創造展で内閣総理大臣賞 金の雨降るフヨウ描く 名張の飯田さん
5月下旬に東京都内で開かれた全国公募展「第78回創造展」(創造美術会主催)で、三重県名張市桔梗が丘4の飯田淳子さん(71)が、最高賞に次ぐ内閣総理大臣賞に輝いた。6月2日には名張市の北川裕之市長を表敬訪問し、受賞の喜びを伝えた。
高校、大学で芸術を学び、伊賀地域の小中学校に美術講師として勤める傍ら、絵画に取り組んできた。最初は洋画が中心だったが、2012年から京都造形芸術大(現・京都芸術大)で日本画を深く学び、在学中に知った塩を使って水墨画を描く技法「塩分解法」で創作活動を続けている。
今回受賞したのは、近所の家の庭で毎年咲くフヨウに、金色の雨が降り注ぐ光景を描いた、畳1枚ほどのサイズの「雨夏芙蓉図」で、構想から完成までに3年ほど要したという。花びらの白とつぼみのピンクに加え、夕立のしずくや雨が跳ね返るアスファルトの質感まで丁寧に描いている。
創造展は洋画、日本画、陶芸、彫刻、染織画の5部門があり、飯田さんが受賞したのは最高賞の「創造美術大賞」に次ぐ賞で、日本画部門では最上位。昨年は伊賀市の「上野天神祭」のダンジリ行列を描いたびょうぶで新人賞を受賞し、2年連続の入賞となった。
「私は淡々と描いているつもりだが、周りの皆さんがとても喜んでくれている。それが何よりうれしい」と語る飯田さんに、北川市長は「次は大賞を目指して、ますますご活躍いただけたら」と期待を込めて話した。