【御前崎・荒磯】冬限定! 幻の魚「クエ」 が店内で泳いでる から揚げ・鍋が絶品
静岡県最南端の港町、御前崎市。冬だけ味わえる幻の魚「クエ」を求めて、1968年創業の老舗「磯料理 荒磯」を訪れました。実は御前崎で完全養殖されたクエが味わえるんです。さまざまな調理法で高級魚クエを堪能できる店でした。
【画像】記事中に掲載していない画像も! この記事のギャラリーページへ食通もうなる御前崎の名物「クエ」
御前崎市役所のすぐ近く、御前崎市池新田にある「磯料理 荒磯」。
50年以上続く磯料理を提供する和食処です。
荒磯の店主・大石勇さんが大きな網を持って向かった先は、店内にある大きな生け簀です。中には黒い魚影が見えます。
荒磯 店主・大石勇さん:
これがみんなクエなんです。幻の魚と言われています
この店で冬の時期だけ味わえる超絶品の幻の魚が「クエ」です。
クエはフグよりもおいしいと言われる超希少なハタ科の高級魚です。
実は、御前崎の数店舗でしかクエを使った料理が食べられないという、まさに幻の魚と呼ぶにふさわしい逸品なのです。
網の中で暴れるほど生きがいいクエを、大石さんは簡単にすくい上げましたが、かなり大型の魚です。
初めて生きたクエを見る人も多いのではないでしょうか。
“うろこ”まで食べちゃうから揚げ
冬季限定メニューの「まるごとクエコース(1人7000円~)」は注文は2人からで要予約。
鍋、から揚げ、もちろんお造りでもクエを堪能できます。
まずはから揚げを一口頬張ると、その食感の良さに驚かされます。
テレビ静岡・弦間彩華アナウンサー:
いい意味でお肉に近いモチモチ感です。身が引きしまっている感じがよくわかります
なんと“うろこ”のから揚げもありました。カリカリといい音がします。かめばかむほどうま味が出てきました。
荒磯 店主・大石勇さん:
クエは捨てるところがありません
クエのから揚げは、その独特の食感と濃厚な味わいで、一度食べたら忘れられない味になりそうです。
とろける食感の「クエ鍋」
から揚げもおいしいですが、大石さんは「このクエの鍋がまたおいしいんです」と、鍋のふたを開けます。
ほわっとした香りが立ち込め、ふっくらとした身が湯気とともに顔を出しています。
一口すくって口に運ぶと、今度は“とろける”口当たり。
身がほぐれ、うま味と一緒に溶け出してきます。
福岡では「アラ鍋」と呼ばれ、ちゃんこの具材としても人気なクエ。
「クエは捨てるとこがない」と大石さんが言うだけあって、頭もおいしいんです。クエのホホ肉も鍋に入っているので、ぜひ試してみてください。
完全養殖できるようになった幻の魚
昔は本当に幻の魚と呼ばれていたクエですが、現在は養殖技術の進歩により、限定的ながら味わえるようになりました。
磯料理 荒磯 店主:
昔はそれこそ全然取れなくて、もう本当に幻の魚と言っていましたが、今は御前崎市で完全養殖ができます
御前崎市佐倉の静岡県温水利用研究センターで育てられたクエは、御前崎市クエ料理組合加盟店に提供され、市内9店舗で味わうことができます。
成長が遅く、稚魚は病気になりやすいことから、全国的にも養殖場が少ないクエ。
それだけに、御前崎で味わえるクエは貴重な存在なのです。
冬の御前崎を訪れた際は、ぜひこの幻の魚「クエ」を味わってみてください。その独特の食感と濃厚な味わいは、きっと忘れられない思い出になるはずです。
■店名 磯料理 荒磯
■住所 静岡県御前崎市池新田5801-1
■営業時間 11:30~14:00 17:00~21:00
■定休 水
■問合せ 0537-86-5939