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歴代名車と振り返る! ハーレーダビッドソンのズバ抜けた直進性と快適さは、大陸を走るために研ぎ澄まされてきた。

Dig-it[ディグ・イット]

アイゼンハワー大統領は第2次世界大戦中、全米をクルマで横断するのに2カ月を費やした経験から、各州の高速道路を連結して全米を結ぶ必要性を感じ、1956年に連邦補助高速道路法を承認。以降、州間高速道路網の整備が急ピッチで進んだ。この道路環境の変化は、ハーレーのメカニズムを独自に進化させていくことになる。

ハーレーのメカニズムは道路環境と共に発展

アメリカで道路整備が進み、クルマやバイクの環境が変わり始めたのは第1次世界大戦後の1920年代ごろ。このころから全米で舗装道路が増えていったのだが、ハーレーのメカニズムを調べていくと、サスペンションが進化した時期と重なることに気づく。

そもそもハーレーは1903年に自転車のフレームをベースとした最初の「1号機」を完成させたワケだが、前輪を支えるフォークにスプリングを備え、その後の「スプリンガーフォーク」の原型を完成させたのは1号機からわずか4年後のこと。その後、徐々にフォーク径を太くし、1930年代になると摩擦式ダンパーを備えたモノに発展。

また、1936年に初のOHVエンジンモデル、「ナックルヘッド」が登場すると飛躍的に性能が向上し、走る速度も相対的に上がったが、それも道路環境が整ったことで、それなりの速度で走ることが可能になったからと捉えることができる。

さらにナックルヘッドは、1941年に排気量を拡大した「FL」をラインアップに追加。同時に、クッション性の高いタイヤを装着するため、前後のホイール径を16インチに変更し、よりクルージングがラクなように進化したのだ。

その後、エンジンがナックルから「パンヘッド」に切り替わり、さらなるスピードアップが可能になると、従来までのスプリンガーフォークでは役不足になり、油圧式のテレスコピックフォークが採用された。これもまた、全米の主要都市を結ぶインターステートハイウェイ(州間高速道路)網の整備が進められた時代と重なるのだ。

その後、リアサスペンションが装備されると、年々整備が進み便利さを増していく高速道路網に伴って「キング・オブ・ハイウェイ」と呼ばれるようになった。

また、制限速度とも密接に関わっていて、55マイルだった規制が65マイルになり、やがて高速道路全体の制限速度も撤廃され、法定速度の決定権が各州に委譲されると、州によっては75マイルや85マイルにもなった。そうして進化してきたのが、ハーレー独自のメカニズムというワケである。その進化を年表で追ってみよう。

1941年 クッション性の高いタイヤ&大排気量化

排気量1000㏄の「E」と「EL」はそのままに1200㏄のエンジンの「F」と「FL」を追加。クッション性の高い厚いタイヤを装備するためホイールは前後16インチになった。

1949年 油圧式フロントフォークで乗り心地が向上

スプリングとオイルでサスの動きを制御するテレスコピックフォークを採用。油圧式(ハイドロ)で滑る(グライド)ような乗り心地から「ハイドラグライド」と名づけられた。

1958年 リアサスペンション装備で操縦性が向上

サスのないリジッドフレームに代わってスイングアーム付きのフレームにリアショックを装備。前後にサスペンションを備えたことから「デュオグライド」と名づけられた。

1965年 セルスターター装備で始動が簡単に

バッテリーを6Vから12Vに拡大し、新たにセルモーターを装備。ボタンひとつでエンジン始動が可能になった。これに伴ってモデル名を「エレクトラグライド」に変更した。

1983年 ラバーマウントフレームで振動が減少

1980年登場の「FLTツアーグライド」に初採用されたラバーマウントフレームは、ライダーにエンジンの振動を伝えない画期的なもの。これをFLH系モデルにも採用した。

2009年 新設計フレームで走行性能がアップ

新設計のフレームとスイングアームを採用して剛性が大幅アップ。さらに伝統的な前後16インチホイールも、前輪を17インチ、後輪はワイド化して安定感を高めている。

2014年 あらゆる部分を見直して飛躍的に進化

フレームや足まわりも見直されたほか、フェアリングやバッグも一新。2020年からは前後18インチホイールやトラクションコントロールも備え、あらゆる面で進化を遂げた。

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