「多摩の鉄道」2大ニュース!
東京の多摩地域にお住まいの方、出身の方もそれ以外の方にも多摩を楽しんでいただきたい!という番組「立飛グループpresents東京042~多摩もりあげ宣言~」(略して「たまもり」)。MCは土屋礼央さん(国分寺市出身)&林家つる子さん(八王子市の大学出身)。
今週のゲストも、地図研究家、今尾恵介さん(日野市在住)。先週は地図好きが地図好きの人のために作ったというディープな新著「地理院地図の深掘り」をご紹介! 今週は鉄道好きでもある今尾さんと、同じく鉄道好きの土屋が多摩の鉄道、そしてタダの鉄オタ化になりマニアックな鉄道ネタを大いに語り尽くす!
「多摩の鉄道」2大ニュース!
地図研究家・今尾恵介さんの新著「地理院地図の深掘り」発売中!
土屋:今週もゲストのご紹介です。先週に引き続き、地図研究家の今尾恵介さんです! 今週もお願いします!
今尾さん:はい、よろしくお願いします。
土屋:つる子さん、改めて今尾さんのプロフィールのご紹介をお願いします!
つる子:はい。1959年、横浜市生まれ、「日野市」在住の今尾恵介さんは、出版社勤務を経てフリーとなり、地図や鉄道関連の執筆を続けていらっしゃいます。最新刊はPHP研究所から販売中のかなりディープな本「地理院地図の深掘り」です。
土屋:「地理院地図の深掘り」、僕はかなりハマりそうですね。今ちょっとページを開いたんですけど・・・“北海道と沖縄でも、同じ縮尺でもズームが違う”(笑)。
つる子:そうなんですね(笑)。
今尾さん:けっこう違うんですよ。
土屋:同じズームするのに1cmも幅が違う、と。
今尾さん:これはウェブ環境で。紙だったら縮尺で2万5000分の1が出るんですけど、ウェブの場合はメルカトル図法でやっているんですよ。
土屋:なるほど!
今尾さん:メルカトル図法は中学校で習いますよね。
つる子:はい。
土屋:要は、地球を平面にするから大きさが違うじゃない。
つる子:なるほど。
今尾さん:高い緯度ほど大きくなるんですよ。だから、地理院地図もズームレベルが0~18まであえるんですけど、18になるにつれて、縮尺が大きくなっていくんですね。
土屋:うわ、そういうことか! 興奮した!
つる子:(笑)。
土屋:グリーンランドってでっか!と思ったら、地球儀で見たらちっちゃ!と思ったり。あれと一緒ですね。
今尾さん:そうなんですよ。グリーンランドって南アメリカ大陸と同じくらいに書かれているでしょ。
「中央線は本当は甲州街道沿いに線路を引きたかった」は都市伝説! 真相は・・・
土屋:先週は地理院地図の話はたっぷり伺ったので、今週は「多摩地域の鉄道」について。今尾さんは鉄道好きでもいらっしゃるので。鉄道と地理は切っても切れない関係性でもあるのでね。地図研究家の視点から見て、多摩地域の鉄道の特徴はありますか?
今尾さん:大まかにいうと、東と西を結ぶ方向が多いんですよね。東京は東側に巨大なものがあって、そこから放射状になるので、どうしても多摩地域というのは西へ向かう鉄道が多い。
つる子:はい。
今尾さん:「八高線」とか南北に行くのもありますけどね。
土屋:基本は東西。それを補完する感じで縦の路線のバスが多かったりするじゃないですか。
つる子:はいはい。
土屋:だから、鉄道好きは縦のラインが好きなんですよねぇ。
今尾さん:そうですよね。
土屋:新宿を介するのは安易で嫌なんですよね。
今尾さん:人混みが嫌いだとね。新宿はなるべく避けたいですよね。
土屋:横浜に行くのに新宿から行くのは悔しいので、「八王子」から行きたいんですよねぇ。
今尾さん:あと、「南武線」とね。遅いんですけど、まあいいかってね(笑)。
つる子:それはわかります(笑)。
土屋:地理的な要素で、鉄道の、地理がこうなっているからこういう路線になったんだという路線を教えていただきたいのですが。
今尾さん:川沿いに走る鉄道がありますよね、たとえば「南武線」「青梅線」あたり。「中央線」はそういう地形とは無関係に武蔵野大地を一直線に走るとかね。
土屋:そうそう。やたら真っ直ぐなんですよね。
今尾さん:「中央線」というのは電車が止まって線路沿いを歩くというのは、大変困難な鉄道なんですよ。「京王線」は「甲州街道」と仲良く走るので「甲州街道」を歩けばいいけど、「中央線」は「五日市街道」に行くと外れちゃうし、「青梅街道」に行っても外れて「田無」方面に行っちゃうんですよ。
つる子:ああ~。
土屋:たしかに。
今尾さん:「中央線」はけっこうジグザグ走行しないと歩けないんですよ。
土屋:僕の記憶が正しければ、本当は「甲州街道」沿いに線路を引きたかった、みたいな・・・
今尾さん:そういう“都市伝説”があるんですけどね。“「調布」の私史に昔書いてあったのが、「甲州街道」の宿場の人たちがみんな反対したので北の方を走った”という有名な都市伝説ですね。実際はそんなことは無くて。最初の「中央線」は“甲武鉄道”という私鉄だったんですね。あれが「玉川上水」上に馬車鉄道を敷くという企画が近代化されたのが“甲武鉄道”なんですね。
土屋:はい。
今尾さん:なんで馬車鉄道かというと、「玉川上水」は江戸幕府によって作られた飲み水なので非常に重要で水質管理が厳しかったんですよ。なので、川に船を浮かべてはいけなかったんですよ。江戸幕府が瓦解して明治になったので、新政府になって玉川上水」を船で運ぶといろんな物がとても早く運べる、と。便利に運べるということで、たちまち水質が悪くなったので、やっぱり禁止するとなった時にそれまで船で運んでいた人達はどうしてくれるのか、と。
土屋:はい。
今尾さん:はい、じゃあということで、「玉川上水」沿いに馬車鉄道を走らせたらいいのでは、となったのが「中央線」の発端なんですよね。
土屋:はあ~!
今尾さん:だから、「甲州街道」の宿場は関知してないんですよ。
土屋:そうなんだ!
今尾さん:のちに、“京王電気軌道”=「京王線」が「甲州街道」沿いに線路を敷いたというのが本当の話ですね。
多摩の鉄道ニュース①「多摩都市モノレールが箱根ヶ崎まで延伸!」
土屋:そんな多摩地域の鉄道に、ビッグニュースが届いているので「たまもり」的に盛り上げていきたいな、と! ではつる子さん! リスナーの皆さんにもわかりやすいようにニュースの発表をお願いします!
つる子:参りましょう! 『多摩都市モノレールが2030年代半ばに箱根ヶ崎まで延伸! 武蔵村山市の“鉄道空白地帯が解消へ”』!
土屋:はい、これはどういうことですか?
つる子:「多摩都市モノレール」が、5月9日に国土交通大臣から「上北台駅」から「箱根ケ崎駅」の事業特許を取得しました。「上北台駅」は「多摩都市モノレール」の駅で、「箱根ケ崎」は「八高線」の箱根ケ崎駅周辺となる予定です。駅は7駅新設されます。「東大和市」に1駅、「武蔵村山市」に4駅、「瑞穂町」に2駅が設けられます。複線で7キロ。事業費はおよそ1,290億円を予定しているということです。
土屋:多摩地域の「多摩センター」から南北に繋いでいた「多摩都市モノレール」が「上北台駅」でググッと西に曲がって「箱根ケ崎」まで行くと。今尾さん、ようやくですよね?
今尾さん:そうですね。「武蔵村山市」というのは東京都の中で唯一、“鉄道の無い町”ということだったんですけど、ついに念願の鉄道が開通すると。
土屋:すぐに出来るかと思ったら2030年代の半ばなんですね。このような鉄道の延伸、今尾さん的にはいかがですか?
今尾さん:なかなか面白いと思うんですけど、駅が出来た時には私は75歳かな、と(笑)。
つる子:(笑)。
土屋:ちょっと急いで頂けるとね。
今尾さん:ここの駅が、仮称No.1駅、No.2駅となっていて駅名が書いてないんですけど、だいたい最近の鉄道は仮称になっていて、最後にいろんな手続きがあって正式な駅名が決まるんですね。
つる子:はい。
今尾さん最近、“キラキラネーム”みたいな駅名があちこちでちらほら見られますので・・・「多摩都市モノレール」にはそういう方向にはぜひいって欲しくないな、と。
つる子:(笑)。
土屋:ちょっと美しい地名にした方が人が住みやすいのではという。地名はもともと伝言板みたいなところがあったから、昔の人は。
今尾さん:そうなんですよね。だから、“お茶とふれあいの町、箱根ヶ崎”みたいな冠付きみたいなのはちょっと・・・
つる子:(笑)。
今尾さん:仮称はNo.7駅なんですけど、ここは「箱根ヶ崎駅」でいいですよねぇ。あとは「芋窪」とかね、「芋窪」って地名が好きなんですよ。
土屋:「芋窪街道」ですよね。
今尾さん:そう、「芋窪」はちゃんと「芋窪駅」にして欲しいし。「中藤」「石畑」も古い地名ですのでそのままで。だいたいが「青梅街道」沿いで由緒ある地名がいっぱい並んでいますので、その地名を純粋に付けて頂きたい、と。
土屋:地理院地図じゃないけど、歴史を知っていれば美しい地名だということに気付くんだけど、それを知らないと・・・
つる子:駅名の会議には今尾さんに入ってもらって。
土屋:さいあく、“ホクホク芋窪駅”とかね。
今尾さん&つる子:(笑)。
土屋:冬場は降りたくなるじゃない。
今尾さん:でも、夏もホクホクなんでしょ。
つる子:(笑)。
土屋:地元の方にとっては延伸は悲願だったわけで。こうなると、どう便利になったりしそうですか?
今尾さん:便利になるというよりも私が興味あるのは、「上北台駅」という「多摩都市モノレール」の終点は日本のモノレールにおける“最北端の駅”なんですよ。
土屋:ああ、そうか!
今尾さん:雪が積もるエリアはモノレールが合わないので。だから、「上北台駅」が日本のモノレールの最北端なんですけど、今度、「箱根ヶ崎駅」が最北端になるわけですよ。
土屋:なるほど~!
今尾さん:これは、「多摩都市モノレール」はアピールをして欲しいなと思いますね。
土屋:良い事を思い付いちゃった! だったら、「上北台駅」から一駅ずつ延伸していって、常に最北端駅が更新されていくという。昔の棒高跳びのセルゲイ・ブブカの世界記録のように(笑)。
今尾さん:“鳥人”ですね(笑)。
土屋:本当はもっと跳べるのに、1cmずつ世界新記録を更新して賞金をもらうという。
今尾さん:ああ。じゃあ最北端を更新していく、と。
土屋:というパターンが7回チャンスがあります! でも最北端が東京にあるというのはなかなかないから、これはいいですね。
つる子:おもしろい!
多摩の鉄道ニュース②「西武池袋線とJR武蔵野線が直通運転へ!」
土屋:さあ、これが多摩地域のビッグニュースだったんですけど、つる子さん! さらなるホットなニュースが飛び込んできたんですよね!!
つる子:はい! 「西武池袋線」と「JR武蔵野線」が初の直通運転、所沢駅と武蔵野線・「新秋津駅」の連絡線を活用?
土屋:アンビリーバボー! シンジラレナーイ!
つる子:「西武池袋線」と「JR武蔵野線」が、2028年度をめどに直通運転を実施する方向で検討していることがわかりました。実現すれば、両社の直通運転は初めてで、埼玉・秩父エリアから千葉・東京湾臨海部まで乗り換えなしでの移動が可能になります。2つの路線には接続駅がないため、「東村山市」の「JR新秋津駅」と埼玉の所沢市の西武・所沢駅の間にある連絡線を使って直通させる案が検討されている、ということです。
土屋:これ、地域以外の方にとってはそれがどうしたってことになるかもしれませんが、「秋津駅」と「新秋津駅」というのは隣のようだけど400mくらい歩かなければならなくて。使う方は毎日使うわけ。まあ、これはこれでめんどくさかったから。しょうがないと思ってたんですけどね。
今尾さん:でも、「秋津駅」と「新秋津駅」の間の商店街ってけっこう繁盛してますよね。
土屋:そうなんですよ。
今尾さん:そのためにわざわざ離したんじゃないですか?
土屋:また“都市伝説”みたいなことを(笑)。たしかに、その土地の方はどうしようかとはなっているんですけど。これはけっこう驚きのニュースでしたね。
今尾さん:そうですね。でもね、“初”じゃないんですよね。
土屋:えっ?
今尾さん:“旅客”は初だけど、貨物列車は直通していたんですよ。秩父の方でセメントを作ってそれを全国に発送するために、西武の機関車が「武蔵野線」に入るということをやっていたので。ここはそのための連絡線なんですよ。わざわざ連絡線を作るというのはお金がかかりますので。貨物のために作った連絡線を、今貨物が無くなっちゃったのでそこを利用して旅客利用して便利にしようという話なんですよ。
土屋:「多摩都市モノレール」の延伸は2030年代の半ばじゃない。こっちは2028年、わずか3年後を目処に実現するかもという話になっていて。
今尾さん:これは新しい線路を作らなくていいのでね。「多摩都市モノレール」よりは簡単だと思いますよ。
つる子:へえ。
土屋:「西武線」とJR線の相互乗り入れが無かったのでびっくりでしたよね。模型屋さんとかでしか出来なかったから。それが現実でね。
今尾さん:鉄道模型だと線路幅が違うじゃないか、とかね(笑)。
標準軌=“医師さんGO!(1435mm)”、狭軌=“一応むなしい(1067mm)”、馬車軌=“遺産なあに?(1372mm)”
土屋:これ、西武線もJR線も両方とも“狭軌”ですもんね?
今尾さん:3フィート6インチですね。
土屋:つる子さん、今の話、わかった? 実はレールに幅があって、標準軌って1435mmという新幹線の幅があって。レールは2本走っているでしょ、鉄道によってそれの幅が違う。
つる子:はあ、みんな同じじゃなかったんだ。
土屋:我々が使っている「京王線」は・・・
今尾さん:世界的にも非常に珍しい1372 mm、4フィート6インチというスコッチゲージというんですよ。
つる子:ええ?? 世界的にみて珍しいんですね!?
今尾さん:ものすごく珍しいんです。
土屋:1065、1372、1435、これを覚えておいてください。
つる子:(笑)。
今尾さん:ロシアとかインドだと、1520mmとかもっと幅が広いのがあるんですよね。
つる子:(笑)。
土屋:こんな覚え方もあって、狭軌って狭いから“一応むなしい狭軌(1067mm)”で覚えられるので。これは僕の独自。
今尾さん:それは知りませんでした!
つる子:(笑)。
土屋:新幹線は標準軌なわけ、早く大阪に行けるから、お医者さんがすぐ行ける“医師さん、GO!(1435mm)”.
今尾さん:ああ、いいですねぇ!
つる子:感心してる(笑)。
土屋:「京王線」は馬車軌なわけ。で、株が安定しているの。僕が御曹司だったら、“遺産、なあに?(1372mm)”って覚えるわけ。
今尾さん:遺産、なあに(笑)。
つる子:めっちゃスラスラと(笑)。
「京王線」が馬車軌の謎
土屋:ところで、「京王線」だけなぜ馬車軌なんですか?
今尾さん:「京王線」は東京市電に乗り入れたかったんですね。今の都電の前身は昭和18年まで東京市電だったので。東京市電に乗り入れて東京に行きたかったんです。東京の市の電気局というのが市電を運営していたんです。東京市の交通政策としては私鉄には中に入ってくるなというのがありました。
土屋:ああ。
今尾さん:東京市の外側でやってくれということで「京王線」も「小田急線」も東京の終焉部からなんですよ。
土屋:山手線より内側も無いでしょ。
今尾さん:山手線の駅というのはたまたま東京市の、渋谷、新宿、池袋もみんなちょっと外側なんですね。結果的に山手線が各私鉄のターミナルになったんですね。それで各私鉄とも都心の丸の内とかへ行きたいんですよ。そうするには東京市電の線路に乗り入れたい、と。東京市電の馬車鉄道が1372mmだったので「京王線」も1372mmにして。
つる子:はい。
今尾さん:京浜急行線も京成電鉄もみんな1372mmだったんですよ。京浜急行は昔、京浜電鉄と言いましたけど京浜電鉄は郊外電車がだんだん大型化すると、市電に乗り入れるというのが現実じゃ無くなるんですよ。
土屋:なるほど、大き過ぎて。
今尾さん:それで京浜電鉄としては、横浜から南側の湘南電鉄というのがありまして、それが横須賀方面に行っていて。それと直通した方がいいだろうということで、昭和2年4月1日、湘南電鉄に合わせて1435mmに変えたんです。
つる子:(笑)。
今尾さん:で、京成は戦後、都営地下鉄を経て京浜急行と相互直通をするという話で、京成は昭和30年代に変えました。
つる子:す、すごい、、、
今尾さん:で、変える時の予行演習として最初に変えたのが新京成線、今は京成電鉄松戸線になっていますけどね。
土屋:もうこれ、YouTubeの“THE FIRST TAKE”みたいになってますよ(笑)。
つる子:何も見てないのにスラスラ(笑)。
土屋:いろんな情報が相互乗り入れ! 見事ですね! さらにオレの持っている情報でいうと、「京王線」は東京市電と繋がらなかったんだけど、そのあと戦争で電力が無くなっちゃって。新宿駅の南口のあの坂あるでしょ、電力不足であそこを登れなくなっちゃったの!
今尾さん:40パーミル (40‰) ある急坂なんですよ。
土屋:あそこに京王の本社があるから。そこに駅を作ろうとしていたんだけど。
今尾さん:登れなくなっちゃったので天神橋の西参道の辺りにあった変電所が空襲で焼けちゃって。電圧が低下して坂が登れなくなったので・・・戦時中は“東急京王”だったんですよ。だから東急東横線の新宿延伸用に西の土地を取ってあったんですね。
土屋:はあ~! なるほど!!
今尾さん:そこにうまい具合に「京王線」が入った、と。
土屋:うわ~、奇跡! この話、みんなに届いているかな!? 今めっちゃ興奮した!!! そういうことか! 大東急時代じゃなかったらありえなかったんだ!!
今尾さん:そうなんですよ。大東急じゃなかったら「京王線」は新宿西口に乗り入れられなかったので。
つる子:ええ!?
土屋:昔は全部の私鉄を東急の五島さんという人が独占してたの。
今尾さん:東京の南西部はね。
京王&小田急の「下北沢駅」の謎
土屋:で、戦争が終わって分かれて。その名残があるから下北沢駅の「小田急線」と「京王線」の改札が一緒だったんです。
今尾さん:改札が無かったんですよね。
土屋:そうそう!
今尾さん:同じ東急というよりも“同じ小田急”だった。「井の頭線」の帝都電鉄は、鬼怒川水力電気という水力発電の会社があって、それの子会社として小田原急行と帝都電鉄があった。のちに小田急本線と帝都線になって。それで下北沢駅は“ノーラッチ乗り換え”、いわゆる改札無しの乗り換えができたんですよ。
土屋:別の会社だからなかなかないですよね。あ、もう時間いっぱい!? で、戦争が終わって経営が成り立たないから「京王線」にあげたんですよね。
今尾さん:そうなんですよ、「京王線」だけでは経営が成り立たないから、と。
つる子:えーと、もう時間です!!
土屋:おしまいですって、今尾さん(笑)。そんな今尾さんの本が出ております。「地理院地図の深掘り」がPHP研究所から発売中です。今尾さん、他にはお知らせはありますか?
今尾さん:もう疲れちゃったので(笑)。
つる子:(笑)。
土屋:2週にわたり本当にありがとうございました! ゲストは地図研究家の今尾恵介さんでした、ありがとうございました!
今尾さん:はい、ありがとうございました。
(TBSラジオ『東京042~多摩もりあげ宣言~』より抜粋)