2025年度予算案 一般会計が初の800億円超 人件費、物価高など背景
鎌倉市は2月3日、総額1348億1117万円の2025年度当初予算案を発表した。行政サービスを行う一般会計は、前年度比65億1890万円増(+8・8%)の809億7390万円を計上。予算規模は2年連続で過去最大となり、初めて800億円を超えた。国民健康保険や下水道事業などの特別会計は、538億3727万円とした。
松尾崇市長は3日の定例会見で、「ミライへの架け橋予算」と名付けた新年度予算案を発表し、「まちづくり・子ども・教育・安心安全の分野を中心に全力で市政に取り組みたい」と語った。
財源となる歳入は、全体の47・7%を占める市税が個人の給与収入や企業収益増により前年度比21億9008万円増の385億9346万円。ふるさと納税が好調な寄附金は前年比12億8891万円増の30億1371万円。市の借金にあたる市債は前年比2億1030万円減の42億4050万円発行。貯金にあたる財政調整基金は、51億9000万円切り崩す。
ごみ処理などで23億円
歳出について市は、「人件費や物価の高騰、児童手当の増大などによる」と説明する。福祉などにかかる民生費が全体の4割を占め、前年から25億8676万円増。総務費は、今年行われる市議選と市長選の費用などを計上し、前年比21億643万円増とした。
事業別では、今年5月に開幕する東アジア文化都市の事業費に2億円。名越クリーンセンターの解体とごみ中継施設の整備、一部地域でのごみの戸別収集開始など生活環境分野として23億円。市役所移転計画関連は、前年からの債務負担行為として基本設計業務費を3億円計上。深沢地域整備事業では、深沢小学校西側道路の改良設計や埋蔵文化財の試掘調査に5億円。坂ノ下に建設を予定する漁業支援施設の整備には、4億円を計上。由比ガ浜中学校の開校や学校給食の食材費高騰による増額分負担なども予算に盛り込んだ。
来年度予算案は、2月12日(水)開会の市議会定例会に提出される。
位置条例提出は4月市議選以降
市役所の深沢移転計画を巡り、松尾市長は3日の会見で、移転に必要な「位置条例改正案」を2月議会に提出しないことを明らかにした。松尾市長は「議員の意向を聞き3分2以上の賛同が得られたら速やかに提出したい」とし、再提出は4月の鎌倉市議選後となる。