オリックス来田涼斗に大ブレイクの予感…打順別データに見る1番打者の重要性
沖縄2試合で計8打数5安打2本塁打の大暴れ
沖縄セルラースタジアム那覇で行われた西武vsオリックスの2連戦はオリックスが2連勝した。2試合とも接戦だったが、バットで勝利に貢献したのがオリックスの若武者・来田涼斗だ。
7月1日の初戦は左足首を負傷した西川龍馬に代わって途中出場。1-0で迎えた8回に1号ソロを放って勝利を決定づけると、翌2日の2戦目には1番ライトで先発出場し、2-2の延長10回に試合を決める2号ソロをライト外野席後方のネットに突き刺した。
なんと2試合で8打数5安打2本塁打の大暴れ。2戦合計で打率.625、OPS2.000という目を疑うような数字が並んでいる。
今季は開幕一軍に入れず、5月3日に一軍昇格したものの目立った活躍はなかった。それがここに来て突然の“確変状態”。西川の離脱が長引く可能性もあり、来田の好調さは頼もしい限りだ。
一軍デビュー戦で初打席初球本塁打
明石商2年春のセンバツ準々決勝・智弁和歌山戦で先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を放って度肝を抜き、同年夏の準決勝・履正社戦でも先頭打者本塁打。ドラフト3位でオリックスに入団して1年目の2021年には、一軍デビューとなった7月13日の日本ハム戦で初打席初球本塁打を放った。
高卒新人が初打席の初球で初アーチを放ったのはNPB史上初。思い切りのいいスイングとパンチ力は天性のものと言える。
ただ、華々しいデビューを飾った後は、やや伸び悩んでいる印象。昨季は自己最多の54試合に出場したものの打率.212、2本塁打、11打点とアピール不足だった。
しかし、レギュラーがケガで離脱した際に出場機会を得た若手が一気に素質開花するのはよくある話。ここ一番に強い来田はまだ22歳と若く、大ブレイクの雰囲気が漂う。
リーグ最高打率を誇るオリックスの1番
高校時代の先頭打者本塁打や、2日に西武・佐々木健から放った決勝弾も10回の先頭打者だったことから1番が性に合っていそうだ。実際、今季のイニング先頭打者だった打席では打率.583、2本塁打をマークしている。
実は1番打者の打率はオリックスがパ・リーグで最も高い。7月2日終了時点の各チーム1番の打率と主な1番打者は下の通りとなっている。
開幕1番は中川圭太でその後、福田周平や宗佑磨も起用されたが、スタメンで1番が最も多いのは廣岡大志。次いで西川龍馬、ドラフト1位ルーキーの麦谷祐介となっている。
1番の打率.307はソフトバンクの.270を大きく上回ってパ・リーグ1位。チーム総得点266でリーグ1位タイに並ぶ両チームにとって、1番打者が果たしている役割は大きいと言えるだろう。
リーグ3位の249得点を記録している日本ハムがリーグ最下位の1番打率.231と低いのは意外な気もするが、断トツ最多の66本塁打を放っており、万波中正、レイエス、野村佑希らのパンチ力によるところが大きい。裏を返せば、日本ハムが強力な1番打者を固定できればさらに得点力が上がる可能性もある。
いずれにしてもオリックス打線は強力な1番打者が牽引しているのだ。
ケガ人続出で大チャンス到来
続いてオリックスの打順別打率も見てみよう。
.307の1番は最も高く、次いで.304の6番、.276の7番となっている。2割6分台の2、3、4番や.242の5番はやや物足りないが、太田椋、杉本裕太郎、頓宮裕真、森友哉らパンチ力のある面々だけに確実性と長打力を天秤にかけた結果だろう。
欲を言えば来田が2番やクリーンアップでハマってくれればさらに得点力がアップするかもしれない。ただ、現状は廣岡大志も右肋骨骨折で離脱しており、来田が1番として思い切りのいいスイングで相手投手をかき回すのが最良と言えそうだ。
明るいキャラクターと爽やかなルックスでスター性も高い来田。沖縄での大活躍をきっかけにブレイクするか注目だ。
※成績は2025年7月2日終了時点
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記事:SPAIA編集部