緊張感漂う怪獣たちがいる世界、ここでしか見られない資料も必見 「怪獣8号展」レポート
怪獣の発生率が世界屈指の日本を舞台に、身体が怪獣化した32歳の主人公・日比野カフカが、宿命を背負いながらかつて目指していた防衛隊員として奮闘するバトル漫画『怪獣8号』。マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の本作は、2024年4月〜6月にテレビアニメ第1期が放送され、2025年には第2期の放送も控えている、話題の漫画のひとつだ。そんな『怪獣8号』初の展覧会「怪獣8号展」が、2024年9月13日(金)から11月10日(日)まで、東京ドームシティ Gallery AaMoにて開催されている。
本展覧会は名シーンの額装イラスト約120点や防衛隊員の実物大の装備品・武器のほか、初公開となる連載開始前のネームや初期設定資料の展示など盛りだくさんな内容となっている。
ハラハラドキドキの怪獣災害エリア
入り口を抜けると最初に目に入るのは「怪獣災害エリア」の再現スポット。天井からは “WARNING” と書かれた警告の看板や怪獣発生のニュース画面がぶら下っていた。赤や黄色の危険を知らせるカラーを見ると本能的に身構えてしまうのか、どことなく室内に緊張感が漂っているようにも感じる。
そんな怪獣災害エリアと化した現場を歩き進めた先には、第1話から第2話の額装イラストがずらり。怪獣専門清掃会社で働く日比野カフカが怪獣化し怪獣8号になるまでのストーリーを楽しめる展開がされていた。特にカフカが怪獣8号になったシーンは空から降り注ぐ赤い雨がプロジェクター演出で再現されており目を引く。パラパラと赤い雨が降り注ぐ床にも注目してみてほしい。
防衛隊スーツや武器の実物展示も
次の防衛隊基地エリアでは、第3部隊副隊長・保科宗四郎が基地の案内役として展示エリア内各所のグラフィックに登場!
ここでは日本防衛隊という機関についての解説や、防衛隊員選別試験の内容などが作中のイラストと共に紹介されている。
なかでも、実物大の防衛隊スーツや基本装備の銃は必見だ。怪獣の筋肉繊維を使用した戦闘用スーツの質感はもちろんのこと、アサルトライフルやハンドガンといった武器の精密さはぜひ間近で見ていただきたい。キャラクターが身につける実際の装備を通して、作品の世界観がより鮮明にかつ身近に感じることだろう。
各キャラクターごとに掘り下げる
ここからは各キャラクター紹介のエリアに。日比野カフカ・亜白ミナ・市川レノ・四ノ宮キコル・古橋伊春・保科宗四郎・鳴海弦・出雲ハルイチ・神楽木葵・四ノ宮功・四ノ宮ヒカリの計11名のパネルがずらっと続く。各キャラクターのプロフィールと共に名シーンや名台詞がピックアップされているのも見逃せない。
ひときわ目を引くのは、キャラクターのパネルと再現された専用武器が展示されている四ノ宮キコルと保科宗四郎のゾーンだ。キコルが手に持つ専用武器・Ax-0112は触れたらスパッと切れてしまうのではないかとハラハラしてしまうぐらいリアルな鋭利さがあった(※展示物に触れてはいけません)。
このエリアにはほかにも討伐した怪獣や識別怪獣兵器のイラストの展示、識別怪獣管理区域(識別怪獣10号)のスポットが用意されている。
同エリアにある識別怪獣管理区域の扉の中を覗くと、驚くことに凝った仕掛けが施されており、そのこだわりっぷりが窺えた。中を覗くと奥には何が見えるのか……。来場してからのお楽しみだ。
怪獣8号が待っていた!
紫色の怪しげな照明の中に展示されている怪獣9号の登場シーンを抜けると、怪獣8号と怪獣9号の戦いが描かれていくクライマックスバトルエリアに突入!
全国各地で怪獣が発生する群発災害で繰り広げられる、乗り越えるべき宿敵と防衛部員の各バトルシーンと映像の展示は、まるでそのバトルの現場に立っているような臨場感に溢れている。広々としたエリアの中央にある怪獣8号の立像が揺れ動く青い光の演出の中で存在感を醸し出していた。
怪獣百景エリアには初公開作品も
最後は怪獣が存在する日常風景を描いたイラスト連載「怪獣百景」のイラストなどが展示されている。初公開となる本展描きおろし漫画と「怪獣百景」に加え、連載開始前のネーム、初期設定資料が一挙に公開された贅沢なエリアだ。
保科の一コマから始まる展覧会特別描きおろし漫画や、会場すぐ隣にある東京ドームが舞台となった「怪獣百景」はテンションがあがることだろう。
計6枚展示されている連載開始前のネームには完成版とは異なる箇所が紹介されており、 初期設定資料にはレノとキコルをはじめとするキャラクターデザイン案が公開されているなど貴重なものばかり。じっくりと堪能しよう。
日替わり来場者特典、コラボメニューなど目白押し!
さらに、来場者特典として松本直也先生の描きおろしのキービジュアルを「隊員証面」と「集合ビジュアル面」にデザインした「日本防衛隊ビジュアルカード」が曜日替わりで配布されるとのこと。これは全種欲しくなる……!
ほかにも、本展覧会の開催を記念して、展覧会場のある東京ドームシティ構内の6店舗で防衛隊員たちをイメージしたメニューを期間限定で販売。期間中に該当のメニューを注文すると1品につき「怪獣8号展」オリジナルコースター(全6種/ランダム配付)が1枚プレゼントされる。
臨場感漂う空間の中で「日本防衛隊」と「怪獣」という存在を近くに感じた本展覧会。「怪獣8号展」は、11月10日(日)まで、東京ドームシティ Gallery AaMoにて開催中。
(C)松本直也/集英社
文・写真=笹本 千尋