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知ってた?北海道ならではの「おせち」に関する豆知識

北海道Likers

出典: kasayon / PIXTA(ピクスタ)

2024年も残りあとわずか。すぐそこはもう新年ですね。

お正月といえば、おせち! 重箱にいろんな食材が入っていて、見て、食べて、年が明けたなぁと実感できるお正月ならではの料理ですよね。

今回は、過去にご紹介した『北海道Likers』の記事のなかから、“北海道のおせちに関する豆知識”をご紹介します。

1:北海道ではお正月におせちを食べない?

画像: さるとびサスケ / PIXTA(ピクスタ)

いきなり驚くようなことをいってしまいますが、実は“おせち”、本来は年末に食べるものであって年明けに食べるという目的で誕生はしていないそう。

本来おせちは、年とりの膳として大晦日にいただくものだったんだとか。お餅も暮れの30日までについたものを神前に供えておき、それを大晦日にいただくとのこと。

家族同士の共食よりも、神様と人間とが共に食する「神人共食」の観念が強く関係していたそうです。

しかし、高度経済成長期を機にお正月は、本来の目的とされていた“正月の神様”を迎えるという意味から、“お祝い”の意へと移り変わっていったんだそう。

都市生活者のライフスタイルにあわせるためや、農村部にあっても都会で暮らす子どもたちの帰省にあわせたこともあってか、年とりの膳よりも三が日をにぎやかに祝うことに重点が置かれるようになったようです。

画像: freeangle / PIXTA(ピクスタ)

『紀文株式会社』が行ったお正月に関するアンケート調査によると、12月31日におせちを喫食した都道府県別の割合は、北海道や青森県において約6割〜8割と高い値が出ていたのに対し、それ以外の地域では約1割〜2割という低い結果となりました。

筆者が調べてみたところ、年末におせちを喫食する文化は北海道や東北地方で多いそう。特に北海道は“七夕祭り”や“お盆”も旧暦で祝うことがあるため、その名残でお正月も旧暦で祝うのではないのでしょうか。

ちなみに、大晦日の晩は旧暦だと既に正月になっています。

2:北海道ならではのおせち料理

北海道ならではのおせち料理(1)飯寿司

画像:YUMIK / PIXTA(ピクスタ)

『飯寿司(いずし)』は魚と野菜を米麹に漬けて発酵させた、北海道の郷土料理です。使われる魚はホッケやシャケ、ハタハタ、ニシン、サンマなど。昔は冬の保存食として各家庭で作られており、お正月にも食べられていました。

画像:gontabunta / PIXTA(ピクスタ)

現在はスーパーやデパートなどでも購入でき、おせち料理のひとつとして用意する家庭もあります。

北海道ならではのおせち料理(2)松前漬け

画像:flyingv / PIXTA(ピクスタ)

『松前漬け』は、乾燥させたスルメイカと昆布を細切りにして、醤油やみりんなどの調味料に漬け込んだ北海道の郷土料理です。ほかに数の子やにんじん、柚子などを加えることもあります。名前の通り、松前町など道南地域が発祥とされているそう。

画像:gontabunta / PIXTA(ピクスタ)

味は醤油がベースですが、甘みもしっかりとあります。昆布は粘り気が出ていて、スルメイカとのうまみの相乗効果がすばらしい! 筆者の家ではお歳暮でいただくことが多く、数の子が入っているものをよく食べます。数の子のプチプチ感はたまりません!

北海道ならではのおせち料理(3)昆布巻き

画像:マーボー / PIXTA(ピクスタ)

『昆布巻き』はサケやニシンなどを昆布で巻き、かんぴょうで結び、醤油や砂糖で煮た料理です。全国的にも食べられているおせち料理ですが、昆布漁がさかんだった江戸時代に北海道の名産であるサケやニシンと合わせた『昆布巻き』が作られ、北海道の郷土料理となったようです。やわらかい日高昆布は、昆布巻きを作るのに向いているんだそう。

画像:kouta / PIXTA(ピクスタ)

昆布は縁起のいい食べ物であることから、おせち料理にも使われます。たとえば“よろこぶ”の語呂合わせ。漢字で書くと“養老昆布”となり、長寿も意味します。さらに“子生”と書いて“こぶ”と読んだり、昆布のなかに入れるニシンを“二親”と読ませたりして、子孫繁栄にもつながっているようです。

北海道Likers編集部のひとこと
北海道のおせちは、メニューだけでなく、食べるタイミングにも本州との違いがあるのは、文化の違いとして面白いですよね。おせちを食べる際には、ぜひ豆知識を思い出してみてくださいね!

文/つるたく、aoikara 編集/北海道Likers編集部

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