【京都円町】抜きんでた火入れのうまさ。趣向を凝らした焼鳥をリーズナブルに「鶏処 藤」
JR円町駅から徒歩数分、2023年オープンの焼鳥店「鶏処 藤」でディナーなり。高級店にも匹敵するお味を比較的リーズナブルに楽しめる焼鳥店、おすすめです。
円町でおすすめしたい焼鳥店
毎週末食べ歩いているので年200軒ぐらいの飲食店を回るのですが、これは凄いなあ!と思うお店のHIT件数は年に10軒前後ではないかなと思うのだ。(このお店は我が家向き!と思うお店には、結構な頻度で当たるのですが)
で、今回、超久々に極私的焼き鳥店好き度ランキングで3位以内確実!と相方共々意見一致したお店に当たりましたので、ぐっと気合を入れてご紹介。写真、滅茶多いです。
で、今回やってきたのはJR円町駅から南東方向徒歩3分ほどの駅近物件、西大路沿いにある「鶏処 藤」なる焼鳥店。お隣が人気カレー店「リバーブ」なるお店です。2023年10月10日オープンなので1年も見落としていたのですが、確か数日前にネット予約を入れてやってきた金曜日、18:30。
17:00オープンで、初めに入っていた人と交代で入店。奥に向かって長ーいカウンター席が11席。入り口側の角席が空いていて焼き場の真ん前に着席するわけで。焼き手は金髪短髪&髭のご店主(喋るとめちゃ優しそうなお兄さん)、スーシェフのお兄さんと女性スタッフ2名で運営中。焼き鳥店とすると、綺麗に片付いたスッキリした店内。
とりあえず「生ビール」¥600と、「グラスワイン白」¥600ぐらい?をお願いすると、突き出しにサラダがすっと出てくる仕組み。生ハムが乗っかっている春菊サラダなのですが、生ハムでさりげなく季節の柿を包んであるのがお洒落。ドレッシングもフルーティな酸で美味しい。
で、何を注文しようかなあ!と悩むわけで。焼鳥の一推しは亀岡産の七谷地鶏、それ以外は鳥取産の銘柄鶏をお使いの模様。一串¥300~¥400が中心価格で、ま、お手軽店ではないのですが内容は非常に充実。鍋もあります。
こちらがフードメニューとお酒の一部。サイドメニューもかなり種類が豊富で、なかなか悩み甲斐あり!なラインナップ。うううーんと悩み、初見なので「地鶏たたき(もも)」¥1100、「焼鳥厳選8種盛り合わせ」¥2400×2、野菜系のサイドメニューを2種注文。
今日は鶏をしっかり食おう!とサイドメニューは軽いものばかり注文。まずは「塩熟トマト」¥600なり。ちゃんと芯を抜いた甘ーいトマトのみ!というシンプルな一品ですが、正に素材がすばらしいわけで。
で、こちらは単品メニューの七谷地鶏の「たたき(もも)」¥1100が登場。サイズ的にはかなり小ぶりな部類ですが、焼きたてで薄めの皮が超軽やかなパリパリ食感で・・・
身は中心まで温かく程よく火が入っている状態。もっとレアなお店が多い中、こちらはもう少々火を進めて芯まで強めに活性化させている感じ。まさしく火入れ絶妙。これならレアな鶏が苦手な人でも大丈夫なレベルではないかと。すだちに岩塩、刻み山葵、醤油とポン酢が添えてあり、色々味変できるのも気が利いているのだ。
これは日本酒にスイッチしたいねえ!とお酒メニューを確認。日本酒は御覧の9種がラインナップ。ボトルプレゼンはないのですが、一合売りで¥900~1200までという良心的価格設定。
日本酒はコロンとした可愛らしい形の片口での提供。注文毎にお猪口は変えてくれる仕組み。確か冷酒をメニューの右から注文したので、「日高見 超辛口純米」→「ちえびじん 純米」→「雨後の月 辛口純米」と進行したような。
串一本目が登場。銘柄鶏「心」(塩)なり。血管部分を除いた切り方で、こういう風に縦に串を打っているのを見たのは初めてかも!と思いつつ。ブリブリ食感で塩加減、火入れもバッチリ、相方と思わず顔を見合わせる旨さでした。サイズ的には、他のお手軽店より若干大ぶりぐらいですかね。
これは薬味をぜひ!とお願いすると、粉山椒・一味・黒七味が登場。心には黒七味がバッチリかも!とニンマリ。
で、二本目は七谷地鶏「だきみ」(塩)なり。こういう呼び名は初めてなのですが、だきみとは胸肉に皮を付けて焼いたもののようです。御覧のように薄めの皮をしっかり焼いてパリッパリ、身も比較的シッカリ目に火が入っているのですがちゃんとジューシー、という見事な火入れ。相方と、これは我々が好きな某店に肉薄する美味しさだ!と目を見張る訳で。
三本目は銘柄鶏「セセリ」(塩)なり。これは比較的さっと火を入れた感じで噛み締めると美味しい鶏汁がぷしゃー!と口中に溢れる感じ、食感もクニクニと艶めかしく。一味シッカリが美味しい。
四本目はインターバルに野菜串が入ります。「しいたけ」なり。肉厚且つ非常にジューシーで良いものをお使いで。先ほどのたたきのタレ(ポン酢)を使いまわすと更に美味しい。
更に追加のサイドメニュー「塩タマネギ丸焼き」¥700なり。丸々一個の玉ねぎを事前に下茹でしてあり、提供前にじわじわと炭火の上で転がして焼く手法。トローンと甘く、岩塩でさっぱりと頂けるのが良いところ。
五串目は銘柄鶏「ささみ大葉(梅肉)」なり。刻んだ大葉と赤カイワレが乗っていてさっぱり頂ける趣向。これもギリギリなレア焼ですが、ちゃんと火が入っている焼き加減。ジューシーでウマー!ですな。
六串目はこれまた斬新な串で、銘柄鶏「はらみ」(タレ)なり。ようやくタレ焼登場!なのですが、鰹節をまぶして味を乗せてあるのが工夫。クニクニとしっかり食感&香ばしいタレに鰹節の香ばしさが意外にマッチしている感じ。
焼き手のご店主は黙々と作業を進めるのですが、つくね等は注文毎に串に刺す仕組み。10本ほど同時に焼くことが出来そうな長ーい焼き台の上で、クルクルと場所を入れ換えつつ器用に火入れされているのを見ているだけで楽しい。肝は一番端っこ、など焼く時の定位置が決まっていそうなのが興味深いです。
七串目は、銘柄鶏「つくね」(タレ)が登場。ぷりぷりの卵黄付きにするとコース代+¥50なり。(お値段良心的~!) 甘ダレしっかり系ですが・・
割りましたの図。中にサクサクとした蓮根の角切りが仕込んであるのが食感上のアクセント。いやーこれも美味しいです。黒七味と共に。
で、セットの最後、8串目は七谷地鶏「手羽元」(塩)で終了。最近の焼鳥店は手羽先、手羽元の焼きはお上手で、あらかたどのお店でも旨いのですが、あー、やっぱり抜きんでて焼きがお上手だと納得のジューシーさ。素材も良いのでしょう。
第一弾の注文が完了。相方は概ねイイ感じだよとのことなのですが、〆は目の前のあの丸い物体を1つお願いすることにして、何本か食べておかないといけない串があるんじゃないの!ということで・・・
これは食べておくでしょう!その1は銘柄鶏「肝」はタレで。焼き台の端っこでじわじわと丹念に火を入れ、薄皮がパツパツになるまで膨らんでいるのですが、全体的にはホンノリ温かいぐらい。が、芯までちゃんと火が通る焼き方でした。これはもちょっとレアでも大丈夫だったかな。
これだけ1本注文してシェアした「燻製カマンベール」¥500なり。いやー、スーパーで見かけるようなサイズを半分に切ってダイナミックに!なのですが・・・
添えてあるのはナッツを砕いたものですかねえ。これまたセンスありますな。正にワインのアテですが、芳醇旨口系日本酒でも全然大丈夫。いやー、これは良きものですな。
で、〆の串がこちら。相方が大大大大好物の銘柄鶏「皮」(塩)なり。これも強火でシッカリと表面は焼いてあり、自らの脂で揚がっているのですが、断面が肉厚になるように成型してあって、中心は皮らしいねっちり感がしっかり残る焼き加減。相方共々、これはなかなかに凄いなあ!と。
〆がこちらなのですが、こういう形で出てきます~。
「焼きおにぎり」¥480なり。焼いているときにおにぎりについている「へこみ」はなんだろう?と思ったのですが、卵黄の醤油漬けが乗っかる定位置でした。しっかり浸かっている固まった卵黄なので・・・
半分こにするのも簡単。焼きおにぎりのカリッと焼けた表面と想像以上に柔らかい中心部のコントラストがウマー!でした。いやはや、最後まで大充実。
概ね、こういう2種類の鶏を扱っているお店は一押しの七谷地鶏と銘柄鶏の格差が結構あることが多いのですが、鳥取産が想像以上にハイレベル。マニアックな部位はないのですが、これは説得力のあるお味。
以上でジャスト2時間のマッタリタイム。生ビール1、ワイングラス白1、日本酒3合と呑むよりも食べるウエイト高めで〆て¥13000チョイ、というお支払いでした。この内容でこのお値段はめっちゃお安いという感想。
現在、京都市内にコース¥10000以上の高級焼鳥店がいつの間にか9軒!も誕生し、うち、2軒は過去伺ったことがあるのですが、その価格帯のお店に匹敵するお味を半額チョイで楽しめそうな一軒ですな。サービス陣も抜かりなく、なんだかいい気分で食事出来ました。我が家からはちょっと行きにくい場所なのですが、また平日狙いで来ることにします。オススメします!
店舗情報
店名:鶏処 藤
住所:京都市中京区西ノ京南円町135
営業時間:17:00~22:00
定休日:水曜日
TEL:080-3848-5979
https://www.instagram.com/toridokorofuji/