いじめなくても不登校 大竹まことが小学校のリアルに驚く「なぜ厳しいルールに?」
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組、『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 11月25日の放送は、岩波書店から発売中の『ルポ 学校がつまらない──公立小学校の崩壊』を著した、ジャーナリストの小林美希氏が出演。月曜パートナーの阿佐ヶ谷姉妹とともに本の内容について伺った。
大竹「今日は学校の中の話ですね。就職氷河期時代の人たちが今親になっている。その親たちは、自分たちが就職氷河期だから、子どもには同じ苦労させまいと、なるべくいい中学、いい高校に行かせたい。そうすると、いじめなどの明確な理由がなくても、不登校になる子どもたちが今増えていると」
小林「今は教員不足なんですね。ブラック労働という言葉が浸透していると思うんですけれども、教員が自分の力を発揮できない環境にあるので、本当はこうしたいという教育ができなくて、みんなを一斉に従わせる。何々させるとか、何々を守らせるとか、画一的な教育になっているので、右に倣えと言うやり方が受け入れられなかったりしています。
受験の多い地域だと、みんなが受験に向かってひた走っているので、ちょっと自分は違うなって感じた子どもが、教員の右に倣えをさせる態度だったり、友達がどんどん先に進んで学校がつまらなくなっていって、いじめがなくても学校を拒絶することが、不登校の一部に現れてるんじゃないかと思います」
大竹「学校自体は大きくなってるんですか、小さくなってるんですか?」
小林「各校はだいたい少子化で小さくなっていて、ただ今度は統廃合して財政効率化を図ろうとするので、結局2校3校寄せ集めて大規模化してしまったり、小学校と中学校の公立でも小中一貫校にして、都内だと1000人もいるような大規模校になっています。
小中一貫だと、この間まで保育園だった子と、これから高校生になるような子が入り乱れてくるので、かなり指導が大変になって、それも学校が嫌になる一つの原因にもなってるんですね」
大竹「その学校にはいろんなルールがある」
小林「そうですね。結局、みんな同じようなものを求めるので、筆箱は無地でなければいけないとか、給食を残す時に先生に謝らないといけないとか、赤白帽を忘れただけで体育は見学とかですね。忘れ物をすると休み時間は外で遊んじゃダメですよ、給食を遅れちゃダメですよ、と従わせるようになっていく。そういった現場が増えているように思います。
大竹「ええ? まあ、画一的にしないと先生も大変だから。お前は帽子を忘れたから今日体育休みだと」
小林「ルールを決めてしまえば楽っていうことですね。そうすると工夫しなくていいんですよね。借りたり貸したりという、子どもにとって心を育てることがなくなっちゃうんですね」
阿佐ヶ谷姉妹・美浦「なんか自分たちの時代より厳しいような気もします」
大竹「なぜそういう厳しいルールになってるんですか?」
小林「結局、教員が疲弊しているということが大きな原因なんですけれども、どうしても見ている子どもたちの数が多いんですね。法律も変わって、減ってきてはいるんですけど、とは言え1人で30人とか35人を見るのは大変で、中には荒れてる教室もあれば、配慮の必要な子もいたりして、1人で負いきれないんですね。そうすると、だんだんと疲弊していって、マニュアル化して、教育が簡単な作業になってしまうんですね」
大竹「それは小学校で起こってる?」
小林「小学校ですね。中学校はさらに軍隊化していくんです」
大竹「軍隊化ってどういうことですか?」