一度起こしてしまうとクセになる?「ぎっくり腰」とはどんな症状なのか?【専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話】
1~3日で楽になることが多い
急に起こる強い腰痛を「ぎっくり腰」と呼びますが、これはいわゆる通称で、正式な病名や診断名は「急性腰痛症」といいます。ただし、のちに画像診断などで原因を特定できれば、病名が追加されたり、変わったりするケースもあります。
痛みの生じる原因は多岐にわたりますが、腰の関節や軟骨などに許容以上の力がかかって捻挫のような状態になる場合、または腰を支える筋肉や筋などの組織が損傷して起きる場合が多いとされています。腰をねじる動きや、ものを持ち上げるときに生じやすく、くしゃみ、洗顔といった何気ない動作が引き金になることもあります。
ぎっくり腰になり、激しい痛みで動くのもつらいときは安静にすることが大切です。体を軽く丸めて横向きに寝るなど、腰に負担をかけない楽な姿勢をとりましょう。多くの場合は1~3日で症状が和らぎます。動けるようになったら、なるべく普段の生活を心がけてください。じっとしているよりも治りが早くなります
よく「ぎっくり腰はクセになる」といわれますが、確かに繰り返し起こることは多いかもしれません。痛みがないからと安心し、まだ万全ではない腰の筋肉や関節に過度な負荷をかけたり、腰の不調を招いた生活習慣を続けていたりすると、再発の可能性を高めます。腰痛を起こした原因を再確認して、自分なりの対策を生活にとり込んでください。
ぎっくり腰って何?
腰の関節や筋肉が、 捻挫や肉離れのような状態になることが原因として多く、急な激しい痛みが生じます。 発症直後は安静が第一です。
急な腰の痛みが生じる仕組み
急に激しい腰痛が起きるのは、腰の関節(腰椎)や軟骨 (椎間板) に過度な負担がかかり、ケガ (捻挫や椎間板損傷など)をしたような状態になる。腰を支える筋肉や靭帯などの軟部の組織が損傷(肉離れなど)するなどが挙げられる。
痛みは急ですが、 日頃から腰に過剰な負担がかかっていた可能性が高く、 すでにギリギリの状態にあった筋肉や腰椎が、何かのきっかけで悲鳴を上げた結果が 「ぎっくり腰」なのです。
出典:『専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話』著/吉原潔