【北海道の絶景を一年かけて撮影】写真7枚で見比べる、春夏秋冬それぞれの色/帯広市
数多くの「絶景」を持つ北海道。
観光情報にはなかなか載っていない、「日常の絶景」も多くあります。
今回は、HBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した、帯広の「カラマツ」の風景をお届けします。
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
春夏秋冬、それぞれの色がある!カラマツ防風林
帯広市内にある、農業専門分野の高校「帯広農業高校」。
校舎の敷地はとても広く、たくさんの自然が広がっています。その環境で、生徒たちは農業分野の様々な学習をしています。
高校の敷地内に、真っ直ぐ400メートルに渡って「カラマツ」が植えられています。
このカラマツは防風林の役目も果たしています。
ずらりと並ぶカラマツの並木は十勝を代表する景色と言っても過言ではなく、とにかく美しい!
2024年11月の記事では秋のカラマツ防風林をご紹介していますが、この場所に一年通って撮影してみました。
すると春夏秋冬で様々な色を放つ、カラマツ防風林の姿がありました。今回はこのカラマツ防風林の春夏秋冬の姿をお伝えいたします。
春から初夏 まぶしい新緑
まずは新緑のカラマツ防風林。
・撮影日:2025年5月
・場所:帯広農業高校敷地内
・シャッター速度 1/100
・絞り f/5.6
・ISO 160
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
5月に入ってから、この場所で新緑の光景が見たく、何回も車で通ってみましたが、5月初旬はまだ枝ばかりでした。しかし5月中旬になると、新緑の緑がとてもまぶしく、そしてとても爽やかで、きれいな緑色に癒されます。
この色合いは、冬が終わり色がなかった景色がとても鮮やかになる短い期間で、この季節ならではの色合いです。
秋 幻想的な光景
・撮影日:2024年9月
・場所:帯広農業高校敷地内
・シャッター速度 1/100
・絞り f/5
・ISO 640
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
9月に入って、夜と朝の寒暖差がだんだん出始めた早朝に訪れてみました。
この日は、朝起きてみると帯広市内は霧がかかっている状態でした。思いついたことは、「こんな日にカラマツ防風林の場所を見てみたい!」
すぐに向かいました。
到着してみると、この時期いつもなら残暑もまだ残り、夏の爽やかな景色が広がっているのですが、なんとも幻想的な光景。
・撮影日:2024年9月
・場所:帯広農業高校敷地内
・シャッター速度 1/100
・絞り f/9
・ISO 1000
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
鬱蒼としたカラマツ並木に濃い霧。なんとも言えない、森林の匂い。
霧が溢れるだけで、これだけガラリとイメージを変えてしまうのですね。
こういう景色も様々な気象条件が整わないと見ることができない、貴重な光景です。撮影者として、普段から天候をしっかり見て行動することは大事なんだと、改めて感じた朝でもありました。
秋が深まり、黄金色の季節
・撮影日:2024年11月
・場所:帯広農業高校敷地内
・シャッター速度 1/100
・絞り f/6.3
・ISO 250
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
季節は移ろいます。
ご覧ください。一本道の奥の奥まで、黄金色一色に染めています。
これも朝の時間帯に撮影に行ったのですが日差しの入り方がちょうど良く、カラマツの木の影も地面に落ち、もう最高の光景でした。
春と夏のカラマツもきれいですが、1番の見頃はやはり秋ですね。色が変わると景色の雰囲気も変わり、どこか落ち着いたしっとりした空気になります。
・撮影日:2024年11月
・場所:帯広農業高校敷地内
・シャッター速度 1/160
・絞り f/5.6
・ISO 320
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
緑が芽吹いてから、景色が移ろい、雪が降る前の最後の彩り豊かな色合いの時期です。
天気が晴れた日はこんな景色の下を歩くだけで気分がリフレッシュします。
厳寒の冬 白く染まる
・撮影日:2025年3月
・場所:帯広農業高校敷地内
・シャッター速度 1/640
・絞り f/5
・ISO 250
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
最後は厳寒の冬の光景です。
新緑の色から始まり、夏の濃い緑色、そして秋の黄金色に染まり、冬には真っ白に染まってしまいます。
・撮影日:2025年3月
・場所:帯広農業高校敷地内
・カメラ:iPhone15plus
冬の光景は、どこか映画の世界というか、非現実的というか、とても不思議な感覚、感情になる景色でした。
一年でこんなにも変化があり、そしてすべて美しい。
四季折々の季節の移ろいがしっかり現れ、感じられるとても素敵な場所です。
・撮影日:2025年3月
・場所:帯広農業高校敷地内
・シャッター速度 1/400
・絞り f/10
・ISO 200
・カメラ:SONY a7Ⅳ
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
いかがでしたでしょうか?
カメラマンとして1年間、このカラマツ防風林のさまざまな景色の色合いを撮影できてとても嬉しいかぎりでした。
それも帯広農業高校さんがしっかりとこのカラマツを守ってきてくれたおかげでもあります。撮影者として感謝しかありません。
カラマツ防風林だけではなく、十勝平野の景色には春夏秋冬それぞれの景色があります。
カメラマンである以上、移り変わる瞬間や、その時期の1番最高なシーン、または今しか見られない貴重な光景など、たくさんのシャッターチャンスを撮影できるのも、この十勝平野で撮影する醍醐味だと思います。できる限りそんな光景を撮影していきたいと思います。
まずは、これからやってくる夏をしっかりと切り撮りたいです。そして皆さんにお届けできればと思います。
見ていただきありがとうございました!
連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」
撮影・文:HBC帯広放送局 大内孝哉
2015年からテレビカメラマンとして、主にニュースやドキュメンタリーを撮影。担当作品に映画/ドキュメンタリー「ヤジと民主主義」「クマと民主主義」や、ドキュメンタリー「核と民主主義」「ベトナムのカミさん〜共生社会の行方〜」「101歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~」など。
2023年10月から帯広支局に異動。インスタグラム@takayasunset0921では、プライベートで撮影した北海道の写真を公開中。
編集:Sitakke編集部IKU
※高校の許可を得て撮影をしています
※掲載の内容は記事執筆時(2025年6月)の情報に基づきます