、「え…!!」「ち…ちがに…なすにょ…!!」とかなり焦りつつ否定しています。
しかしながら、カッコ書きで「本人達が知らない事を読者が知るなんて変だからここはうまくゴマかそう…!!」と心の声がダダ漏れている。
さまざまな共通点から親子説が浮上した二人ですが、とくにクイーンの子とフランキーの生まれた年が一致していること、クイーンが子どもを捨てた年とフランキーがトムに拾われた年が一致することは、どうやら偶然ではないようです。
尾田氏の回答から察するに、フランキーとクイーンの親子関係は公式に確定したと捉えてよさそう。
SNSでも、この件について「しれっとフランキーとクイーンの親子説の答えが出とる」「これもう確定じゃんw」「トンデモ考察かと思ってたけど、本当に親子だったんだ!?」「本筋に関係ないとはいえ、こんな重要情報がSBSでサラっと書かれるの最終章って感じ」「改めて設定が凝ってて凄いな…」と驚きのポストが多数投稿されています。
これまで散りばめられてきた設定の妙によって、浮上したこの説。シンプルにストーリーを楽しめるのはもちろん、細かいところも読み込みたい読者がさらに物語を追求できる深い仕掛けがなされているのは『ONE PIECE』ならでは。“当人同士が知らないことだから”とやんわり答えを濁す点にも、尾田氏のこだわりを感じますね。
それにしても、フランキーとクイーンが互いに父と息子であることを知らぬままワノ国で敵対していたのだと思うと、なんだか底知れぬロマンがあります。麦わらの一味の勝利は、息子が父を越えた瞬間でもあったんですね。フランキーの母がどんな人だったのかも気になる……。
シャンクスとシャムロック、ギャバンとコロンなど、近年は本編でも意外な血縁関係が明らかになることの多い本作に今後も注目です。
[文/まりも]