貧血っぽいのに治らない症状は自律神経が原因かも?【眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話】
鉄分不足でなければ自律神経を疑え
めまい、立ちくらみ、息切れ、動悸、疲れやすく体がだるい、朝起きるのが辛い、頭痛、肩こり、イライラ。これらはすべて貧血でも、自律神経が乱れたときでも現れる症状。
つまり、貧血の症状と自律神経症状はよく似ていて、普通の人には見分けがつきにくいのです。ただ、症状は似ていても、原因はまったく違います。
貧血の原因の多くは鉄分不足。鉄分が足りないと、血液の赤血球に含まれるヘモグロビンが生成できず減少します。ヘモグロビンは体全体に酸素を運ぶという重要な役割を担っているので、ヘモグロビンが減ってしまうと体の隅々まで酸素が行き渡らず、息切れや動悸、倦怠感などの不調が現れるのです。
一方、自律神経症状は日ごろのストレスや疲れ、不規則な生活などにより、交感神経と副交感神経のバランスが崩れて起こるもの。貧血の場合は鉄分を補うサプリメントや食事をとることで改善しますが、自律神経症状を治すために必要なのは心身を休めることです。
両者を見分ける簡単な方法は血液検査。鉄分が不足していたら、貧血であることは一目瞭然です。もし血液検査で問題がなければ、自律神経のバランスが崩れている可能性があります。
休息と睡眠をしっかりとること。もしそれでも改善しない場合は自律神経外来を受診し、自身の自律神経のバランスを一度測定してみてもよいでしょう。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』 著:小林弘幸