もっと“私らしく”生きたいあなたへ。「花開くように生きる」という新しい幸せのカタチ
家事に育児、仕事や地域の用事に追われる日々。やりたいことがあるような、ないような。疲れているのに、「がんばれてない」ような気がして落ち込むことも。そんなとき、「幸せになる」って、なんだか遠い言葉に感じませんか? 今回は、そんな毎日を生きるあなたにこそ知ってほしい「Flourishing(フラリッシング)ー花開くように生きるー」という新しい“幸せのかたち”をご紹介します。
幸せって、笑ってることだけじゃない。
先日、僕がやっている音声配信Voicyで、ある研究者の方をゲストにお招きしました。
その方は「Flourishing」な生き方、についての発信をされており、詳しく話を聞くほどに、まさにいまの僕達世代に必要な考え方だと感銘を受けたのです。
「Flourishing」とは、心理学者マーティン・セリグマン博士が提唱した、“人が花開くように、いきいきと人生を生きる状態”のこと。
「幸せ=ポジティブ感情」というイメージがありますが、フラリッシングでは、もっと広く・深く、「自分らしく充実している状態」を大切にします。持続的な幸福、なんて言われ方をしたりもします。
この状態になるには、5つの柱があると言われています。
・ポジティブな感情(Positive Emotion)
嬉しい、楽しい、感謝している、ほっとする─そんな感情があるか?
・没頭(Engagement)
時間を忘れるほど何かに夢中になれる瞬間があるか?
・良い人間関係(Relationships)
支えてくれる人がいるか? つながりを感じられているか?
・人生の意味・意義(Meaning)
「これは誰かの役に立っている」「生きている意味がある」と感じられているか?
・達成(Accomplishment)
小さなことでも「やり遂げた!」という実感があるか?
この5つのバランスが取れていると、人は自然と“Flourish(花開く)”していくと言われています。
40代ママの日常にこそ、フラリッシングの種がある
とはいえ、「そんなのムリ」「そんな時間ない」って思うかもしれません。
だけど、よくよく振り返ってみると、僕たちの毎日にはすでにFlourishingの種がたくさんあるんです。
たとえば、
・子どもとお風呂で笑い合った(P)
・推しドラマを見て、気づいたら30分経ってた(E)
・ママ友とちょっとした愚痴LINEで元気が出た(R)
・「家族がごはんを食べてくれる」ことに意味を感じた(M)
・「今日もお弁当つくった!」という小さな達成感(A)
「特別なこと」は何ひとつしていなくても、きっとあなたはもう、Flourishingの途中にいるんです。
今日からできる、フラリッシングの育て方
それでも、あまりにも身近なこと過ぎて、どこか満たされない気持ちがあるのも自然なこと。
だからこそ、「自分にいま足りていない部分ってなんだろう?」とちょっと立ち止まってみることが大事です。
そして、目の前の小さな出来事に、目を向けてみてください。
フラリッシングな生き方は、お金持ちになるとか、成功するとか、飛び抜けた成果を出すとか、そうした外的な要因で花開くものではありません。
心の置き方を変えることで”気がついていく”ことなのだと思うのです。
このことを教えてくれた方と話していて、もっとも共感し合ったのが「いま」を生きることが「フラリッシングな生き方」になるということ。
遠く未来の不安の中を生きていても、いまが苦しいだけ。過去の出来事にいつまでも囚われていても、過去の栄光も失敗もどうにもなりません。
いまこの瞬間の幸せを見逃さないように。
それは、本当に小さなことでも構わないのです。それに気がつくだけで、気がついた分だけ幸せになれるのだから。
自分を“咲かせる”ことに、遠慮はいらない。
がんばらなきゃ、ちゃんとしなきゃ、いい母でいなきゃ……。
そう思ってきたあなたこそ、きっと誰かのために動きすぎて、自分の花を咲かせることを後回しにしてきた人かもしれません。
でも、Flourishingは「誰かのために咲くこと」じゃなくて、「自分らしく生きることで、周りにやさしさが広がっていく」ことなんです。
だから、ちょっと一息ついたときに、ぜひ思い出してみてください。
三木智有/家事シェア研究家