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“塾なし・8人きょうだい”で開成中合格!子どもが自ら勉強する“自走力の身につけ方”

saita

“塾なし・8人きょうだい”で開成中合格!子どもが自ら勉強する“自走力の身につけ方”

8人きょうだいのご長男で、通塾なしに難関校の開成中学校に合格した息子さんをもつオトクサさん。これから中学受験を検討している家庭は、どのように勉強をしていたのか、親がどのように関わっていたのかを知りたい方も多いのではないでしょうか。子どもが自分で勉強するためには、下準備が大切だとオトクサさんは言います。詳しくお話を伺いました。

教えてくれたのは……オトクサさん

1981年大阪府大阪市出身。私立の中高一貫校へ進学し、中学・高校は塾に通わずに大阪大学に現役合格。現在、妻と8人の子どもとともに東京で暮らしている会社員。長男が塾なしで中学受験に挑戦する様子をまとめた新刊『通塾なしで開成合格!中学受験おうち勉強法』では、子どもたちが自ら学び進めるための取り組みを、大家族ならではの日常を交えてわかりやすく伝えている。

子どもの「自走力」を育むことがカギ

――オトクサさんの長男くんが2023年に超難関校の開成中学校に合格されましたが、8人のお子さんがいる中での受験は大変だったのではないかと思います。受験後に感じた率直な思いを教えていただけますか?

長男はそれまで我慢している部分もあったと思うので、「やっといっぱい遊ばせてあげられるな」というのが一番でした。長男が6年生のときは、0歳、2歳、4歳、6歳、8歳、9歳のきょうだい(年上は2歳上の長女だけ)がいたので、ちびっこがいると毎日がにぎやかで楽しいのですが、勉強中でも部屋にちびっこたちが入ってきたり、騒ぐ声が絶えなかったり、受験に取り組む環境としてはとても大変だったと思います。そんな中でも、一生懸命に勉強に取り組み、毎朝算数テストに取り組んだり、決められたスケジュールに沿って過去問を解いたりと、よく頑張っていましたね。

――その中で集中して勉強を続けた長男くんは、すごいですね。中学受験というと、親がつきっきりになるイメージがありますが、長男くんは高学年になったときには、ほぼ一人で勉強をしていたそうですね?

そうですね、5年生以降、私が勉強に関わるのは1週間で合計1時間程度でした。長男の合格までの歩みとして、2年生から6年生の大まかなスケジュールを書籍にも載せているのですが、4年生までは「自走」の練習として、勉強の仕方を教えることはやっていました。たとえば、わからない問題があったときに、自分で解説を読んで理解する方法などです。そのために、解説が充実していてわかりやすい問題集を選ぶこともポイントにしていました。

――自分で勉強できるように、練習されていたんですね。

自走というと、子ども自身が判断して計画を立てて進めるものと思われがちなのですが、私の考える自走は、「自分で教科書を読む」「自分で問題集を解く」「自分で丸つけをする」といったシンプルな意味で捉えています。勉強の計画を立てたり、勉強に必要な時間を決めたり、受験に向けた戦略を立てたりするのは親の役目で、「親が判断して決めた計画や取り組み内容があれば、子どもが自分一人で勉強に取り組めること」を目標にしてきました。でも始めからできる子はいないので、わが家では段階的にサポートすることで、高学年には自分で勉強できる“ほったらかし”モードになれました。

ほったらかしモードにするために「仕組み」をつくって「習慣化」する

stock.adobe.com

――自分でどんどん勉強を進めていける「ほったらかしモード」にするためには、何が一番ポイントになるのでしょうか。

やっぱり、勉強を習慣にすることが一番のポイントだと思っています。書籍の中では「歯磨きのように勉強する」といったことを書きましたが、勉強することが当たり前の状態にしていく仕組みづくりが大切じゃないかと。うちでは「朝勉」を習慣化することから始めました。最初から「6時に起きて毎日1時間半勉強する」といったことを習慣にしようとするとハードルが高くなるので、「まずは10分早く起きてみよう」と短時間でも習慣化できるようにしました。少しずつ勉強時間を増やしていったことが、わが家では自然とほったらかしの第一歩になっていたのかなと思います。

――続けられる目標に設定することがポイントなんですね。ほったらかしモードの準備として、ほかにどのようなサポートをされていたのですか?

ほっといても勝手にほったらかしモードになるわけではないので、低学年のときは問題集の解答解説の見方を教えて子どもが自分で間違えた問題のやり直しができるようにしたり、「この漢字なんて読むの?」と聞かれたときに自分で調べる力をつけるために辞書の見方を教えたりするのが最初に取り組んだことだったと思います。わが家では電子辞書を使っていて、子ども全員ゲーム感覚で楽しみながら調べています。毎回漢字の読みや意味を聞かれることがなくなるので、親として助かることもありますよね。

――確かに、漢字の読みを毎回聞かれるのは、小学生のあるあるですね。ほかにも、お子さんたちが小さな頃から習慣にしていたことはありますか?

電車に乗るときに切符を買ったら、切符に書いてある数字を使って四則計算をするゲームは恒例になっていました。今でもやっていますし、小学生の子どもたちは切符を買う時点で切符の取り合いをしています。お風呂でも「倍々ルール」「二乗ルール」「素数ルール」など、数を倍にしたり二乗や素数を数えるカウントを、お風呂をあがるときにしています。やりすぎると子どもたちに鬱陶しがられてしまうので、さじ加減が必要ですね(笑)。あとは、歩いているときに次男と三男が問題を出し合って、対決していることもあります。日常生活の中で自然と学びの機会をつくることで、計算力が身についたと思います。

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子どもが小さなうちから、オトクサさんのご家庭のように楽しみながら勉強の習慣をつけることができたら、とても理想的ですね。オトクサさんは、長男くんの受験期を振り返り、最も大事だったのは「朝の勉強」だと感じているとのこと。次回の記事では、「なぜ朝勉がいいのか」について、オトクサ家の朝勉のコツをご紹介します。

shukana/webライター

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