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トークイベント「留学生と語る!私の推しガチ中華in池袋」レポート

東京ディープチャイナ

トークイベント「留学生と語る!私の推しガチ中華in池袋」レポート

大家好!中原美波です。 先月25日(土)池袋にて、「世界探訪#10 いまアツい!ガチ中華の世界」が開催されました。

主催は、豊島区の文化事業を主に担っている「としま未来文化財団」。同財団は、外国籍の方の割合が人口の1割を超える多文化都市・豊島区において、外国籍の方々と区民の交流を推進すべく、2019年以降、数々の文化イベントを実施してきました。

そしてこの文化イベントが第10回目の節目を迎える今回、豊島区で最多数を占める中国籍の方々に焦点を当て、中華圏の文化を理解するためのイベントを行うこととなり、TDCに企画のお誘いがあったのです。

豊島区は池袋をはじめに、ガチ中華の聖地ともいえる重要な地域であり、これまで街歩きや謎解きの舞台になるなど、TDCにもゆかりあるエリアです。 ということで、としま未来文化財団さん主催・TDC企画という形で進められた本イベントですが、豊島区池袋を舞台に、1/25(土)、26(日)の2日間にわたって、以下の3つの企画が行われました。

トークイベント –美味しいガチ中華はどこにある!? 池袋にあります!−
まち歩きツアー –池袋「ガチ中華」探訪 まち歩きツアー−
料理教室 ー初めての「ガチ中華」 ハラール中華に挑戦ー

②まち歩きツアーは、中村さん率いる「ライトチャイナコース」と松永さん率いる「ディープチャイナコース」の二手に分かれ、ガチ中華の聖地、池袋北口エリアを探索。

「ライトチャイナコース」は、若者にも注目されつつある軽食やスイーツを中心に、初めてでもチャレンジしやすい、レストランやカフェを紹介。

一方「ディープチャイナコース」は、個性が光る地方料理などを中心に、ハラール料理など、知る人ぞ知る名店を紹介。

ちなみに私は松永さんの「ディープチャイナコース」にアシスタントを兼ねて参加させていただきました。お店の基本情報に加えて、松永さんの目線でのお気に入りポイントやちょっとコアな注目ポイントまで、なかなかネット上からは知り得ない情報が盛り沢山でした。参加者の皆さんも熱心にメモを取ったり、質問をしたりとあっという間の45分間。 中村さんのライトチャイナコースも気になりますね。今後もガチ中華のお店を探索できるまち歩きに乞うご期待です。

③の料理教室は、なんと今回はハラール中華作りに挑戦できたのだとか?!

ハラール料理は、提供のための認証を受けるのが容易ではないため、食べられるお店自体も、他のガチ中華料理と比べてまだそう多くはない印象。そんな中、都内で既に2軒のハラール中華の店を営む牟明輝さんと同店シェフの解説のもと、あんかけ麺料理、「ラグメン(拉条子)」作りに挑戦できるというなんとも豪華なイベントが実現しました。

当日私は参加できなかったため、以下の記事を合わせてご覧ください。

https://deep-china.tokyo/recipe/33532/

さて、本レポートで主に紹介するのは①の「トークイベント/美味しいガチ中華はどこにある!? 池袋にあります!」です。

というのも、このトークイベントで、今回私は登壇者側として参加させていただいたからです。

昨年ごろから中村さんより、本イベントのお話を聞いており、トークイベントに出てみない?とのお誘いがありました。 TDCでライターを初めて早2年。まだまだ知識も経験も浅い私が豊島区主催のイベントで登壇者…できるのか…なんて不安があったのですが、私自身も池袋にキャンパスをもつ立教大学に在籍していることや、ガチ中華をテーマに卒業論文を執筆していたこともあり、私も豊島区の文化交流事業に携わりたい、という想いや、これまでの課外活動の集大成としての想いを込めて参加させていただくことに。

そして、トークの構成内容は一体どんな内容にしようか、と考えていたところ、同じく観光学部のゼミに所属する、先輩の姿が思い浮かびました。

私の所属するゼミには、大学院の観光学研究科に在籍する中国出身の留学生、闫耕(Yan Geng)さん、蘇毳妮(Su Cuini)さん2名がアシスタントとして、日頃からゼミ活動に参加して下さっており、以前から交流があったのです。

「せっかくならば、日頃の交流を活かして、日本人・留学生の両方の目線からガチ中華をテーマに話したら盛り上がるのでは?」とひらめき、先輩方をオファーしたところ、快諾していただけたため、座談会形式でトークセッションを行うことにしました。

さらに今回は、ライターかつ学部の先輩である二ノ宮彩実さん、胃袋担当として取材に度々同行してくれている谷井朱花さん、さらに、東北大学にてガチ中華をテーマに研究を行っているという留学生、李慕榟(Li Muzi)さんも、以前中村さんによるまち歩きツアーに参加したという経緯で登壇してくれることとなり、出身地域も専攻も多様で個性溢れる5名が加わってくれました。

《登壇者の皆さん》(写真左上から順に)
・李慕榟さん東北大学大学院 文学研究科 文化人類学専攻(湖北省出身)
・闫耕さん立教大学大学院 観光学研究科 観光学専攻(︎陝西省出身)
・蘇毳妮さん立教大学大学院 観光学研究科 観光学専攻(広東省出身)
・二ノ宮彩実さん立教大学観光学部交流文化学科
 二ノ宮さんの記事はこちら→ https://deep-china.tokyo/tag/ayami-ninomiya/
・谷井朱花さん立教大学観光学部交流文化学科

人によってはそもそも「初めまして」という間柄からスタートしたりもしましたが、オンラインを通じて何度か打ち合わせを行いながら、2ヶ月ほどかけ、みんなで話し合いながら準備をしてきました。

さて、当日の会場は池袋東口より徒歩10分ほどに位置するとしま区民センターさん。

ポスターに加えて素敵なポップも入り口に設置していただきました。

誰もこのようなトークイベントに登壇した経験がなく、当日会場入りした私たちは、ホール内の大きなスクリーンや、ご用意いただいた名前のパネル、さらには控え室までご用意いただき、ドキドキが止まりませんでした。

そしてこれは裏話ですが、李さんは当日宮城からわざわざ足を運んでくれたこともあり、実は開演2時間ほど前という本番直前にして、ここで初めて6人全員が出揃います(笑)。

しかしやはりガチ中華好き仲間だからでしょうか、あっという間に親交を深めることができ、終始会話が止まらず! 和やかな空気感で緊張をほぐしつつ、控室で念入りに最終確認をしました。

トークイベントの前半は、中村さんによるガチ中華の解説が行われました。区民の方や、まだガチ中華にあまり馴染みのない方にもわかりやすいよう、基本的なガチ中華の概要や、池袋がガチ中華の街となった経緯、池袋で食べられる地方料理など、ガチ中華のルーツから最新情報までをお話ししていただきました。

そして後半が、私たち学生による座談会。今回の座談会のトークテーマは「留学生と語る!私の推しガチ中華in池袋」。

池袋に根付きつつあるアニメカルチャーにあやかり、あえて“推し”という親しみやすい表現を用いて、それぞれお気に入りの池袋のガチ中華を紹介し合うという内容です。司会進行は私中原が務めます。

50分ほどの中で、主に3つのトピックを設けてトークを進めました。まず一つ目は、

①私の推しガチ中華in池袋

早速メインテーマでもある、個人的に“推し”である池袋で食べられるガチ中華のお店や、そこで食べられるメニューを順に紹介しました。我々日本人学生からは初めてそのお店を食べに行った時の思い出話、留学生からは現地の味や雰囲気と比較しての印象など、それぞれの観点から、ジャンルや地域も多様なお店が紹介されました。以下はそれぞれが紹介した“推し”のお店とメニューです。右側記載のアクセスもご参考まで。(敬称略)

中原

沸騰小吃城

ムーさんの蒸鍋館

二ノ宮

凡記 西安肉夹馍

鉢鉢香

羊肉専門店 辰 TATSU

谷井

四川麻辣湯

ウイグル料理 ドラン&牛家兄弟蘭州牛肉麺

民記煲仔飯

撒椒小酒館

発表の様子。

皆さんが行ったことのあるお店、あるでしょうか?

それにしてもこの6人の推しを見るだけでも、ガチ中華のバラエティの豊かさが伺えますね。池袋にはまさにこんな多様でディープなガチ中華な世界が広がっているのです。皆さんの“推し”も気になります。ぜひTDCのSNSで推しを共有してください!

続いてのトピックは

②辛いだけじゃない!ガチ中華スイーツ&ドリンク

ガチ中華といえば、唐辛子や花椒など、香辛料をふんだんに使用した激辛料理や、ボリュームある大皿料理を1番に思い浮かべる方も少なくないかもしれません。そこで、ガチ中華のもっと幅広い世界をもっと知ってもらいたい!との思いでこのトピックを選びました。ここでもそれぞれが紹介した“推し”ガチ中華スイーツやドリンクを提供するお店をちょこっと紹介。スイーツに関しては、タロ芋などを使った台湾料理や、様々なドリンク文化も根付く香港料理が多い印象。

中原

台湾早餐天国

二ノ宮

Meet Fresh 鲜芋仙

有夏茶房

谷井

Filomena

アンソニータルト

毒・糖水舗

撒椒小酒館

発表の様子。

先ほど紹介した同イベントのまち歩きツアー、「ライトチャイナコース」でも取り上げたお店がいくつか見られます。近年はスイーツやドリンク専門店もかなり増えてきましたが、李さん紹介のお店のように、ガチ中華のお店の特徴として、食事系メニューをメインとしたお店でも、メニューの端にちょこっと載っているスイーツが「このスイーツ専門店も開けるのでは!?(笑)」というくらい美味しいお店も多いので、ぜひ食後にも、ティータイムにも、ガチ中華スイーツやドリンクも楽しんでもらいたいですね。

③麻辣湯のネクストブームは?!

そして最後は、話の焦点を少し変えて、最近の麻辣湯ブームに次いで、今後新たに流行するガチ中華メニューをみんなで大予想。

近年は芸能人やインフルエンサーのSNSの発信をはじめに、ガチ中華の中でも特に麻辣湯の人気に火がつき、都内麻辣湯の店では連日行列を見せています。辛さや具、麺など一つ一つを選ぶことができるオリジナル性やヘルシー性が魅力となっているのでは?などと想定しながらそれぞれ予想。 と言いつつ、やはり近年は何が突然流行るか、本当にわかりません。結局、「流行って欲しい」という願望も込めつつ、ガチ中華の“推し”ポイントを反映したネクストブームをそれぞれ予想しました。

話の中では、麻辣湯はやはり、具材等を一から自分で選べるのが魅力では?という考えから、蘇さんや李さんをはじめに、今後は自分で選べるスイーツが流行るのでは?という声がありました。

一方、麻辣湯好きの谷井さんからは、「予想が難しいけれど、私は食感重視なのでサクサク食感の食べ物が流行って欲しい」という、斬新な切り口での意見が。

確かに、特に台湾ではもちもち食感を意味する“QQ”をメニュー名に用いたりと、食感は重要な視点かもしれません。

また、タロ芋好きの二ノ宮さんからは「タロ芋専門店が増えて欲しい」と言った声が(芋好きの私も強く同意)、筋トレ好きの闫さんからは「トレーニングにも効果的な、“肉の塊!”みたいなメニューが流行れば…(笑)」など、個人的にこんなお店が増えたら嬉しいな、というユニークな意見も。

私個人的には、願望も込めて、やはり“ハラール中華”がネクストブームではないかと。ガチ中華ならではのバラエティの豊かさが、今後より多くの方々に見出されたら、食の世界はもちろん、人と人との交流もそれだけ広がっていくのではないかな、なんて理想を描いたりもしています。 それにしても、みんなでガチ中華の未来を予想するはとても楽しかったです。

そんなこんなであっという間に終わりを迎えたトークイベント。トークイベント初登壇、初MCということで、拙い部分もありましたが、ご参加いただいた皆さんからは、「学生たちの等身大のトークがとてもわかりやすかった」、「ガチ中華に以前から馴染みはあったけれど、今回は様々な目線で、改めてガチ中華を知ることができて新鮮だった」、「ユニークな意見がたくさん出てあっという間の時間だった」等の有り難いお言葉をたくさん頂きました。

今回はいつもの取材とはまた違った形で、ガチ中華の深くて幅広い魅力を発信しました。本イベントを通じて、一緒に登壇した仲間やご来場の皆様、そして財団の担当者の皆様と、この池袋という地で交流できたことは、本当に貴重な経験であり、有意義な時間で、本イベントに参加できたこと、本当によかったと思いました。任せてくださった中村さんをはじめ、関係者の皆様に改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

イベントのタイトルは“いまアツい!”ですが、“今後もアツアツ!”なガチ中華の世界を皆さん一緒に楽しみましょう!

池袋「ガチ中華」探訪まち歩きツアーのあとの打ち上げ風景(ムーさんの蒸鍋館にて)

(中原美波)

                          撮影協力/佐藤憲一  

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