羽釜炊きのふっくらごはんで大満足おむすびランチ【あうん蔵】加賀藩ゆかりの米蔵を改装した富山・黒部のカフェ
朝晩は涼しく、日中もずいぶん過ごしやすくなりました。秋も深まるこの頃になってくると、おいしいのが…ふっくらとみずみずしい新米ですよね!
富山のお米でつくる、おむすびランチの店「あうん蔵」を紹介します。
歴史ある大きな蔵を改装した趣のある店内で、自分好みにカスタムしながらおむすびを楽しめるんです。
加賀藩ゆかりの蔵を改装した趣あるカフェ
店があるのは富山県黒部市。海水浴場や釣り桟橋のフィッシャリーナがある石田浜からほど近い、静かな住宅街の一角です。
美術館や史跡のような文化施設でもあるのかな…?と思うほど立派な庭園が広がるその奥に、真っ白な漆喰の壁に黒い焼杉板が映える美しい蔵が見えます。こちらが「あうん蔵」です。
加賀藩の米蔵を移築したという、堂々とした佇まい。
以前は音楽ライブなどを行う交流施設でしたが、2024年春に改装し、カフェとしてオープンしました。
蔵なので、店内は土足厳禁。入り口で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えます。
重厚な引き戸を開けて足を踏み入れると、ゆったりとした空間が広がっていました。
江戸時代、黒部の石田浜には北前船が出入りしていました。幕末から大正中期ごろまでは帆船が50隻以上も錨をおろし、海岸とは小さな船で行き来して荷物の上げ下ろしをしていたんだとか。
そんな北前船での交易のために使われていた、加賀藩ゆかりの米蔵。店の方によると、この蔵には3000石の米が収まる大きさだそう。ちょっとピンときませんが、1石は1000合に相当するということで…とにかく途方もない量です。
開放的な高い天井に、太い梁。木のぬくもりと同時にどっしりと重みのある歴史が感じられます。
握りたてのおむすびに汁物、副菜3種の満足ランチ
そんな場所でいただけるのは、米蔵だったことにちなんだおむすびランチ。
黒部米のおむすび2つに汁物、3種類の副菜がついたセットです。
食べ方は自分好みで! ふっくらおむすび
おむすびは「米」の字にあやかって、1つあたり88g。このおむすびが2つなら、女性にとっては十分です。体格のいい男性などたくさん食べそうな人にはちょっとサービスすることもあるんだとか。
それでも足りない!という人は、おむすび1つ200円で追加注文もできますよ。
今の時期は地元・黒部で収穫されたばかりの新米のコシヒカリを使用。
毎日羽釜でふっくらと炊き上げているそうで、粒が立ったツヤツヤのごはんを、ほろっとほどけるくらいに軽く握った塩むすびです。
このランチの最大の特徴は、焼き海苔と具材が別添えなこと。
まずは塩むすびをそのまま頬張って、ごはんそのままの味を楽しむのもよし。自分の好きなタイミングで海苔を巻けば、いつでもパリパリ。具材はおむすびの上に乗せても、中に入れても、おかずのように食べてもOK。
自分好みに楽しめるんです。
おむすびの具は、この日は手作りのシソの実の佃煮に、同じく手作りの赤ずいきと牛肉のしぐれ煮、そして梅昆布。さらにとろろ昆布もサービスです。
季節の野菜を使った汁物
大きな器に入った汁物は、具材がたっぷりで食べ応えあり!
この日は豚汁で、黒部のサツマイモ入り。なるべく季節の野菜を使っているそうです。
野菜の甘味が溶けだした、体に沁みる味わい…。ほんのりと香る酒粕がこれまたおいしさを増幅してくれました。
副菜3種は週替わり
おむすびと具だくさんな豚汁だけでも幸せになれるのですが、さらにセットには副菜が3つもついてきます。
メニューは週替わりで、この日のメインは揚げたての串カツでした。
ポテトサラダに、あっさりとした漬物も。
どれも手作りのやさしい味わいで、すべて食べ終わるころにはおなかいっぱい!
大満足のランチセットでした。
みんなで「会うん?」 おしゃべりを楽しむあたたかい空間
「あうん蔵」という響きからは「阿吽の呼吸」を想像しますが、実は由来は「会うん?」という話し言葉。近所の人はもちろん、富山県中からみんなが集って、楽しく交流できる場所になれば…という想いを込めて、カフェに改装したそう。
「きょう、あの店で会うん?」といったイメージでしょうか。
評判を聞いて県外からお客さんが訪れることもあるんだそう。
お結びセットのほかに手作りのスイーツもあるので、コーヒーやお茶と一緒に楽しみながらおしゃべりに華を咲かせるのもいいですね。
なお、店の状況によってごはんがなくなることもあるのでお結びセットが目当ての場合は電話予約してから訪れるのがオススメです。
記事編集:nan-nan編集部