「梅田店グランドオープン&大阪・関西万博開催記念!ねこ田米蔵先生・やまねあやの先生トークショー」レポート! 記事にできないかもしれないほどのギリギリトークに大爆笑!
2025年はアニメイト梅田がグランドオープン、アニメイト大阪・関西万博店がオープンするなど、アニメイトとしても記念となる年になっています。
そんな嬉しいオープンを記念して、アニメイトとも長年親交があるBL漫画家のねこ田米蔵先生&やまねあやの先生がアニメイト大阪日本橋でトークショーを2025年5月25日(日)に開催しました。題して、「梅田店グランドオープン&大阪・関西万博開催記念!ねこ田米蔵先生・やまねあやの先生トークショー」!
トークショーでは、ねこ田先生とやまね先生が作品に関する裏話や最近のプライベート事情だけでなく、記事にできるか怪しい爆笑トークまで、様々なお話を披露してくださいました。
本稿では、そんなトークショーの模様をレポートしていきます。BLならではのギリギリなお話はうま〜くぼやかして書いていきますので、ぜひ内容を想像しながら楽しんでくださいね!
【写真】ねこ田米蔵先生・やまねあやの先生トークショーレポート
意外な出会いにファンもびっくり!
今回のトークショーはねこ田先生とやまね先生のフリートークと事前にファンのみなさんからいただいた質問に回答していく形で進行していきます。早速、お二人が盛大な拍手に迎えられて登壇。
最初の挨拶では、やまね先生が「天気もあまり良くない中、足を運んでくださりありがとうございます。遠方からも来られている方もいらっしゃるようで嬉しいです」とコメントし、ねこ田先生が「やまねさんはプライベートの友達でもあるので、トークショーですけどいつもの日常会話みたいになりそうです(笑)」とコメント。しかし、ファンからしたらそういったお話が聞きたい様子で、みなさん期待の眼差しでステージ上を見つめていました……!
そんな仲の良いお二人。一体どうやって知り合ったのでしょうか?
ねこ田先生「私の当時の同居人が、やまねさんのアシスタント募集を見つけて「私、応募してみたい」と言いだしたんです。「そんな有名な先生のアシスタントなんてできるの!?」なんて言っていたんですが、申し込んだらアシスタントになって。それからもう一人、別の友人も同じように応募して、そこからのつながりが広がった感じです。もう20年以上になるんじゃないでしょうか。特に仲良くなったのはコロナ禍前くらいからで、急にずどーんと仲良くなったんです。やまねさんは本当にフットワークが軽いから、○○行きたいって言ったら一緒に行ってくれたり、突然「泊ってもいいよ」って言ってくれることもあったりして、当時は「いいの……?」って思っていましたね(笑)」
意外な出会いにファンも驚いた様子。特にコロナ禍は親交が深まる理由にもなったそうです。当時、やまね先生はアナログで漫画を描いていたそうですが、やはりコロナ禍中のリモートワークとなるとデジタルのアシスタントのほうが見つかりやすかったそうで、ねこ田先生にデジタル作画を勧められていたそうです。やまね先生のお宅に泊まり、デジタル作画のやり方をレクチャーしていたとか。
そんなねこ田先生の姿にやまね先生は「仕事仲間でもありますね。ねこ田米蔵先生はすごく頼りになるんですよ(笑)」と笑顔を見せていました。なんと、ねこ田先生がやまね先生のアシスタントをやったこともあるそうです……!(コミックスの最後にスペシャルサンクスでお名前が入っているそう)
あれの描写ってどうしてる……?
せっかくお二人が揃っているので、こだわりのラブシーンについてトークしてみることに。事前にファンから「お二人の性癖が知りたい」と質問を受けていたので、トークショー前日(実は前日はねこ田先生がやまね先生のお宅にお泊りされていた)にお互いの性癖について話し合っていた様子。ねこ田先生はたくさんある中、やまね先生は全くないとのことに驚いたそうです。
ねこ田先生「やまねさんが全然ないから、私の性癖暴露会みたいになってて(笑)。そのたびにドン引きされるという……。「それ、マニアックすぎるんちゃう?(笑)」って言われました」
会場のみなさんからも笑いが。せっかくなのでねこ田先生が性癖の一部を暴露! しかも、“◯◯◯改造”というハードなワードがいきなり飛び出し、みなさん思わず大爆笑! さすがのねこ田先生です。
そんなお話の中、BLとは切っても切り離せない表現規制についても気になるお話が。当初はリアルに描くことにこだわりを持っていたお二人ですが、規制が厳しくなるにつれて表現方法を模索していったそうです。白くぼかされてしまうので、下着を履かせてみたりとなかなか苦労をされている様子。
特にやまね先生は体毛を描くのもNGだと思っていたようで、「私は描くのもダメだと思っていたんです。でも、同人誌を描くタイミングがあって、今の同人誌がどうなのか調べるために米蔵のを読んだらめっちゃいい感じに描いてあって! 描いてよかったんやー! って(笑)」と誤解していた過去を語ります。「ええやろ?(笑)」としたり顔でやまね先生を見るねこ田先生。「あれから私も描くようになりましたね」と裏話を披露してくれました。
好みが分かれる筋肉のお話
興味深かったのは筋肉のお話。男性を魅力的に描く方法は漫画のジャンルによっても様々ですが、BLは少女漫画の系譜もあるため、腹筋などもそこまで描かない風潮が20年くらい前まではあったとねこ田先生が話します。
しかし、ねこ田先生の友人界隈で「腹筋ってええな……?」というお話になり、徐々に腹筋を描くようになったとのこと。『酷くしないで』では3巻あたりから腹筋が登場し始めているそうです。
対するやまね先生は「私は筋肉フェチやから受けの体も割とバキバキに描いてる。ちょっとやりすぎかなってぐらい(笑)。スリムにしたいのに気づいたらいつの間にか白目向いてバキバキに描いてる」と筋肉愛を熱くトーク。
筋肉と同じように受けのモノも大きく描いてしまうようで、「読者のみなさんからは、「使わないのにこんなに大きくなくていいんじゃないのかな……?」と思われているかもしれないんですけどね(笑)」とコメント。
ちなみに会場に集まったファンに「受けがムキムキなのは好き?」と聞くと、半分くらいのお客さんが手を上げていました。さらにちなみに、「受けのモノが大きいのは好き?」と聞くと、質問の内容もあってかあまり手を上げない結果に。やまね先生は「そうやね……。小さいほうが可愛いもんね……」と少し寂しそうな顔を見せますが、「確かに人の作品を読むときは小さいのが可愛いのはわかる。でも自分が描くのが楽しいのは大きいの」と語ります。
プライベートでも仲良しなお二人
お二人といえば、その仲の良さです。最近のお二人の仲良しエピソードを聞かれると、ねこ田先生が「靴とベルトとジャケットはやまねさんと選びました」と嬉しそうに語ります。やまね先生も「よねとお買い得のものを買うのが好きなんです(笑)」と笑顔を見せていました。
そんなやまね先生はデパコスを買うのが趣味。やまね先生とねこ田先生、お友達の3人でデパートに行って、お買い物だけでなく、商品の値段当てをしたり、試供品を楽しんだりしていたエピソードも聞かせてくれました。
やまね先生は修羅場の原稿をあげると自分へのご褒美もかねてデパートのコスメコーナーに行くそうです。「カツカツの修羅場を終えたあとにデパートのコスメコーナーに行くと、キラキラした宝石のように見えて、見ているだけでも癒やされるんですよ」と嬉しそうな様子。ねこ田先生も「フラフラなのにデパートに入った瞬間に「うわー! あっち行こう!」ってめっちゃ元気になるんですよ。大丈夫かなって心配になるんですけどね(笑)」とお話されていました。
ねこ田先生&やまね先生からプレゼント!
ここで、お二人が今回のトークショーのために作成したコラボイラストが公開に。ねこ田先生の『酷くしないで』の真矢秀幸&眠傘隆、やまね先生の「ファインダーシリーズ」の麻見隆一&高羽秋仁がアニメイト梅田の店員になったイラストです。
前日にお二人のSNSでも掲載されていましたが、なんとお二人がサインを書いて、来場者にプレゼントされるというサプライズも! これには会場からも大きな拍手が巻き起こります。
こちらのイラストは、今回のアニメイト梅田のグランドオープンということもあって、お二人のキャラクターたちを店員にしてみようと思ったそうです。背景となっているアニメイト梅田の店内もやまね先生が自ら写真を撮って参考にしたそう。
さらに、眠傘が持っているぬいぐるみはアニメイト梅田のキャラクター「ウメコ」。眠傘がウメコを抱きしめている様子が特にかわいいとやまね先生は語ります。
イラストにサインを書いている様子はお二人のXでも確認できるので、ぜひチェックしてみてくださいね!
読者の声はありがたい?
トークは続き、続いての質問へ。「描くつもりはなかったというキャラクターはいますか?」という質問に、やまね先生は「読者の反応が良ければ描いてみようかなと思うことはよくあります」とコメント。
ねこ田先生曰く、「やまねさんに性癖を聞いたときもそうだったんですけど、やまねさんは自分で描きたいものを描くというよりかは読者さんが見たいものを描きたいみたいなんですよ」とのこと。そのため「みなさんも見たいものをやまねさんにDMとかしておくといいですよ!」と呼びかけます。やまね先生も「編集さんからもそうだし、読者さんからの要望もけっこう取り入れますね」とお話されていました。
ねこ田先生も読者や周囲の反応を取り入れることがあるようで、例として挙げたのは『酷くしないで』の彰。当初はそこまで活躍がなかったそうですが(攻めかな? でもカップリングにはしないだろうなと思っていたそう)、友人から「彰は受けですよ」と急に言われ、「ですよ!? どういうこと!?」と思ったそうですが、徐々に洗脳? されていって、「じゃあ受けかなぁ……?」ということになったとのことです。
やまね先生もそのお話に反応し、「描いている側に見えていない世界が読者さんに見えていることってあるよね」と話すと、ねこ田先生も「あるある!」と共感します。「ありがとな! 使わせてもらうわ!」という流れで作品に登場することもあるようです。「BLはみんなで作っていくジャンルでもあるから、その良さでもあるかもしれんね」とやまね先生は総括していました。
心に残るセリフを
そうは言っても、創作というものは難産のようで、やはりお二人も作業の手が止まってしまう瞬間があるようです。なかなかいいアイデアが見つから無いときはどうしている? というお話へ。
ねこ田先生もずっと悩んでいるようで、「やりたいことを何十通りも考えるけど、結局一番最初に考えたやつに戻ることがよくある」と話します。
やまね先生も同じような悩みがある様子。「自分の中でやりたい展開というのがなんとなくあると思うんです。そこに行くまでにバシッと決まる瞬間があるんです。「この展開で行こう!」というやつ。それが降りてくると早い。降りてこないとダラダラと時間を使ってしまって……。本当に「降りてこい、降りてこい……」って祈る雨乞いみたいやね。ひとつのセリフでずっと悩んで、掲載したけど「やっぱ違う!」と思ってコミックスで変えるときもある」と苦労を語っていました。
しかし、それを聞いたねこ田先生が「やまねさんの漫画は「これどうやって思いついたんやろうな」と思ってしまうくらいバシッと決まったセリフがあるんですよ。「このセリフは私には出てこんやろうな」って!」と力説。やまね先生はそれに「そう?(笑)」とちょっと照れ笑い。照れ隠しか、「何この空間?(笑)」とお茶を濁していたのも印象的でした。もちろん、会場に集まったファンはニコニコとその様子を見守るのでした。
これだけは描いておきたいネタは?
続いての質問は「お二人とも一つのシリーズを長く書かれていますが、「これだけは描いておきたい」と決めているシーンやテーマはありますか?」というもの。
ねこ田先生は、「今回のシリーズではなくて、作家としていつか描いてみたいなというのは「記憶喪失ネタ」と、賛否両論あると思うんですけど「死にネタ」ですね。死にネタはとんでもなく賛否両論があると思うんだけど、それをどう昇華するかを作家として答えが出たら描いてみようかなと思ってる」と構想を話します。それに対してやまね先生が「死ぬのはメインキャラ?」と聞くと「そう」とねこ田先生。これには会場のファンたちも「え〜……」と驚いた様子。しかし、ねこ田先生は「わしかて! わしかてキャラが死んだら「なんでじゃ!」となる! でもやる!(笑)」と意気込みを見せ、笑いを誘います。
一方、やまね先生はすでに「ファインダーシリーズ」で記憶喪失ネタを描いた過去があります。「なんで描こうとした?」とねこ田先生に聞かれ、「ちょっとリセットしたいなというのがあった。麻見と秋仁の関係って私達の間では長いじゃないですか。ぶっちゃけ、記憶喪失ネタってやられたら「え、もうええやろ」と読者さんは考えると思うんです。けっこうやり尽くされているし、どの作品でもそれをやっちゃうとネタ切れと思われちゃう雰囲気もあったのでだいぶ悩んだんですけどやりました」と当時を振り返ります。
「あれは読者さんがどう思うか心配だったんですけど、結局やりきっちゃった。読者さんが「もういいよ!」ってなっちゃう前に終わらせる予定だったんですけど、なんだか長くなっちゃって、1.5巻分くらいその状態が続いたんです。でもそれが終わったら逆に蜜月が来たんですよ。なんかね、攻め(麻見)の様子がおかしいんですよ(笑)。」と話すと、ねこ田先生も同意。
ねこ田先生「そうそう! 昨日読んでて爆笑した(笑)。情事が終わったあとに秋仁がシャワーを浴びてたら麻見がそこにスッ……って現れて(笑)」
やまね先生「亡霊のようにね(笑)」
ねこ田先生「ストーカーやん!(笑)。あの麻見様がー!」
まるで漫才のようなやりとりに会場は笑いに包まれます。
やまね先生は続けて、「でもね、それも記憶喪失ターンがあってこそかと。物語の中に、戦いがあって、凪があって、みたいに山と谷を作りたくてあれをやりました」と話します。
そのお話の通り、最新刊はラブラブな雰囲気が流れていて、やまね先生曰く「辛い期間を読んでくれた読者さんへのご褒美」とのことです。
最後にサプライズが!
その他、最近買ったコスメや家電のお話など他愛もない会話をしているとあっという間にトークショーも終了の時間に。まだまだ聞いていたいほど面白いトークでしたが、最後にお二人から会場に集まったファンのみなさんにメッセージが送られます。
ねこ田先生「本日はお時間いただきありがとうございました。1時間半という短い時間でしたが楽しんでいただけたでしょうか?」
やまね先生「私たちも、いつもこんな感じで楽しくお仕事をさせていただいています。これからも読者の皆様から栄養をもらいながら頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました!」
盛大な拍手でイベントも終了! と思いきや、なんと最後にサプライズでお二人がみなさんをお見送りをすることに!
限られた時間ではありましたが、みなさんと交流しているお二人やファンの笑顔が輝いていました。
こうして今回のトークショーは幕を下ろしましたが、今回の特別企画として、ねこ田先生とやまね先生にアニメイト梅田でお買い物していただく特別企画も実施しています。そちらのレポートも合わせて掲載していますので、こちらもぜひお楽しみください!
[取材/石橋悠]