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21世紀になって明かされた「恐ろしい手」の持ち主デイノケイルスの意外な正体とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

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21世紀になって明かされた「恐ろしい手」の持ち主デイノケイルスの意外な正体とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話】

デイノケイルス

ついに明らかになった「恐ろしい手」のもち主

デイノケイルスは中生代白亜紀後期に現在のモンゴル付近で暮らしていた恐竜です。

国立科学博物館「恐竜博2019」で、世界で初めて作成・展示された大きな全身復元骨格を見た人もいるかもしれません。

デイノケイルスの化石が最初に発見されたのは1965年のことです。ただ、そのとき見つかったのは鋭く尖った指先をもつ長さ2.4メートルの異様なほど長い腕と手の部分だけでした。

デイノケイルスという名前は「恐ろしい手」という意味があります。まったく未知の獰猛な巨大肉食恐竜の化石ではないかと、当時はかなり大きな話題となったといいます。

ミステリアスな「恐ろしい手」のもち主がわかったのは21世紀に入ってからでした。2006年以降に見つかった2体の胴体化石(どうたいかせき)から、2014年にやっと全体像がわかる論文が発表されたのです。その正体はかなり意外なものでした。体長は約11メートルと大きいものの、一般に「ダチョウ恐竜」と呼ばれるオルニトミモサウルス類の仲間だったのです。

このグループの恐竜は体表に羽毛があり、クチバシをもつことが特徴です。ほとんどの仲間で歯がありません。

集団で巣をつくり、子育てをしたと考えられています。ダチョウそっくりですが、尾があるのが大きな違いです。

オルニトミモサウルス類は足の速い種が多いのですが、デイノケイルスはそれほど速くはなかったようです。

また、肝心の腕の力もあまり強くなかったと考えられています。

ダチョウ恐竜 デイノケイルス

デイノケイルス
中生代白亜紀後期
爬虫類 恐竜類 竜盤類 獣脚類
オルニトミモサウルス類
約11メートル

平たいくちばしと鋭い爪をもつ

2014年以前の復元図

腕と手以外の部分が見つかったのはごく最近。上図は、2014年以前、腕や手などの化石から推測して描かれたデイノケイルスの復元図。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 古生物の話』代表監修:大橋 智之

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