フリーランスでやっていく! 私の仕事復帰の形。大切なのは夫婦間の話し合い
39歳で妊娠、40歳で男児を出産。現在は、5歳になる子どもを保育園に預けながら、在宅でライティングの仕事をしている“たかこ”です。正社員で働いていた弱小の編集プロダクションが事業を縮小し、3人いた従業員をすべて解雇したため、流されるままに在宅デビューとなりました。ただ、ちょうど妊娠が分かった時期。不正出血などもあり、自宅静養ができてタイミングがよかったともいえます。
私を「リストラします」と取引先に告げる社長…
退職が決まり、取引先にご挨拶に行ったとき、当時の社長が言った言葉は今でも覚えています。
「この度、●●さん(私)をリストラすることになりました」。
そう告げる社長に、目を見開いて驚くお客様。まるで、聞いてはいけないことを聞いてしまった人の反応でした。私も心の中で、「え~! それでは、まるで私が懲戒免職のようではないですか?」と叫んでいました。
すぐに誤解は解け、不憫に思ってくださったのか、長年のお付き合いがあったからか、取引先からは「退職しても、わが社の仕事を個人でやってほしい」と言っていただけました。
とはいえ、それだけでは収入としては少なすぎます。編集者として、ライターさんたちと仕事をしてきた経験から、フリーランスの大変さもわかっています。
幸い、業績不振による解雇のため、翌月から失業保険が支給されるとのこと。正社員としての再就職を目標にしながらの、就職活動&妊婦生活となりました。
なお、在宅ワークはわずかな収入でしたので、ハローワークに事情を説明。収入を報告することで、収入分を差し引いた失業手当を受け取ることができました。
妊娠期間は、貴重なスキルアップの時間だった
とはいえ、妊婦の再就職活動など、うまくいくはずもありません。誰もが、「いつ入社して、いつから働けるの?」と思うでしょう。私も、思いました。当然ながら、送った履歴書に対する返事は1つもありませんでした。
そこで、就職活動と並行して、いろいろ勉強をしようと思いました。なにせ、面接まで進めないため、暇だったのです。ライティングの勉強や読書など、思いつくことをいろいろしました。
ちなみに、失業保険は病気や出産などの事情で就職活動ができない場合、受給期間の延長を申請でき、出産後、働けるようになった時に再び就職活動を始めると受け取ることができるようになります。これもありがたいことに感じました。
一度も面接に進めないまま出産を迎え、出産後に就活を再開するも全滅。保活にも失敗した春先、ついに再就職を諦めました。ライティングの勉強会に参加した事務所から、継続的な仕事がもらえるようになったためです。
わずかな収入ではありますが、求職中では保育園に預けることもできないため、フリーランスデビューを選びました。
共働きには、自分の仕事への誇りと話し合いが不可欠
日中は、一時保育や自治体のファミリーサポートを活用しながら仕事をしました。幸いにも小規模保育園に入園が決まり、仕事量を増やしていくことができました。すると、気になるのは“子どもの緊急時の対応”です。
収入が低いときは、子どもが保育園を休むことになった場合は、私が仕事を調整して対応していました。夫も、「世間と繋がっておくために、保育園費用が稼げればいいんじゃない?」というスタンス。
しかし、縁あってお仕事が広がると、取材などの「絶対休めない仕事」が入ってきます。一方で、徐々に収入が増えてきたため、夫にも胸を張って協力要請ができるようになりました。
なにせ、我が家は夫が会社員のため、毎月の定期収入がありますが、年俸制とみなし残業制度のせいで、夫の収入が増える要素がありません。わが家の可処分所得の増加は、私の収入次第なのです。
夫もそれを理解してくれ、絶対に私が休めない日は、仕事を調整して突発的な事態に対応できる体制をとってくれました。もともと協力的な夫だったのも大きいとは思いますが、金銭的なメリット・デメリットなどをきちんと提示して話し合うことで、協力体制を構築できたと思っています。
最初は、保育園の送迎に戸惑い気味だった夫でしたが、とにかくやらせてしまうと、自分なりに覚えていきました。息子にも、レアなパパ送迎を楽しいことと思わせるように仕向けましたが、他の園児もレアパパの登場に大盛り上がりするため、夫も楽しいようです。何より、保育園の話をするときに、子どもの顔と名前が一致するので、共通認識を持って話ができるのがいいです。
一つ気を付けていることがあるとすると、必ず、お礼を言い合うこと。そして、「このお仕事でいくらになりました」と報告して、成果を実感し合っています。
[たかこ * プロフィール]
編集プロダクションに勤めたのち、出産を機にフリーのライターへ。旅行と食べることが大好き。整理整頓が苦手な40歳の高齢出産、高齢ママとして、仕事と子育てに追われる毎日です。夢は、息子が小学生になったらアメリカのサマースクールに預けて、私一人で南米旅行! ただ今、一生懸命貯金中。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。