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日本のスノーシーンも無関係ではいられない。トランプ新法案により、アメリカの雪山が揺れる現実

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BACKSIDE 編集部

アメリカのドナルド・トランプ大統領が推し進める新たな包括法案「Big Beautiful Bill(大きく美しい法案)」が米議会下院を通過した。化石燃料産業への全面的な支援とともに、クリーンエネルギー政策や公共土地保護への予算を大幅に削減する内容となっており、アメリカのスノーボード/スキー業界に大きな波紋を呼んでいると、ゲレンデ情報サイト「SNOW BRAINS」が報じている。

この法案では、石油・石炭・天然ガスの採掘を促進し、再生可能エネルギーやEV(電気自動車)関連への優遇措置を撤廃。結果として、温室効果ガス排出量の増加と、それに伴う冬季気候の悪化が懸念されている。暖冬化が進めば、積雪量の減少や滑走可能日数の短縮が予想され、ゲレンデ運営のコスト増や収益減につながるという、極めて現実的なリスクを抱えている。

また、雪山の気象に不可欠なNOAA(アメリカ海洋大気庁)やUSGS(地質調査所)といった政府機関の予算も削減されるため、山岳予報や雪崩予測の精度低下にもつながりかねない。バックカントリーアクセスや安全管理を担う森林局や国立公園局の資金削減も、登山道の維持、アクセス道路の補修、トレイル整備などに直撃するだろう。

これらの変化は、アメリカ国内のスノーリゾートを拠点とする多くのスノーボードブランドにも影響を及ぼす。BURTON(バートン)やK2 SNOWBOARDING(ケイツー スノーボーディング)をはじめとするアメリカ拠点のブランドに影響が及べば、その余波は日本支社やディストリビューターの販路にも波及しかねない。

気候変動の影響はすでに雪山に現れているが、それに拍車をかけかねない今回の法案。アメリカの話だからといって、スノーボードを愛する一人ひとりが、この動向を見過ごすわけにはいかない。政治の優先順位が変われば、雪山の未来もまた変わってしまう。その現実に、僕たち日本人スノーボーダーはどう向き合うべきか。

text:Daisuke Nogami(Chief Editor)
photos: Unsplash

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