被爆者たちの証言伝え続ける 日本被団協 和田さんが講演
市場上町在住で、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の事務局次長を務める和田征子さんの講演が2月22日、鶴見公会堂で開かれた。
これは、日本被団協が昨年ノーベル平和賞を受賞したことを受け、地元有志が授賞式の前に和田さんの壮行会を開き、今回は授賞式の報告会として開いたもの。会場には和田さんの話を聞こうと約250人が集まった。
和田さんは1歳10カ月の時に長崎の爆心地から2・9Km離れた自宅で被爆。これまで各地で講演を行ってきたが、「当時の記憶がない私が話して良いものか」と常に自問してきた。
しかし、「それでも被爆者たちの声を伝えていかなければならない」という思いで、この日も母から聞いた話として当時の様子を語った。自宅近くで毎日多くの遺体が焼かれ、悲しみなどの人間的な感情が次第に麻痺していったこと、自宅近くの救護所に運ばれてくる被爆者たちの身体にわき続けるウジ虫を母親がほうきで払い落としていた話など、時折言葉を詰まらせながら語った。
そして、日本被団協の活動に携わるようになった経緯や活動を報告。今回のノーベル平和賞受賞を改めて核兵器廃絶の機運が高まるきっかけにしたいとし、「これからも被爆者たちの証言や訴えを伝えていきたい。それを聞いて、一人でも多くの方が核兵器廃絶について考えるきっかけにしてもらえたら」と語った。