嚴島神社だけじゃない!エコツアーで知られざる宮島の姿を学ぶ。広島から足を延ばして、船でぐるっと、七浦めぐりへ!
宮島に来て、嚴島(いつくしま)神社の周辺だけを観光して終わりにするのはもったいない! 島には七つの浦にある神社=七浦神社をはじめ、多数の神社が点在。船でめぐることで、古くから島全体が信仰の対象とされた“神なる島”の全貌が見えてくる。
宮島七浦めぐりMAP
「七浦めぐり」エコツアーで七浦神社を参拝
「宮島」という名称は通称であるということをご存じだろうか。正式名称は「厳島(いつくしま)」。 江戸時代以降に「お宮(嚴島神社)のある島」ということで、宮島と呼ばれるようになったそうだ。
そんな宮島には、古くからこんな言い伝えがある。嚴島神社の御祭神である三女神が筑紫国(つくしのくに)=福岡県の宗像(むなかた)大社からやってきたとき、鎮座する場所を探し求めて、神鴉(おがらす)と呼ばれるカラスの案内により、船で島を一周したというものだ。
これに由来して宮島の七つの浦にある嚴島神社の末社「七浦神社」を訪れ、心身を清める「御島廻式(おしまめぐりしき)」という神事が、1500年以上前から現在に至るまで行われている。
周囲は約30㎞と、実は大きい宮島。七浦神社をめぐりたいと思っても、海上からしか参拝できないところもあり、辿り着くのは至難の業だ。
瀬戸内エコツーリズムの「七浦めぐり」エコツアーでは、小型チャーター船で島をぐるりとひとめぐり。宮島に伝わる伝統的な方法で七浦神社を参拝できる。
また宮島は古来、弥山(みせん)を含む島全体が神域とされてきたことから、いまなお手つかずの自然が残されている。本エコツアーでは、入江にできた砂浜などの「浦地形」や、島全体を形づくる花崗岩(かこうがん)が波に削られてできた海食洞や奇岩の見学をはじめ、干潟に棲む生き物の観察など、自然に親しむアクティビティーも数多く楽しむことができる。
「安芸(あき)の宮島廻れば七里、浦は七浦七恵比須――」。恵比寿信仰とも結びつき、いつの頃からか謡にも詠まれ、「七浦めぐり」として広まったこの神事。古代の人々の記憶に思いを馳せ、宮島の神々を訪ね、手つかずの自然に親しんでみては?
エコツーリズムってなに?
地域の自然・文化・歴史への感謝と保護につながるツーリズムのこと。さまざまな視点からその土地に潜在する資源をストーリーとして伝え、まちの人々との交流・コミュニケーションを通じて魅力を体感することで、地域のサステナビリティ(持続可能性)の高まりにも結びつく。
瀬戸内エコツーリズムのエコツアーは環境に配慮し、すべてが少人数制で、日程も選択可能。より自由度が高くプライベートな旅が楽しめる。
瀬戸内エコツーリズムの主要なエコツアー
環境に配慮し、すべてが少人数制で、日程も選択可能!より自由度が高くプライベートな旅が楽しめる。
●ツアー一例
[宮島エリア]
宮島コンシェルジュと「小路(しょうじ)」から巡る祈りの歴史ウォーク 山辺の小径~東町・町家通り~嚴島神社
[竹原]
プレミアム酒蔵体験・歴史的建造物を改修したホテルでのご宿泊/塩と酒と「青」の旅 安芸の小京都 製塩町 竹原
[大崎上島]
潮待ち・風待ちの離島 大崎上島で里海体験 ほか
「七浦めぐり」エコツアーInformation
【エコツアー】宮島の神事に則り「七浦めぐり」で船でしか行けない七つの神社へ
宮島の歴史・信仰・自然・産業・環境保全を体感
希望日の1週間前までにホームページから要予約
10:00~17:00
1名6万8000円(最少催行人員4名〈6名まで〉)
広島県広島市西区観音新町4-14-6(広島観音マリーナ集合・解散)
山陽新幹線広島駅からバス45分の観音マリーナホップ下車、徒歩3分(広島観音マリーナ)
●「瀬戸内エコツーリズム」エコツアーの問い合わせ・申し込みはこちらから
☎084-926-7722(福山ツーリスト)
https://eco.f-tourist.com
文=本誌編集部 協力=瀬戸内海エコツーリズム協議会
『旅の手帖』2025年7月号より