本社リニューアルで社員の健康増進と知的生産性を向上、コスト削減も実現 NTTファシリティーズ
NTTファシリティーズ(東京都港区)は7月24日、本社オフィスのリニューアル工事が完了したことを発表。オフィス面積を47%削減し、オフィス賃料や光熱水費を、年間2億円以上削減できたことを明らかにした。
社員の健康増進や知的生産性向上の効果を4000万円以上と試算
同社は、社員の健康増進や知的生産性を向上させながら、自社のオフィスリニューアルを推進。この「健康増進」と「知的生産性」の効果について、共同開発した指標による算出では年間で約4000万円以上になると試算している。
また、社内のエンゲージメント調査において「自身の作業環境で効率的に働けているか」のスコアが12ポイント、「コラボレーションが実現できているか」のスコアが4ポイント上昇。「社員の働く環境に対する満足度や意識にも確かな変化が見られています」と手応えを示している。
希薄になっていたリアルなコミュニケーションの接点を創出
同社は、「新たな価値を提供する場」としてのワークプレイスの在り方を見直し、必要な機能や要件を定義するため、アクティビティ分析や出社率データに基づいて自社オフィスを最適化した。
通常の執務エリアで使用していたフロアの一部に、複数のスペースで構成される共創スペース「FL@T™」(読み方:フラット)を新たに設置。社員や社外の協業者との共創を実現・支援することを目的として設計した。100人規模のイベントに対応するワークラウンジでは、プレオープン以降の約10か月間で、300回以上の交流イベントや勉強会、タスク横断型の会議などを開催している。
同社は「リモートワークやオンライン会議の普及により希薄になっていた、リアルコミュニケーションの接点を創出する場として活用されています」と言及。デザインに関するワークショップや、パートナー企業と連携したプレゼン・ディスカッション、技術伝承を目的とした会合や企業横断型の若手交流会といった、分野や立場を超えた共創事例が生まれているとしている。
ICTやAIなどを活用、場所を越えた「共創」をサポート
また、最先端の働き方の実証の場として、ICTやAIなどを活用。物理的な距離にとらわれることなく、遠隔拠点とのスムーズな対話を実現することで、場所を越えた共創をサポートする。
遠隔拠点との、リアルタイムで臨場感のあるコミュニケーションが可能になる「OPEN HUB Window」を採用。大阪オフィスや、データセンター空調検証施設「DC Cooling Hub」(東京都武蔵野市)と接続し、ワークショップなどのイベントで利用している。
「FL@T™」設計にあたり、同社は「共創とはどのような活動か」をあらためて定義し、プロジェクトの特性やフェーズに応じた9つの共創シーンを設定。それぞれに最適な空間を企画・構築した。ワークラウンジのほか、発想を広げるためのブレストルーム、設計に欠かせないレビューを行うレビュールームなどを設けており、多様なコラボレーションスタイルを支援している。
多様なステークホルダーとの協働・共創を促進するため、同社は今後の展開として、AI・ICTを活用した新しい働き方の実証、快適性と省エネルギーの両立を目指し、機械学習による室温予測技術を活用した空調自動制御の高度化検証などを進めていくとしている。
「FL@T™」を含む本社オフィスの一部は見学可能(予約制)。発表の詳細は同社公式リリースにて確認でき、見学の申し込みもできる。