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障害者アート上井さん 「バスと電車で笑顔届け」 3月1日から初の作品展

タウンニュース

作品を持つ上井さん、下の絵は急行とバスの停留所の表示板

大好きなバスと電車の絵で笑顔を届けたい――。上小田中のボールペンアーティスト・上井(うわい)淳さん(48)が3月1日(土)から、ららテラス武蔵小杉で初めての作品展を開く。知的障害者でもある上井さんは、絵を通して人々と交流できることを楽しみにしている。

ボールペン1本で描かれる作品は、自らが出掛けた先で見た大好きな乗り物たち。写真のように映像が記憶に残り、下描きなしのフリーハンドで描き上げる。一つの作品を仕上げるのにかかる時間は10分ほど。まるでコピーしたかのように見える同じ絵であっても、すべて手描きしたものだ。

上井さんは、知的障害と先天的な脳の機能異常により引き起こされるという自閉スペクトラム症を合わせ持つ。2歳を過ぎたころ、会話が上手にできないことを周囲に指摘された。母・さえ子さん(73)は「乗り物図鑑が好きで、数字に強く、就学前から計算ドリルやそろばんが得意な子だった」と振り返る。大戸小、西中原中と普通学級に通い、高校は高津区の特別支援学校へ。卒業後は工場や美容室で働き、現在も週5日、クリーニング店に勤務している。

上井さんは「休みの日には乗り物に乗って、横浜の遊園地や野毛山動物園、町田リス園などへ一人で出掛けるのが楽しみ」と話す。自分のペースが乱されることを嫌い、ときに大きな声を出すこともあるが、性格は穏やかで人の話にも耳を傾ける。

乗り物の絵を本格的に描き始めたのは成人してから。見たままを繊細なタッチで描き、ラッピングバスなどは色鉛筆でカラフルに仕上げる。バスの行先の表示板なども細い線で丁寧に再現する。作品はほぼ毎日描き、すべてスマホで撮影して保存。現物は人にあげてしまうことも多いが、残された画像は1000枚を超える。

1日は塗り絵体験も

上井さんの作品展は、ファミリースマイルプロジェクト主催のイベント「SDGsはぐくみじかん」の企画の一つとして実施。上井さんは「自分の絵を人前で披露するのは初めて。楽しんで、笑顔になってもらいたい」と呼び掛ける。3月1日の午前中は現地に行く予定で、その場で絵を描く姿を見せたいと意気込む。また、作品に自由に色を付ける塗り絵体験も行う。幼い子にも体験してもらいたいと、ネコなどの動物の絵も用意するという。「僕もみんなと一緒に塗りたい」と当日を心待ちにしている。

作品展は5月11日(日)まで。4階HIS横の通路に作品が並べられる。

作品を描く上井さん

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