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日本人の77%が知らない“不妊の現実” 不育症の認知は男女で42ポイントの大差

Shizuoka

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■不妊の検査や治療 経験したカップルは4.4組に1組

妊活や出産に関わる知識で男女間のギャップが浮き彫りになった。「不育症」を知っている女性は6割を超えたのに対し、男性はわずか2割にとどまる。また、全体の77%が知らなかった不妊の事実も判明した。

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NPO法人「Fine」が「不妊に関する意識・環境調査2024」を実施し、その結果を公表した。不妊や不育症に関する知識や職場環境、保険制度の理解度などを幅広く調査したもので、約3組に1組が「不妊を心配したことがある」とされる日本社会に一石を投じる内容となっている。

調査では不妊に関する用語や事実についての認知度を示している。「精子や卵子は加齢の影響を受ける」、「不妊に悩むカップルの約半数は男性にも原因がある」といった内容に対しては、「知っている・聞いたことがある」の回答が8割以上を占めた。

一方、「日本で不妊の検査や治療を受けたことのあるカップルは4.4組に1組」は、「知らない・聞いたことがない」が77%に上る。「日本で不妊について心配したことのあるカップルは3組に1組」、「日本の出生児全体で、生殖補助医療で誕生した子どもは10人に1人」という設問も7割以上に知られていない。

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■不育症の認知 女性62%、男性20%の大差

男女間の差が大きかったものもある。妊娠しても流産や死産を2回以上繰り返す状態を指す「不育症」を知っている女性は62%だったのに対し、男性は20%にとどまった。「妊娠に至らない期間が1年を超えると不妊症と診断される」ことの認知も、女性は71%で男性は39%とギャップがある。

調査では、「不妊治療中の同僚を応援したい」と答えた人は82%に上った。一方で、「フォローのために自分の仕事量が増えても給料は変わらない」、「代替要員がいない」、「しわ寄せがくるのが嫌だ」などの理由から、支援に踏み出しにくい現実も明らかになった。

実際に職場で不妊治療に対応した制度が「ある」と答えた人は19%に過ぎず、「ない」(46%)、「わからない」(36%)と、制度の認知や整備は進んでいない。Fineは「応援の気持ちはあっても、制度や職場環境が整っていないために行動に移せない人が多い」と指摘している。

「不妊や不育症について、小・中学校でも教育が必要だと思うか」との問いには、79%が「はい」と回答した。中には「高齢出産が当たり前ではないことを、もっと早くから教えるべき」、「性教育では“すぐに妊娠する”としか教えられなかった」といった意見も寄せられ、若年層の意識啓発の必要性が浮かび上がった。

今回の調査は昨年11月から今年2月にかけて実施された。対象の年齢や性別をしぼらず、ウェブアンケートで自由回答を含む43問を設けた。1286人から回答を得ている。

(SHIZUOKA Life編集部)

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