清水エスパルスの乾貴士が明かしたJ1昇格決定までの裏話。ペナルティ・ヒデは“ド直球”の質問「来季もいてくれるの?」
SBSラジオの静岡サッカー熱血応援番組「ヒデとキトーのFooTALK!」に、清水エスパルスの乾貴士選手をお招きしました。聞き手はパーソナリティのペナルティ・ヒデさんと鬼頭里枝さん(2024年11月6日放送)
ヒデ:まずはJ2優勝おめでとうございます!!
乾:ありがとうございます!
ヒデ:いろいろなところから「おめでとう」が来ていると思いますが今は少し落ち着いていますか?
乾:そうですね。でも、そこまで反響はなかったです。秋葉さんほどではないです(笑)
ヒデ:去年の悔しさがあったからこそ、喜びもひとしおかもしれませんね。
乾:去年は本当に悔しすぎたので辛い一年になってしまいましたけど、今年も簡単ではなかったです。しっかり昇格できたのと優勝までできたのは良かったです。
ヒデ:ホームで今日決まるだろうという時に(IAIスタジアムに)行かせていただきました。貴士と試合後に会ってるんですけど、印象的だったのが「なんで勝てなかったんやろう」と言っていてね。
乾:あの試合は辛かったですね。去年の嫌な思い出がきちゃって。
ヒデ:もしかしたらサポーターの皆さんもよぎったかもしれないね。でも、応援するしかないみたいな空気になって、結果、「大丈夫だろう!」みたいなのがどこかにあったのかもね。ホームで昇格を見たかったけどね。
鬼頭:でも、見事優勝はホームで決めてくれましたので!
「個人としては物足りないシーズン」
ヒデ:あらためて、今シーズンを振り返っていきましょう。個人として良かったところは?
乾:個人として…。いや、全然良くないですね。本当に物足りないシーズンで終わってしまいそうで嫌なんです。
ヒデ:やっぱりトップでやっている人は…。俺なんて自分のことベタ褒めしますよ!逆に苦しかったことは?
乾:すんなりいかなかったことですね。すんなりいくとは思っていなかったですけど、追われる立場というのも辛かったので、最後はプレッシャーもありました。
鬼頭:乾さんのトリッキーなパスやノールックパスに観客はいつも沸いていました。今年もキレキレだなという印象はありましたけどね。
ヒデ:本人は魅せるサッカーが好きですし、余裕がある時は乾貴士は止められないね!
振り付きでチャント
鬼頭:メールもたくさん来ています。「チャントで乾さんが振りつきで歌っている姿を初めて見ることができました。」とのことです。そうだったんですか?
乾:結構振りつきでやっていますけどね(笑)
鬼頭:「昨年の国立の涙、現地で見ていましたよ。一昨日、優勝を現地で見た時、こちらが今度は涙が止まりませんでした。その場に立ちあえて本当に幸せでした。乾さん、大好きです。これからも応援しています」と、たくさんメッセージを頂いております。
ヒデ:最年長として大変なことはありますか?
乾:まず、練習についていくのが大変ですね(笑)暑い中、若い仲間との練習はしんどいですね。
ヒデ:でも一番聞くのが、乾さんが元気だからやらなきゃ仕方ないということですよ。
乾:そうなってくれていたらいいかなと思いますけどね。俺は言葉であまり引っ張れないので、どうにか姿勢でついてきてくれたらいいなと思っています。
「西原源樹、大事に育てていかないと」
ヒデ:後輩たちの活躍はいかがですか?
乾:頼もしいですよ。やっぱり若い選手もある程度育ってきていると思いますし、今年は(西原)源樹が入ってきたので、大事に育てていかなければと思いますね。
ヒデ:強度があるからこそJ1昇格にふさわしいチームなんでしょうね。ただ、J1は今季のようにはいかないでしょう。戦術などJ1に対する期待はどうでしょう。
乾:難しくなると思います。簡単な試合は1つもないと思うので、まずはチャレンジャーとしてしっかりぶつかっていくのが一番だと思います。気持ちを見せないと勝てないので。
鬼頭:J1は去年一緒に戦っていた町田ゼルビアや東京ヴェルディが上位にいますね。来年、J1で戦ってみたい選手はいますか?
乾:やっぱり香川真司(セレッソ大阪)や大迫勇也(ヴィッセル神戸)とかですね。あとは、今でも仲が良い加藤陸次樹(サンフレッチェ広島)とか、すごく楽しみですね。
ヒデ:逆に若い選手が乾選手とマッチアップしたいと思うよ。ディフェンスやっている子は特にそう思うだろうね。
乾:昔のプレーとは違いますけどね。
プロで初めて掲げたシャーレ
ヒデ:今回シャーレを初めて掲げたと。
乾:そうです、そうです! 高校選手権以来、野洲高校の時以来の優勝です。なので、17年18年?
ヒデ:ようやくですね。どんな気持ち?
乾:やっぱりJ1でやりたいのが一番なので、機会を取っておこうとあんまり触らないようにしていたんですけど、ちょっと触って写真だけ撮っておきました(笑)
鬼頭:J1優勝の時のためにその感触を取っておこうと…。
ヒデ:今やっている仲間とサポーターの皆さんに会った時は気持ちいいでしょ。シャンパンは用意されなかったんですか?
乾:なかったですね(笑)あれ楽しそうで羨ましいんですよね〜。
YouTube始めました
ヒデ:メールをいただきました。「高校時代から大好きで大阪に住んでいる時からずっと応援していました。YouTubeを始めたということですが、今後ゲストにヒデさんと対談とかありませんか?」
乾:えっ!出てもらえるのならぜひ!
ヒデ:もちろん! くだけた場所とかで楽しくやれたら良いですね。今はYouTubeどうですか?
乾:楽しくやっています。お金稼ぎとかではなく、基本的にはグラウンドに出て、サッカーの技術を子どもたちに伝えたり、サッカーの話をしたり、色々な話をしていきたいと思ってやり始めました。
ヒデ:それが「生きた教科書」になっていく。
息子のこと「頑張るようになったのが嬉しい」
鬼頭:息子さんもサッカーをやってらっしゃるんですね。関西に帰る時は一緒にされるんですか?
乾:はい。月1、2回は帰るんですけど、その時は「ボール蹴ろうよ~」と言ってくれるのでボール蹴っています。
ヒデ:息子さんの技術はどうですか?
乾:普通に見ても下手ですよ! けど、頑張るようになったので嬉しいです。
ヒデ:そこなんだよね。昨日よりもちょっと成長している、久々に会ったらできている、これが嬉しいんだよね。
鬼頭:お父さんは憧れなんだろうね。
自分へのご褒美は?
鬼頭:自分へのご褒美はしましたか?
乾:基本的にあまり変わらないんですけど、試合の日は地元の友達が見に来てくれていて、終わってから飲んだりとか、ゴルフに行ったりとか。
ヒデ:あー!知ってるよ。楽しそうに。沙保里も行っていたでしょ!
鬼頭:(元レスリング選手の)吉田沙保里さんですか!
ヒデ:沙保里は何でもできるんだから!
乾:本当に何でもできます!女性の割には飛びますし。
ヒデ:3日あったらR1とるよ。
J1昇格を逃した1年前のロッカールーム
鬼頭:秋葉監督もホッとしたでしょうね。
乾:去年の東京ヴェルディ戦の後は特に…。俺は流石にあれを見ちゃっていたので色々なことが辛かったですね。
ヒデ:貴士の目線に入った秋葉監督はどんな感じだった?
乾:去年の最後のプレーオフの引き分けで、最後ロッカーで秋葉さんが喋り終わった後、1人でちょっと離れて、したこともない絶叫をしていました。次の日とか会っても、本当にあの秋葉さんが元気なくて、「こうなるんやな」って辛かったですね。
ヒデ:プレーヤーとして、あの監督を漢にしてやろうというのもあったでしょう。
乾:ありましたね。俺は試合に使ってもらえるようになったのは清水エスパルスに来て、秋葉さんのおかげなんです。出られなくなった時にポジションを変えてもらえて、自分のやりたいポジションをやらせてもらえるようになって、自由にやれて。わがままも言いますけど受け入れてくれる監督なのでね。
ヒデ:秋葉さんはいつでも絶対に「一番は貴士だ」と言うもんね。2人の関係性はしっかりできているんだね。
「で、来季は?」
鬼頭:さっき次の目標は「来シーズンはJ1でシャーレを掲げること」と仰ったのがうれしかった…。来シーズンも乾さんはエスパルスにいるんですね?
ヒデ:流石ですね(笑)
乾:名探偵ですね(笑)
ヒデ:こういうデリケートな話はさ…(笑)相手チームが戦術を考え始めたら面倒くさいから…(笑)。でも、どうなんですか?
乾:言ってもいいんですか、これは(笑)
ヒデ:ここはお楽しみにということで…(笑)
乾:年末まで待っといてください(笑)
サポーターへ感謝の言葉
鬼頭:メッセージ来ていますよ。「引退まで清水にいてください」。
ヒデ:楽しいサッカーをずっと見せてほしいな~。
乾:そうですよね。でもそれがいつまでできるか分からないですからね。限界はどこかで来るし、若い選手も絶対出てくるので。それにできるだけ負けないように頑張っていきたいなと思います。
ヒデ:目の肥えたスペイン人たちが貴士のプレーで「わぁ!」っと湧くのが誇りなんだから。今はオレンジのユニフォームを着て挑んでいるというのは嬉しい限りです。
鬼頭:最後にサポーターにメッセージを。
乾:去年と一昨年に悔しい思いをさせてしまいましたが、ファンの方々は最後まで僕たちを信じて去年以上の応援を続けてくださったので、本当に自分たちの力になりました。来年もそれを続けていただけたら嬉しいなと思います。自分は基本いると思うので…(笑)
ヒデ:では最後、ラジオの皆さんに一言お願いします。
乾:このラジオ、凄い楽しいので、ぜひ毎週聴いてください!