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猫の健康を脅かす『危険なお手入れの方法』5選 逆効果になる理由から正しいケアのコツまで

ねこちゃんホンポ

1.無理なブラッシング

ブラッシングは気軽にできるお手入れのひとつです。しかし、その手軽さゆえに、やり方を誤りやすい面もあります。

たとえば、スリッカーやアンダーコームトリマーなど金属製のブラシは、同じ所を何度も梳かしすぎると皮膚を傷つけてしまいます。特に毛玉やもつれ毛が引っかかったまま無理に梳かすと、猫はとても痛い思いをします。

また、猫が飽きているのにいつまでも続けていると、無用なストレスを与えてしまうこともあります。もともとブラッシング嫌いの猫は、少しずつ練習しましょう。猫の性格によっては強く「イヤ」と言わないことがあるので、どの子に対してもできるだけ短時間で済ませることが大切です。

2.人間用のつめ切りを使う

猫の爪は先が細く湾曲しているため、人間用つめ切りを使用すると、爪の外の層が割れてしまうことがあります。

また、人間用のつめ切りは刃にはさんだ先が見えないため、深爪のリスクも高く、爪の中心部にある血管まで切ってしまう恐れがあります。猫専用のつめ切りでは、ハサミタイプとギロチンタイプがありますが、いずれも爪をどこまで挟んだのか見えるようになっています。

猫の爪を切るときは猫専用のものを使用し、尖っている先端の透明な部分のみを切りましょう。すぐに伸びてしまうからといって、あまり深爪にしてしまうと血管まで傷つけるリスクがあります。多少面倒でもこまめに切る方が安全です。

3.デンタルケア用のおやつだけに頼る口腔ケア

猫に歯磨きをするのは大変ですが、かといって、デンタルケア用のおやつだけでは不十分です。

歯磨きが苦手な猫はとても多いため、猫用のデンタルケア用品が数多く売られていますが、それらはあくまでも「まったく歯磨きしないよりマシ」とか「歯磨きができるまでのつなぎ」といった補助的な製品だからです。

歯垢や歯石は歯茎の際に溜まるため、歯ブラシで丁寧に取り除く必要があります。指で前歯から順番に触れるように練習して、できるようになったら歯ブラシをはじめるという具合に練習しましょう。

練習は気長に。おやつを使いながら嫌がったらやめて後日再挑戦、を繰り返しましょう。猫が痛がらないよう、力加減にも気をつけましょう。

歯磨きは慣れるまで何か月もかかる子もいますので、デンタルおやつやデンタルジェル、サプリメントなどを併用して口腔環境を整えましょう。

4.高頻度なシャンプー

猫は基本的には自分で毛づくろいをして清潔にできるので、必ずしも洗わなくてはいけないわけではありません。

皮膚も薄く、皮脂の調整力が弱い猫は、皮脂バランスが崩れると元に戻りにくいという特徴があります。そのため、シャンプーの質や頻度によっては、皮膚炎などのトラブルを引き起こす恐れがあるのです。

トイレで便を踏んでしまったなど、その部位だけキレイになればよい場合は、足とお尻だけなど、部分洗いにしておくと負担も少なくて安心です。

皮膚炎などのトラブルがある場合はかかりつけの獣医師に相談し、シャンプーの頻度を相談しましょう。

また、長毛種は丁寧なブラッシングの上で適切にシャンプーとドライをすることで毛玉対策にもなります。とはいえ、長毛種のお手入れなら1~2ヵ月に1回程度で十分です。猫専用のシャンプーを使用して、シャワーでよく流し、最後にしっかり乾かすようにしましょう。

5.綿棒を使った耳掃除

猫の耳は奥が複雑な構造をしているので、人用の細い綿棒では傷つけて外耳炎を引き起こすリスクがあります。また、過度な耳掃除は、もともとある自浄作用を邪魔し、かえって耳トラブルの原因となります。

もし、黒っぽい耳垢や異臭、頻繁に耳をかく・頭を振る、赤みや腫れ、膿のような分泌物などが見られたら、耳ダニや耳の病気の可能性があります。自己判断で耳掃除をすると症状を悪化させる恐れがあるため、必ず動物病院を受診してください。

猫の耳掃除は、汚れが気になるときに、見えるところだけを耳掃除用シートでサッと拭くだけで問題ありません。綿棒が必要な場合は、犬猫用の先が太くなっている綿棒を使いましょう。猫用の耳洗浄液をたっぷりと含ませ、摩擦で皮膚が傷つかないように注意してください。

まとめ

猫のお手入れは、正しい知識と方法で行うことが何よりも重要です。良かれと思って行っているケアが、逆に愛猫の健康を損ねているかもしれません。

猫は通常、自分で体を清潔に保てるので、飼い主は必要最小限のケアを適切に行うだけで十分です。

今回ご紹介した正しいケア方法ができているか、これまでのお手入れの仕方を、もう一度振り返ってみるのもいいですね。

もし判断に迷った場合や、愛猫の皮膚や被毛に異常を感じた場合は、自己判断せず獣医師や猫も対応可能なプロのトリマーに相談することをおすすめします。愛猫との信頼関係を大切にしながら、楽しくストレスのないお手入れ時間を作っていきましょう。


(獣医師監修:唐野智美)

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