<アリ?ナシ?夫の早期退職>長年の夢だった「自宅でカフェ開業したい」宣言に呆然の私【まんが】
私は40代のタマミです。夫のケイタは少し年上で50代の会社員。結婚して23年、自由きままな性格の夫には何度も振り回されてきました。ただ私はたまに夫婦ゲンカしながらも、家族として夫を支えてきたつもりです。そして現在息子ショウタは大学3年生、娘ユキナは高校3年生。私もフルタイムで働き子どもたちの学費のメドがつきました。このままお互いに定年まで勤めあげ、その後は夫婦や自分の時間を楽しめたらと思っていたのですが……。
夫は「長年の夢だったカフェをはじめたい」と突拍子もないことを言い出しました。そういえば何度かそんな空想を語っていたような気がします。ただ今まで夫が具体的になにか行動を起こしたこともなく、ただの夢物語だと思っていました。
とてもじゃないけど賛同できません。なにを考えているのでしょう。家族の生活にも影響することなのに、相談もなく決めるなんて……。夫は全力で阻止しようとする私が気に入らないらしく、そのうち私のことを無言でスルーするようになりました。
私はテレビを眺めながらぼんやりと考えます。決して私はカフェの開業そのものを否定したいわけではありません。私に相談なく会社を辞めたり、退職金の使い道を決めたりする夫に腹が立っているのです。しかもどこか夢見心地で、しっかりしたプランもなさそうだし……。 テレビ番組ではシニアが田舎に移住をしたり念願のお店を開いたりして、第二の人生を切り開く様子が紹介されています。そこに出てくる夫婦は一緒に夢を叶えて幸せそうです。私は理解のない妻なのでしょうか? 夫はいよいよ来月から無職になります。怒りや不安、戸惑い、いろんな感情が入り混じって夜も寝られません。
娘から辛辣な言葉に「俺の人生に口出しするな!」キレる夫
夫にはまだ何の計画もなく、ただ「カフェをやりたい」という気持ちだけ。「これから考えるんだよ」と言う夫に、私も娘もあきれて物が言えません。「借り入れはしないから安心して」とドヤ顔で言ってきますが、そういう問題じゃありません。
「ただのおじさんが淹れるコーヒーなんて誰が飲むの。お店の売りは? コンセプトは? 飲食業をナメすぎじゃない?」娘は今の生活が奪われる危機感を抱いたのか、私以上に辛辣な言葉を浴びせます。夫はその反応にイラ立った様子でした。
夫が怒って立ち去ってしまったので、その日の話は終わりました。聞けば聞くほど、夫の夢には家族が一切登場しません。妻として何の相談も受けなかったことにショックを受けている自分にも気づかされます。 子どもたちも大きくなったし、これ以上夫に振り回される生活に耐える必要もないのかもしれない……。さいわい私もフルタイムで働いてきたので、子どもたちの学費のメドはついています。 最悪、離婚かな……。私は言いしれぬ孤独を感じていました。
夫の人生に家族はいない?だったら「好きにすればいいよ」
私が仕事を終えて帰宅すると家のなかはぐちゃぐちゃ。リフォームに向け、勝手にモノの整理しようとしたものの途中でやめたのでしょう。そこにいたのは仕事もせず、夢は語るが何もしない夫。「仕事なんか辞めたら」という言葉に、私のなかで何かがプツンとキレました。今まで真剣に悩んでいた自分がバカらしくなります。
夫が真剣に夢を叶えたいと思っているなら、誰が反対したとしても妻の私は応援してあげないと! そう思ったときもありました。けれど夫のなかに私はいないのです。私だけ孤独感を味わい続けるのはウンザリです。やがて夫は家を出ていきました。
今思えば、自由な夫の行動を私はこれまで許しすぎていたのかもしれません。夫のなかでいつしか家族は無視しても構わないような存在になっていたのでしょう。結婚して23年、そんな関係を築いてしまったのは私にも責任があります。 ただもうこれ以上、私も子どもたちも夫の身勝手な夢に振り回されたくはありません。夫とはこのまま離婚になるでしょう。不安や孤独感から解放されてどこかスッキリしている自分もいます。まさかこんなかたちで、私の第二の人生がはじまるとは思ってもいませんでしたが……。 夫は現在、一人暮らしをしながらカフェの学校に通っているそうです。けれど今後は私には関わりのない他人の人生。思う存分好きにしたらいいと思います。