違い分かり合える社会に ラミレスさん 講演で説く
旭公会堂でこのほど、アレックス・ラミレスさんによる講演会「ラミちゃんに聞いてみよう!”誰もが暮らしやすい社会”のためにできること」(主催/旭区役所)が行われた。
ラミレスさんは、プロ野球選手として横浜DeNAベイスターズなどで活躍。同チームの監督も務めた。現在は、スペシャルニーズ(障害があり、特別な支援が必要な人)が自立した生活を送れる社会を目指して活動する、一般社団法人VAMOSTOGETHERの代表理事を務める。
「病気ではなく個性」
主題となったのが、障害のある人への接し方。ラミレスさんの息子である剣侍さんがダウン症であり、同じ障害のある子を持つ家族の集まりに行った際に、障害の有無でグループを分けていたことに疑問を感じたという。また剣侍さんと公園などで遊んでいる時に、周りの家族が距離を置く場面もあったそう。
そのような出来事を受け、「どの子どもも分け隔てなく遊んで学べる場づくりが必要だと思った」ことからVAMOSTOGETHERを設立したと説明。同団体では障害の有無に関係なく参加できる野球イベントなどを企画している。
ラミレスさんは「一人ひとりが個性を持ち、ダウン症もその一つであって、病気ではない」と言及。「『ダウン症でかわいそう』という言葉は誰も良い気持ちにならない。互いの違いを分かり合える社会を作っていきたい」と語った。
相手へのリスペクトを
加えて、家族に対するリスペクトにも言及。妻が子育てなど家事を担当することが多いという現状を踏まえ、「家事に対する理想像があり、妻を批判してしまう父親もいると思うが、リスペクトを持って妻をサポートするよう努めている」と説明。参加者には「感謝を忘れずに、相手に対するリスペクトを持つことができれば、より良い社会になる」と説いた。
南区から参加した40代男性は「ダウン症についての話が印象に残った。偏見を持たずに接していきたい」と話した。