田中康湧五段 育った碁会所で指導碁
赤穂市内の碁会所からプロ棋士になった田中康湧(こうゆう)五段(23)が16日に来穂。アマチュア囲碁愛好者らと指導碁で対局した。
相生市出身の田中五段は小3で囲碁サークル「赤穂楽碁会」に入会。アマ7段の黒田紀典前会長(84)=塩屋=らベテランとの手合わせで力をつけて小6で棋士の卵の「院生」になり、16歳でプロになった。昨年は29勝を挙げ、所属する関西棋院から若手奨励賞の「谷口賞」と、交流棋戦年間最多勝の「吉田賞」をダブル受賞。さらなる飛躍が期待される。
この日は多忙なスケジュールの中、3年ぶりに来穂。赤穂楽碁会のリーグ戦が行われた加里屋中洲の市民会館で3人と同時に対局する「三面打ち」で会員らの挑戦を受け、時間の許す限り延べ16人に胸を貸した。囲碁歴約30年で初めてプロと対局したという上仮屋南の木津信行さん(76)は「瞬間的な判断が速い」と強さに舌を巻いた。
「今後の活躍を楽しみに応援したい」と中嶋正義会長。田中五段は「今年は新人王戦、若手棋戦の優勝と名人戦のリーグ入りを目指して頑張る」と抱負を語った。
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昨年の勝利数と「吉田賞」の説明に誤りがありましたので、記事を修正しました。取材時の確認が不十分でした。おわびします。(2025年3月23日9時50分)