伊賀市の夏祭りで夫が妻に16年越しプロポーズ 歌と指輪贈るサプライズ
三重県伊賀市阿保で7月中旬に開催された「第38回青山夏まつり」ののど自慢大会で、観衆の心を震わせる感動的なサプライズが起きた。同市高尾で乗馬クラブを営む上迫直生さん(43)が、妻・史さん(44)のためにステージで歌を熱唱し、ダイヤの指輪をプレゼント。16年前の結婚時に果たせなかったプロポーズを、この場で実現させた。〈YouTubeで動画(https://youtu.be/450iPNgcu5c)〉
福岡県出身の上迫さんは、高校の馬術部で馬と出会い、卒業後は北海道の競走馬牧場に就職。その後、熊本県の乗馬クラブに移り、心身を癒やす「ホースセラピー」に取り組む中で史さんと出会い、2009年に結婚。その後、3人の子どもにも恵まれた。
夫妻は子ども向け乗馬クラブを作るために独立を決意し、史さんの実家がある伊賀市に移住。13年に「Peppy’s Horse Field(ペピーズホースフィールド)」を開設し、約5万平方メートルの牧場で馬11頭を飼育している。
結婚当時は仕事の多忙さや体調不良もあり、正式なプロポーズができなかったことを上迫さんは長年悔やんでいた。まつり実行委を務める中で機会が到来し、心を決めた。
拍手と歓声に包まれ
選んだ曲は、2人組音楽ユニット「navy&ivory(ネイビーアンドアイボリー)」の代表曲「指輪」。結婚式の定番ソングとしても知られるこの曲を、車の中などで密かに練習し、ステージで堂々と歌い上げた。そして、地元の宝石店で購入したダイヤの指輪を差し出し、伝えた。
「あなたといられて僕は幸せです。結婚してください。これからもよろしくお願いします」
会場は大きな拍手と歓声に包まれ、祝福ムードに染まった。突然のプロポーズに、史さんは「驚いたけれど、うれしい」と笑顔を見せた。上迫さんは「これまで何もしてあげられなかったから、この機会に思いを伝えられて本当によかった」と語った。