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秀吉を苦しめた鳥取城、パラグライダー・らくだライドなど砂丘での非日常体験、白亜の洋館・仁風閣 鳥取駅周辺のおすすめスポット

鉄道チャンネル

鳥取砂丘での朝日  (写真:鳥取県)

鳥取駅の周辺には多くの見どころがあります。鳥取城は歴史的に著名な羽柴(豊臣)秀吉の兵糧攻めの舞台になった城で、多様な時代の遺構を見ることができる城郭の博物館とも呼ばれています。仁風閣は、国の重要文化財指定されている、明治時代の最先端技術がつまった洋館です。鳥取砂丘の雄大な景観はまさに圧巻ですが、鳥取砂丘で楽しめる数々のアクティビティーらくだライドパラグライダーもおすすめです。今回は、鳥取駅を起点に行くことのできる、歴史と自然が織りなす魅力的な観光スポットの数々を、紹介していきます。

鳥取城は、秀吉を苦しめた難攻不落の城跡

久松山に築かれた鳥取城

標高263メートルの久松山(きゅうしょうざん)に築かれた鳥取城は、その自然の地形を活かした堅固な山城として知られています。特に、豊臣秀吉による兵糧攻め(飢餓作戦)で有名な城であり、その攻防の歴史は今も語り継がれています。
江戸時代に入り、姫路藩主・池田輝政の孫である池田光政によって整備・拡張された壮大な石垣群は、訪れる人々を圧倒します。山の頂上付近には本丸と山の丸が、そして南西の麓には二の丸、三の丸、水堀が配置され、その防御力の高さが伺えます。その歴史の長さから、城内の様々な場所で多様な時代の遺構を見ることができることから、城郭の博物館とも呼ばれ、お城好きな人々から評価されています。

鳥取城二の丸石垣 (写真: m.Taira/PIXTA)

城内には見どころが多く、特に二の丸上段にある天球の球状の「巻石垣」は、全国でも珍しい独特の構造で、最大の魅力の一つです。この「巻石垣」は、天球丸の石垣崩落を防止することを目的に、江戸時代の終わり頃に築き足されたものですが、鳥取城跡天球丸のように角を持たない球面の石垣は、国内唯一の大変珍しいものです。

鳥取城跡 天球丸跡(写真: denkei /PIXTA)

近年、大手橋の擬宝珠橋(ぎぼしばし)と、大手門の中ノ御門表門(なかのごもんおもてもん)が復元され、今後も麓の建物の復元が計画されているため、歴史ファンや城好きにはたまらないスポットといえるでしょう。

桜の時期の擬宝珠橋・鳥取城跡

鳥取城跡(久松公園)の入園料は無料です。JR鳥取駅からは、「100円循環バスくる梨」(緑コース)で約8分→「仁風閣・県立博物館」または「市立武道館」下車など、アクセスの良さも魅力です。

次は、上写真の左側にある洋館をご紹介します。

白亜の洋館「仁風閣」と趣ある日本庭園、茶室「宝扇庵」

鳥取城跡の一角に佇む仁風閣(じんぷうかく)は、白亜の外壁が美しいフランス・ルネサンス様式の洋館で、国の重要文化財に指定されています。その優雅な姿は、周囲の日本庭園と見事に調和し、訪れる人々を魅了します。

鳥取市にある洋館「仁風閣」(写真: azukiatuko/PIXTA)

明治末期に旧鳥取藩主の別邸として建てられ、大正天皇が皇太子時代に山陰地方を行啓された際の宿泊所としても使用されました。館内には、当時使用された家具や調度品などが展示され、往時の様子を偲ぶことができます。特に、柱のない珍しい螺旋階段は、当時の最先端技術を示すものとして必見です.。

※2025年3月現在、仁風閣は文化財保存修理工事のため長期休館(2023年12月29日より約5年間)しています。そのため仁風閣建物内は観覧できませんが、仁風閣庭園(宝隆院庭園)は無料で見学できます。

仁風閣の芝生広場の向かいには、江戸時代後期に造園された宝隆院庭園(ほうりゅういんていえん)が広がります。鶴をかたどった池や亀島が配された美しい回遊式庭園で、四季折々の風景を楽しむことができます。

宝隆院庭園と宝扇庵(写真denkei /PIXTA)

敷地内には、鳥取城の一部として唯一現存する建物である宝扇庵(ほうせんあん)という茶室があります。江戸時代後期に建てられた「扇御殿化粧の間」であり、歴史的な価値を感じさせます。

広大な「鳥取砂丘」でのおススメアクティビティ5選

人が豆粒のよう 「鳥取砂丘」(写真: 鳥取県)

日本最大の砂丘として知られる鳥取砂丘は、東西16km、南北2.4kmに広がる雄大な自然景観を楽しめます。風によって砂の表面に描かれる風紋(ふうもん)は、自然が作り出す芸術作品とも言え、その繊細で美しい模様は見る者の心を魅了します。
もちろん、以前の記事で紹介をしたように、この魅力的な鳥取砂丘の景色を眺めながらゆっくり散策をするだけでも一見の価値はありますが、今回は砂丘での人気のアクティビティをいくつかご紹介します。

鳥取砂丘でおすすめの過ごし方・アクティビティー
1.異国情緒あふれる体験、砂丘をラクダで優雅に散策

鳥取砂丘での、らくだライド体験 (写真: 鳥取県)

広大な砂丘をゆったりと進むラクダの背に揺られながら景色を眺める「らくだライド体験」は、まるで異国を旅しているかのような特別な感覚を味わえます。

2.スリル満点!砂の斜面を滑り降りるサンドボード

砂の急斜面を滑る サンドボード(写真:Arika/PIXTA)

砂丘の急斜面を専用のボードで滑り降りるサンドボードは、スノーボードのような爽快感が楽しめる人気のアクティビティで、砂漠の多い西オーストラリアから広まったとされています。特別な技術や経験は不要で、初心者や子供でも気軽に挑戦できるのが魅力です。サンドボードのレッスンを受けられる場所があり、ボードはレンタルできるので手ぶらで楽しめます。

3.空から砂丘を一望!パラグライダーで絶景体験

鳥取砂丘でパラグライダー体験  (写真: dekoboko/PIXTA)

鳥取砂丘の広大な景色を空から眺めるパラグライダー体験は、まさに絶景の一言です。初心者でも、経験豊富なインストラクターが丁寧に指導してくれるため、安心して空の散歩を楽しむことができます。「ゼロパラグライダースクール」や「鳥取砂丘パラグライダースクール 砂丘本舗」といった複数のスクールがあり、半日コースや1日コースなど、自分のスケジュールや体力に合わせて選ぶことができます。

4.新感覚アクティビティ!セグウェイで砂丘探検
オフロード用のセグウェイに乗って砂丘を巡るアドベンチャーツアーは、新しい砂丘の楽しみ方として注目を集めています。セグウェイに乗れば、広大な砂丘を楽に移動でき、徒歩ではなかなかアクセスできない絶景ポイントを訪れることも可能です。鳥取砂丘は国立公園内でセグウェイに乗ることができる全国で唯一の場所で、砂丘を知り尽くしたガイドが、砂丘の成り立ちや周辺の観光情報なども教えてくれます。

この他にも、極太タイヤが特徴の「ファットバイクに」乗って砂丘をサイクリングする体験ツアーや、子供でも楽しめるソリに乗って砂丘の斜面を滑り降りる「サンドスライダー」、広大な砂丘の上でヨガを体験する「砂丘ヨガ」、鳥取砂丘のすぐ隣に位置する多鯰ヶ池の、静かで穏やかな湖面での「SUP(スタンドアップパドルボード)」体験などのアクティビティを楽しむこともできます。

砂丘周辺も一緒に楽しもう!魅力的な観光スポット

鳥取砂丘の周辺には、砂丘と合わせて訪れたい魅力的な観光スポットが数多く存在します。今回はそのうちから、5か所を紹介します。

1.砂の美術館
砂と水だけで作られた砂像を専門に展示する世界初の美術館です4。毎年テーマが変わるため、何度訪れても新しい発見があります。砂丘を訪れた際には、ぜひ立ち寄りたいスポットです。(2025年3月現在、展示入れ替えのため休館中ですが、次回の展示は2025年4月25日から開催予定です。)

鳥取砂丘 砂の美術館 (写真:コンチ / PIXTA)

2.鳥取砂丘ビジターセンター & 鳥取砂丘フィールドハウス
砂丘の成り立ちや生態系について学べる施設で、砂丘の散策前に立ち寄るのがおすすめです。地図や周辺の観光情報も入手できるため、砂丘観光の拠点として活用できます。夏季にはクールシェルターとしても開放されており、暑い日の休憩にも便利です。

3.砂丘センター見晴らしの丘
鳥取砂丘からすぐの丘の上に、砂丘を一望できる展望台があり、日本海まで見渡せる絶景が楽しめます。砂丘からは、砂丘リフトを利用することで、周囲の景色を楽しみながら手軽にアクセスできます。お土産店やレストランも併設されており、休憩にも便利です。

見晴らしの丘からの 鳥取砂丘の眺め (写真: shun_cap/PIXTA)

4,アイエム電子 鳥取砂丘こどもの国
砂丘のすぐ隣にある、子供向けの遊園地です。大勢の子供たちが楽しめる様々な巨大遊具や、サイクルモノレースやレールトレインなどの乗り物、夏には水での遊び場、その他にも木や砂の体験などがあり、家族連れで楽しむことができる施設です。

5.砂丘温泉ふれあい会館
砂丘近くにある温泉施設で、日本海を眺めながらゆったりと温泉に浸かることができます。砂丘で遊んだ後の疲れを癒すのに最適です.現れる風紋をより鮮明に鑑賞できるため、早起きして訪れるのもおすすめです。

今回は、この魅力的な鳥取砂丘で人気のアクティビティ、そして周辺の観光スポットをご紹介しました。

「鳥取砂丘」では、季節や時間によっては、風がつくりだす芸術作品「風紋」を見ることができます。「砂のさざ波」ともいわれる波状の縞模様で、砂が乾燥している状況で5m以上の風くなど、一定の条件を満たさないと見られないといいます。特に、観光客が少ない早朝がおすすめのようですので、是非、観察をしてみてください。

鳥取砂丘、 砂のさざ波「風紋」 (写真:鳥取県)

鳥取砂丘や周辺施設へのアクセス
JR鳥取駅北口の鳥取バスターミナルからは、路線が利用でき、鳥取砂丘まで約20分、料金は片道380円です。
子供の国入口、砂丘センター展望台、砂の美術館前、砂丘会館(鳥取砂丘)など下車で、周辺の各施設へもアクセスできます。タクシーを利用する場合、鳥取砂丘まで約15分程度です。

童謡とおもちゃの懐かしい世界 わらべ館

わらべ館は、童謡・唱歌とおもちゃをテーマにしたミュージアムで、子供から大人まで、世代を超えて楽しめる体験型ミュージアムです。館内は3階建てで、1階は「童謡の部屋」、2・3階は「おもちゃの部屋」となっており、様々な展示を通して童謡やおもちゃの世界に触れることができます。

鳥取市 わらべ館 (写真:yu-syan/PIXTA)

昔懐かしいわらべうたや唱歌、そして国内外の様々なおもちゃが展示されており、世代を超えて楽しむことができます。おもちゃの仕組みを学べるおもちゃ研究所や、工作体験ができるおもちゃ工房、自由に遊べるあそぼう広場など、体験型の展示が充実しています。
おもちゃ作り体験やコンサートなど、様々なイベントが開催されています。

童謡・唱歌とおもちゃのミュージアム わらべ館
開館時間:午前9時〜午後5時(最終入館は午後4時30分)
休館日:毎月第3水曜日(祝日の場合は翌日)、8月は無休、年末・年始
入館料:大人/500円、高校生以下は入館無料
アクセス:鳥取駅から徒歩約20分、またはバスで約5~6分

山陰本線、鳥取~城崎温泉を旅してみよう!

今回紹介した鳥取駅を含む山陰本線の、鳥取~城崎温泉までの区間は、地球の活動の痕跡が残されているジオパークに指定されている地域の一部でもあり、日本海の海岸線に沿う形で、ダイナミックな様々な地形を見ることが出来ます。
鉄道チャンネルでは、この地域のおススメ観光スポットを、今後も引き続きご紹介していきます。

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