実はメリットが多い!「再建築不可物件」をミニマリストが購入した理由
東京都内在住の森秋子さんは、子育てを機に、時間と家事に追われる生活から脱却するため、物を手放す暮らしを始めました。その知恵と生活のヒントを綴ったブログ「ミニマリストになりたい秋子のブログ」は、瞬く間に人気ブログに。そんな森さんが、都内23区内にある築67年の小さな再建築不可物件を、1700万円でリノベーションし、見事に蘇らせた過程をまとめたのが『ミニマリスト、1700万円で家を買ってリノベする 東京23区・築67年小さなボロ家がよみがえりました』(KADOKAWA)です。予算やスケジュール、実際にかかった費用などを公開しており、これからリノベーションを考えている方や、新築を検討中の方にとって、非常に参考になる一冊です。
※本記事は森 秋子著の書籍「ミニマリスト、1700万円で家を買ってリノベする 東京23区・築67年小さなボロ家がよみがえりました」から一部抜粋・編集しました。
「再建築不可物件」のメリット・デメリット
最寄り駅から徒歩圏内で、バス停も近い。小さなクリニックなら歩いて行けるし、大きな病院もタクシーでワンメーター。図書館などの公共施設やコンビニやスーパーも近い。ハザードマップは問題なしで、何かあったときに避難する公共施設もそばにある。東京23区内で土地は75平米ほど。
こんな好条件がそろう物件は、再建築不可物件でなければかなり高額で、とてもじゃないけれど私には買えません。
「再建築不可物件」とは、現在の建物を取り壊して新たに家を建てられない物件のこと。主な理由は建築基準法に定められた「接道義務」を果たしていないからです。「幅4メートル以上の公道に2メートル以上接していない土地に建物を建ててはいけない」というもの。消防車が入れない、など防災上の観点からのようです。
建築基準法が定められた1950年よりも前に建てられた物件に多く見られるケースで、この家の場合は道幅が10センチ足りず、再建築不可物件となっていました。
再建築不可物件のデメリットは建て直しができないこと。建築面積を広げたり、平屋を二階建てにしたりもできません(水回りなどのインフラ設備の交換、断熱性や耐震性の補強などの部分的なリフォームは可能です)。
また担保としての価値が低いため、低金利の住宅ローンの利用が難しくなります。あえてローンを組もうとすると、とても金利が高くなるそうです。
一方で最大のメリットはなんといっても価格が安いこと。購入価格だけでなく、建物や土地についての評価額が低いため、固定資産税も通常の物件よりも格安になります(この家の年間の固定資産税は4万円しないくらいです)。
メリットとデメリットを踏まえたうえで、配管インフラや私道の権利関係に問題がなく、近隣との関係が良好な再建築不可物件は、とてもいい!というのが私の実感です。