有明海のみに生息? 初夏の風物詩<エツ漁>が5月1日解禁へ【福岡県久留米市】
熊本・大分・福岡・佐賀の4県を流れる筑後川。初夏の風物詩といえば「エツ漁」です。
この漁で漁獲されるエツはカタクチイワシ科に分類される体長40センチほどの魚で、有明海とそれに注ぐ川に生息しています。
【画像】エツと共に有明海を代表する魚<ワラスボ>の見た目はエイリアン
今年も5月よりエツ漁が解禁され、漁期間中は福岡県久留米市城島町周辺の飲食店などでエツを使った南蛮漬けや天ぷらなど様々な料理を楽しむことが可能です。
唯一無二のカタクチイワシ科魚類
エツはニシン目カタクチイワシ科に属する魚で、有明海およびそれに注ぐ川に生息します。
日本のエツ属魚類はエツのみが知られており、他のカタクチイワシ科と異なり胸びれに遊離した軟条を持つこと、体が細長く臀びれと尾びれが連続することなど、日本産カタクチイワシ科では唯一無二の形態が特徴です。
沿岸性の魚ですが、汽水域、河川中流域の淡水域にも生息。5~8月に筑後川の15キロ上流で産卵し、河口域で卵が孵化します。
エツ漁は初夏の風物詩
筑後川の下流域に位置する福岡県久留米市城島町では、毎年5月からエツを狙ったエツ漁始まり、小旗をたなびかせる小舟はこの地域における初夏の風物詩として知られています。
漁期間中である5月1日~7月20日には、久留米市城島町周辺の飲食店でエツを使った南蛮漬けや天ぷら、刺身、焼き物など様々な料理を楽しむことができるほか、久留米市ではエツに関連したお祭りも開催されています。
産卵期はエツの食べごろ
エツは海にいる間は骨が硬く、身が薄いものの、産卵期を迎え川を遡上したエツは身が分厚くなり、骨が柔らかくなることから食べごろになるのだそう。
毎年、漁期にしか味わえない有明海のエツ。この機会にぜひ福岡県のエツ料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
(サカナト編集部)