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ビル1棟まるごとマイボトル化「Building 2 Bottle」ペットボトル利用量を1/3削減

ELEMINIST

日鉄興和不動産株式会社が、8月から赤坂インターシティAIRのテナントを対象に行っていた、マイボトルの利用を促進するプロジェクト「Building 2 Bottle」の効果検証結果を公表した。その結果を受け、ペットボトル削減効果を見える化したアート展示も行っている。

ビル1棟まるごとマイボトル化推進プロジェクト「Building 2 Bottle」マイボトル普及効果を発表

赤坂インターシティAIR 2Fオフィスラウンジ

日鉄興和不動産株式会社が、マイボトルの利用を促進するプロジェクト「Building 2 Bottle」によるマイボトルの普及について、効果を検証し、その結果を公表した。

この検証結果をもとに、2024年10月28日(月)~11月8日(金)の期間、赤坂インターシティAIRにて、海ごみをモチーフにしたアート作品を展示している。

プロジェクトを展開する現代美術作家の藤元明氏の作品を用いて、ペットボトル削減効果の見える化を実施を目的としたものだ。

今回は8月26日から10月31日まで赤坂インターシティAIRにて行い、4つのテナントにマイボトル洗浄機、給茶機を設置して、1テナント当たり100本のマイボトルを配布。その後、各テナントの社員にアンケート調査を実施した。

マイボトル洗浄機の設置と無料飲料の提供を行う「テナント向けプログラム」

このプロジェクトは、オフィスワーカーの「実現可能な環境アクション」の設計を目的としている。

企業や個人が継続できる仕組みを提供することでマイボトルの普及促進を通じて、利用者の環境意識を向上させ、ペットボトルやプラカップなどの廃棄物の量を削減。脱炭素社会の実現に貢献することを目指したものだ。

取り組みとしては、象印マイボトル洗浄機の設置と無料飲料の提供によりマイボトルが自然と手間なく使える環境の構築を行う「テナント向けプログラム」を実施し、利用環境の整備がマイボトルの利用状況に与える影響を、アンケート調査により確認している。

プロジェクト実施結果概要

マイボトル洗浄機や給茶機の設置等のマイボトル利用環境の整備により、プロジェクト開始前と比較して、20~30%程度マイボトルの利用者が増加。

マイボトル利用の継続性についても、80%以上がマイボトルを継続的に利用できると感じており、利用環境の整備がマイボトルの継続的な利用に与える影響は大きいと言える。

マイボトル洗浄機と給茶機をセットで設置した場合と、マイボトル洗浄機のみ設置した場合とでは、洗浄機の利用回数に最大で約4倍の差が出ており、セットで設置することでより高い効果が得られる。

1フロアに対して、1台の給茶機とマイボトル洗浄機を設置した環境下では、平均して1日当たり500mlペットボトル50.4本分の給茶機の利用があり、これは1日の1フロア当たりの想定ペットボトル排出量(※)の約1/3の量に相当する。

※ペットボトル1本を25gと想定し、2023年度のペットボトル排出量26.9tをオフィスフロア数と240日で割った数字

今回の実施結果から、この取り組みを企業のSDGsを推進するオフィスサービスとして広げていくことで、マイボトルを使うというアクションをオフィスワーカーの文化として定着させ、オフィスのペットボトルやプラカップなどの廃棄物削減効果が期待できると言える。

日鉄興和不動産は今後も、暮らしのさまざまなシーンを生活者視点で見つめ、研究し、人生を豊かにする「新しい価値」を生み出すために、働く社員の「働き方」にもしっかりとアプローチした取り組みを実施していきたいとしている。

プロジェクト実施結果の詳細

①アンケート調査結果

「テナント向けプログラム」に参加した4社の社員を対象にアンケート調査を実施。その結果、プロジェクト開始前と開始後では週4日以上マイボトルを利用する人の割合が23.0%増加し、テナント毎の集計では約36.6%増加したテナントもあった。

また、マイボトルの利用の継続性についても85.6%が継続的に利用できると感じており、マイボトルの利用環境を整えることで、自然とマイボトルを利用できる環境構築ができていると考えられる。

さらに、マイボトルを利用するようになった理由として、マイボトル洗浄機等の設備の設置(39.6%)に次いで、マイボトルが配布されたこと(37.1%)が上がっており、利用環境の整備とともに、マイボトルを使い始めるきかっけづくりも必要と言える。

なお、プロジェクト期間中に76.2%の社員がマイボトルのアレンジや飲む飲料などを話題としており、マイボトルの利用が社員間のコミュニケーションの増加にも寄与していると考えられる。

②マイボトル洗浄機、給茶機の利用回数調査

設置環境の異なる4社のマイボトル洗浄機の利用状況を調査した結果、下表の通り、マイボトル洗浄機と給茶機をセットで設置した場合、利用回数がもっとも多いテナントAで平均54回/日に対して、マイボトル洗浄機を独立して設置したテナントDは平均13回/日となった。

最大で約4倍、マイボトル洗浄機の利用回数の差が出ていることから、洗浄機と給茶機をセットで設置することによりマイボトル利用率が上がると考えられる。

また、マイボトル洗浄機の設置場所以外にも給茶機が設置されているテナントCでは、マイボトル洗浄機の洗浄回数は平均27回/日と半分程度の利用に留まっているが、給茶機の利用回数は、両テナントともマイボトル洗浄機の利用回数の約3倍となっていることから、給茶機を利用する人数によって、マイボトル洗浄機の利用回数も増減すると考えられる。

テナントAのように、1フロアに対して1台の給茶機とマイボトル洗浄機を設置した環境下では、平均180杯/日の給茶機の利用があり、これらの利用がペットボトル利用の代替になっていると想定すると、1日当たり500mlペットボトル50.4本分の排出量の削減ができていると考えられる。

これは1日の1フロア当たりの想定ペットボトル排出量約1/3の量に相当し、1年間実施した場合、約300kgのペットボトルを削減できることになる。

プロジェクトの結果をアートで見える化 “海ごみ”問題を問いかける

「Building 2 Bottle」プロジェクトを通じて、1フロア当たりの年間ペットボトル消費量の1/3にあたる約300kgのペットボトルを削減できることがわかった。

ふだんの人々の生活のなかで、目に見えないこの300kgという削減量に輪郭を与えるべく、アーティスト藤元明氏によるアート展示を実施。

藤元氏のプロジェクトでは、日本の社会からは見えない、あるいは外れてしまった海岸に打ち上げられ続ける海洋プラスチックを現地で溶かして抽象絵画を描いている。

今回、その作品たちを用いたインスタレーション作品である「海のバベル」を“1フロア1年分の1/3”の重量に合わせて展示している。

エレベーターホールの中央に立ちはだかる作品は、その現状を人々に知られないことによりオフィスのなかで生起し続けている海ごみの問題や、自然と人間社会との狭間で起こる可能性を可視化し、人々と社会との関係を問いかけている。

お問い合わせ先/日鉄興和不動産株式会社
https://www.nskre.co.jp/

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