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【人材育成】適性を活かすリーダーの視点|関本大輔(株式会社アドハウスパブリック)#10

にいがた経済新聞

こんにちは。株式会社アドハウスパブリック代表の関本大輔と申します。

このコラムでは、「ブランディング」をテーマに、その本質や大切にしたい考え方について弊社の事例を交えながらお伝えしています。

今回のテーマは、“その人らしさ”や適性を認めることの大切さについて。一人ひとりの“光る部分”を見つけて伸ばすことが、チームも人も強くする。そのヒントをお届けします。

ぜひ、最後までお読みいただけると幸いです。

人の力を引き出すのは、それぞれの“適性”

春ですね。新入社員が入って育成に奮闘中、あるいは、人材不足で困っているという企業様の話を耳にするようになりました。いずれにしても、「働いてくれる人たちには、自分の力をフルで発揮してもらいたい」「仕事ができる人を増やしたい」というのが、共通の想いではないでしょうか。

ここでひとつ、改めて考えてみたいことがあります。
“仕事ができる人”の定義って、一体何なのでしょうか。

前向きなチャレンジ精神を持ち、やることを前提に考えてくれる人。
一番良いゴールに向けて、何をすべきなのかを考えられる人。
やると決めたことを、一心不乱にやり遂げようとする人。

いずれも、“仕事ができる人”と言えると思います。

こうして見てみると、“仕事ができる人”かどうかは、目標に向かって責任を持ち、やり切る姿勢――つまり、コミットメントを発揮できているかどうかが関係しているのかもしれません。

でもコミットメントは、自然と発揮できる場所もあれば、そうじゃない場所もあると思います。
私たちは、どんなところならコミットメントを発揮できるのでしょうか。

例えば、私の場合はコツコツと仕事をするのがとても苦手です。スーパーのレジなど、一定のルーティンが求められる仕事では、絶対にコミットメントは生まれません。でも反対に、そういった業務をきちんとこなすことに達成感を持ち、楽しめる人もいる。

つまり、人は自分の適性があるところで、コミットメントを発揮できると私は考えています。

どんな人にも、やれること・やれないことはあります。それは、能力があるかないかではなく、適性があるかどうかによって決まるもの。人それぞれが持っている人間の力というのは、必ずあります。その力にどうやって光を当てて活かしていくのか、というのが重要なのです。

人を育てる出発点は、“自然な強み”を見つけること

とあるホテル経営者の話を例にあげてみます。

その方は、事業をたたみそうなホテルを買い取って経営再建をしました。元からそこで働いていた職員さんたちは、それまでにずいぶんと苦労されていることもあって、ネガティブ思考になっていたのだそうです。どういうことかと言うと、「仕事をなるべくしないようにしよう」もしくは「面倒くさいことを自分で背負わないようにしよう」という考えが染み付いていたのです。

そんな後ろ向きな姿勢を見ていた経営者の方は、思わず「何をやってるんだ」「何でできないんだ」なんて言葉を言ってしまいました。でも、それによって仕事への取り組み方が良くなったことは、一度もなかったのだそうです。

そこで、人を責めるような言葉をやめ、一生懸命やっていることを褒める言葉に変えてみました。例えば、掃除をしている人には「いい掃除してるね」「毎日ありがとうね」と伝え始めたのです。すると、どんどん職員たちはいきいきと働くようになったのだそうです。

褒めるとは、その人の“自然な強み”を見つけて、認めてあげること。本人が自然にやってることは、実はその人が得意なこと・適性のあることなのです。そこをしっかりと見て褒めてあげることが、適性を伸ばすこと、つまりその人自身の成長につながります。

自然に体や考えが働く環境や仕事は、人によって違います。だから、まずは社員一人ひとりと向き合い、良いところや個性を見つけて認めてみましょう。これが、人を活かす立場にある全世界のリーダーの方にやってほしいことでもあり、私自身が大事にしてきたポイントでもあります。

結果だけではなく、まずはその人自身を見る。

仕事においては、つい「コミットしているか」「コミットメントがあるかどうか」を求めてしまいがちだと思います。

でも、大切なのは“その人自身”を見ること。そして何より、その人の価値を信じて認めることです。「こうあるべき」という押し付けは、かえってコミットメントを阻害してしまいます。だから、まずはその人がうまくできること、一生懸命やっていることを認めて、宝物として扱ってあげることが、とても大事です。

もちろん、指導に関してはときには厳しさも必要ですが、同時に「あなたにはこういう良いところがある。ここを伸ばしていこう」と伝えてあげることも大切です。自分の強みを知っていれば、困難な場面に直面しても「これが自分の持ち味だ」と軸を持ってチャレンジし、成長し続けることができます。

私自身、社員と向き合うときには、本人以上にその人の力を信じています。過去の経験や性格、得意なこと・苦手なことから、「この人には、まだ見えていない可能性がある」と信じて関わることを大事にしているのです。

その上で、あえて細かく教えることはしません。必要なことだけを伝え、あとは任せて自分の力で掴んでもらう。自発的な行動の中でこそ、成長の芽が育つと考えているからです。

実は私自身、若い頃に経営で苦しんでいたとき「君には人を感動させる力がある。人を動かすことができる」と言ってもらえた経験があります。その言葉が、自分の可能性を信じるきっかけになり、今も大切な自信となって残っています。

人の力を信じて、その人の“良さ”に光を当てること。これは、想像以上に大きな力を持っている。そう信じて、これからも人と関わっていきたいと思っています。

良いところを客観的に見つけられないときは、ストレングスファインダー®(クリフトンストレングス®)などのツールを活用してみるのもおすすめです。ストレングスファインダーの良いところは、不得意なところも見えること。無理に不得意なことをさせると、やる気を失わせる原因になります。その人の得意・不得意を見抜いて、そこを皮切りにその人に合った仕事を与えていくことができます。

「人に光あり」。これは私が大事にしているテーマの一つです。
新年度に入社した方や一緒に働き始めた方の良いところを、ぜひ見つけてあげてください。

今回はここまでとなります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

関本 大輔(せきもと だいすけ)

株式会社アドハウスパブリック代表取締役。新潟デザイン専門学校を卒業後、東京の出版社でデザイナーとして勤務。その後、父が設立した会社を継ぐため帰郷し、2013年に代表取締役として就任。

お客さまの本質的な課題解決につながるインナーブランディングと卓越したデザインで、さまざまな企業や事業のブランディングに携わる。過去1,000件以上の実績で、地域・業界を問わず評価されている。

米国ギャラップ社認定ストレングスコーチのほか、越後雪室屋ブランドディレクター・理事、新潟県6次産業化プランナー、新潟市異業種交流研究会協同組合理事長を務める。

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