【子どもとゲーム】の気になる関係 マイクラ歴6年目の息子に聞いた テトリス世代が知らない「マイクラの魅力」 親の本音もこっそり公開
わが家の息子はマイクラ歴6年目。飽きずに続け、年々進化する遊びかたに家族で驚愕しています。そこで7つの質問を投げかけ、その魅力についてプレゼンしてもらうことに。果たして昭和生まれのママはその面白さを理解できるのか……?
子どもの“想像力”と“創造力”を育てるゲーム「マイクラ」とは何か?小学6年生と3年生の男の子を育てるエニママライターの松永祐子です。
小学生男子が大好きなものといえばゲーム。そのなかでも小6長男が5年以上もハマりつづけているのがマイクラです。「いったいどこがそんなに面白いのか?」テトリス世代のママが、息子へのインタビューを通してマイクラの魅力に迫ってみました。
小中学生に「好きなゲームは?」と質問するとよく「マイクラ!」と返事が返ってきます。若者から絶大な人気を誇るMinecraft(通称:マイクラ)ですが、発売されたのは2011年。当時すでに大人だったパパママ世代にとってはあまりなじみがなく、どんなゲームかよくわからないという方も多いかもしれません。
実のところ昭和生まれの私は、はじめてマイクラを見たとき、モブ(敵のモンスター)が声を上げて倒れる姿を不気味に思ったり、子どもがゲームにハマる不安、未知の世界への怖さを感じていました。
しかし、1週間ほど見守り続けるなかで、能動的にマイクラの世界を探索しはじめた息子の姿を見て、「続けてやらせてみよう」と直感的に思ったことを覚えています。
そして、操作のコツをつかみ鮮やかな手つきで建築やゲームを楽しむ姿を見て、何度も驚かされ、その面白さが少しわかるような気がしました。
マイクラ(Minecraft)とは
mine(鉱山)craft(手でつくる)という語源をもつ「マインクラフト」。キューブ型のブロックで構成された世界のなかで、ものをつくったり、冒険したり、敵と戦ったりできる、ゲーム機やデバイスを使った遊びです。
子どもが夢中で何かをつくる様子は、幼少時代に親しんだ「砂場遊び」や、レゴに代表される「ブロック遊び」にも似ています。マイクラは世界中に1億人を超えるプレイヤーがいるといわれており、2025年4月25日に公開された映画『マインクラフト/ザ・ムービー』では、その面白さを親子で疑似体験できるかもしれません。
息子がマイクラにハマったきっかけ
息子がマイクラをはじめるきっかけとなったのはコロナ禍。2020年4月に小学1年生となった長男は、マスク生活や外出制限など、家庭外で小学生らしく遊ぶことを許されない生活を過ごしていました。
コロナ禍では、大好きな虫とりでさえマスク着用を余儀なくされていた子どもたち。家のなかが唯一安全な場所のように感じていた時期もありました。
そんな長男が「マイクラというゲームが面白いらしい」といいだしたため、家族で調べてみることにしました。どうやら「四角いブロックを使って何かをつくる遊び」で、当時ゲーム機のなかったわが家でもパソコンを使って遊べるとのこと。自粛の日々を少しでも楽しめるかも、と期待して試してみることになったのです。
マイクラについて教えて!7の質問
ときを経て、マイクラ歴6年目となった長男。4年生からは、マイクラのならいごとまではじめるようになりました。
振り返ればさまざまな遊びかたをマスターするなかで、思わぬ力をつけたと感じています。ここからは長男へのインタビューを通してマイクラの面白さをお伝えします。
Q.マイクラには、どんな遊びかたがあるの?
息子……A.1つめは建築などを楽しむクリエイティブモード、2つめは敵と戦うサバイバルモード、あとはサーバー(多人数で同時にプレイできるルール化されたゲーム空間)で世界の人と遊ぶ、という3種類かな。
クリエイティブモードでは、建築に役立つブロックを好きなだけ使って、お気に入りの場所に理想の家や建造物を自由につくれるよ。
サバイバルモードでは、何も持たない状態でゲームがスタートするから、自分で食材を集めないとお腹がすく。夜になると敵が現れるから、戦えるように必要な資材を集めて武器をつくったり、自分を守るための家をつくる必要があるよ。
サーバーでは、世界中の人と一緒に遊べるのが特徴で、オンラインのゲーム空間に集まった人たちと味方や敵になって、いろいろなミニゲームができるよ。
クリエイティブモードで長男がつくった作品の一部。巨大な剣(左上)窓や家具が配置された生活空間のあるツリーハウス(右上)幹や枝、花びらまでブロック再現した桜の木(右下)銅ブロックやランタンを使った神社(左下)。本や動画を参考に長男のオリジナルの要素も加えて、もくもくと制作していきます。
Q.今、一番ハマっているのはどんな遊びかた?
息子……A.マイクラには「レッドストーン」という電気回路のようなものがあって、レバーやボタンなどを組み合わせると、自動ドアや落とし穴などの装置が自作できる。レバーひとつでいっせいに家中の電気をつけられたり、近づいてきた敵を感知して自動的に弓矢が飛ぶしくみなどをつくるのにハマってるよ。
Q.今までつくった建築で1番のお気に入りはある?
息子……A.1番は選びきれないけど、中国の4つの神獣(青龍・朱雀・白虎・玄武)を調べてつくった作品がお気に入りだよ。ほかにも理想の家に牧場や畑、エレベーターを自作でつくったものも好きだなぁ。ほかにも神社の鳥居を再現したり、ツリーハウスをつくって内装を工夫するのも面白かった。
いろいろな色のブロックをつかって、自分の好きなキャラクターを大きなドット絵のようにつくるのも楽しかったよ。
4年生のときにつくった長男の理想の家。水流で一気に屋上まで上がれるエレベーター(左上)本棚や机を配置した部屋の内部(右上)自給自足できる屋上の畑(右下)玄関までの美しいアプローチ(左下)。小学生でもこんなステキなものがつくれるんだ、と驚きました。
Q.マイクラのならいごとのこと教えて!
息子……A.週に1回、オンラインで日本全国から集まった仲間と一緒にマイクラをするよ。
サポートしてくれる大人もいて、Zoom(Web会議ツール)でみんなと社会課題について話し合いながら、マイクラで解決する方法を考えて発表したりする。
最近は「教育」を議題に、チームで「ネオ児童館」という建物をつくって、学校が苦手な子が楽しんで使える工夫をしたり、ルールをマイクラの「看板」にして発表したりしたよ。
マイクラのならいごとをはじめて3年。ひとりでプレイしているように見えますが、実はパソコンをとおして20人以上の仲間と話しながら作品を作っています。
Q.小1から5年間続けていても、飽きない?
息子……A.クリエイティブを全力でやって、飽きたらサバイバルやほかの遊びかたをしていたら、気がつくと5年以上続けてた! マイクラには定期的なアップデートがあって、ブロックやアイテムの種類が増えたり、遊べる世界(森や遺跡や都市)が広がったりするところも飽きない理由かな。
Q.マイクラの遊びかたはどうやって学んでるの?
息子……A.本とYouTubeから学ぶことが多い。攻略本を使って、コマンド(ものごとを思いどおりの環境や状態にするため命令。英語の文字列を使う)の使いかたを学んだり、建築方法を勉強したよ。本だけでわからないことはYouTubeの実況を見よう見まねでやっているうちに、できることがかなり増えたかな。
息子が参考にしたマイクラの攻略本や建築本。本だけで追いきれないアップデート情報などはYouTubeなどのネット情報も参考にしています。
Q.ずばり、マイクラに興味のある子どもやパパママに魅力を伝えてください!
息子……A.マイクラはただ楽しいだけのゲームでなく、試行錯誤しながら理想の形に組み立てて建築したり、難しい電気回路を考えたり、すごく頭を使うと思う。サバイバルでは戦うために周りに目を配ったり、戦略を立てることも必要になるよ。
夢中で遊んでいるうちに、気がついたら難しい岩石の名前を覚えていたり、アイテムの制作方法をマスターしていることもあって、家族が「すごい!」とびっくりしてくれた瞬間が嬉しかったな。
家族や友だちとひとつの世界に入って一緒に探索する楽しみかたもあるので、ぜひ一度やってみてほしい!
息子には伝えていない「ママの本音」
前述のとおり、私自身はじめからマイクラをすることに大賛成していたわけではありません。
しかし、パソコン操作を身につけ未知の英単語に触れながら、豊かに想像する姿やゲームに勝つため戦略的に思考する姿など、5年間で息子のさまざまな一面をみることができました。現在は友だちや同じ趣味を持つ仲間と繫がるコミュニケーションツールとしても機能しています。
ご多分にもれず、マイクラにハマる次男。友だちと話しながら何やら一緒に冒険しているようです。
夢中になるあまり長時間、画面を見てしまい目に負担をかけるなど懸念点はありますが、マイクラは子どもの発想力を爆発させるツールでもあると感じています。
もしお子さんがマイクラに興味を示したときには、「どんなことができるのかな?」とパパママも一緒にマイクラの世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。
※記事内写真はすべて撮影:松永祐子