「渓流タックルでブリと格闘!」三浦半島カヤックフィッシングでイナダが連発【神奈川】
5月中旬、相模湾に面する三浦の浜からホビーカヤック・アウトバックで出艇しました。ベタ凪でベイトが豊富という好条件に恵まれ、遊び心最優先のタックルながら、釣果も充実したカヤックフィッシングの様子をレポートいたします。
三浦半島でカヤックフィッシング
5月中旬、相模湾に面する三浦の浜からホビーカヤック・アウトバックで出艇してカヤックフィッシングを楽しみました。
大量のイワシやコサバが回遊しているとの情報を得ていた三浦エリア。実際、出艇してすぐの浅場でも水面を跳ねる小魚の姿が見え、水深30m付近まで漕ぐと、魚探には広範囲に魚群が映っていました。
渓流用ベイトタックルで挑戦
ここでイタズラ心が芽生え、サバの引きを最大限に楽しむべく、渓流用のベイトフィネスタックルを試してみることにしました。対象魚は渓流魚ではありませんが、本日は入魂狙いの新タックルということもあり、ワクワクしながらセッティングを進めます。
隣人とのオマツリなどを気にせず、時間をかけてファイトできるのがカヤックフィッシングの大きな魅力。今回はそのメリットを最大限に生かして楽しんでいきます。実はこうした場面を想定して、カヤックのハッチ内にはあらかじめパックロッドを忍ばせておいたのです。
当日のタックル
今回使用したロッドは、テンリュウ製のネイティブトラウト用4ピースパックロッド「レイズ・インテグラルRZI484B-L」。リールはカルカッタコンクエストBFS XG、ラインはPE0.8号、リーダーにはシーガー・グランドマックスFX 2.5号を組み合わせています。
自己責任仕様
フロロ専用リールにPEラインを巻き、ルアーウェイト8gまでのロッドで20gのルアーをキャストするという、完全に自己責任仕様です。万が一のトラブルがあっても、文句は言えないセッティングですね。決して参考にはできない組み合わせかもしれません。
ジグサビキで40cm級サバ
おもむろにジグサビキを落としてみたところ、幸先よく40cm近いサバが2連続でヒットしました。サバはよく走るため、良型ともなれば釣っても面白い好ファイターですよね。
ナブラ発生で青物接近
渓流タックルを片手に、良型サバを求めて気ままに付近を流していると、ふいに海面がバシャバシャと騒がしくなり、あちらこちらでナブラが発生しました。
水面から飛び出す姿を見ると、間違いなくブリ系の青物です。一瞬、通常のタックルに持ち替えようかと迷いましたが、引き続き渓流タックルの使用を敢行します。大物がヒットした際に取り込めるかどうか、一抹の不安を抱きつつも、小型のミノーをキャストしました。
ミノーにヒット!
ナブラに向かってキャストし、ミノーをジャークさせつつ、おそるおそるリトリーブしてくると、突如グンッとロッドがしなり、一気にラインが引き出されていきました。何度もロッドティップを海中に引き込まれながら、ドラグを駆使して慎重にやり取りを続けます。
ロッドが折れるような気配こそ感じないものの、魚はなかなか浮き上がってきません。
40cm超えオオモンハタ登場
慎重に10分以上かけてのファイトの末、ようやく姿を現したのは良型のオオモンハタでした。釣れた状況からてっきり青物だと思い込んでいたため、魚体を見た瞬間には驚いてしまいました。
根魚・ロックフィッシュのイメージが強いオオモンハタですが、実際には想像以上に泳ぎ回る魚で、まれにトップウォーターにすらヒットすることがあるそうです。今回の釣果で、それを実感することができました。
トップに50cm超えイナダ!
エンジン音がしないカヤックは魚に警戒心を与えにくく、ナブラは相変わらず盛大に続いていました。トップウォータープラグにチェンジし、水面で音と泡を出しながら、速めのただ巻きで逃げ惑う小魚を演出してみます。
すると、2キャスト目で狙い通りに青物が襲いかかってきました。
オオモンハタ以上に苦戦しながら上がってきたのは、50cmを超えるイナダでした。50cmちょっとのサイズとはいえ、渓流タックルでのイナダはまさにブリ並みのファイト感。とても楽しいひとときとなりました。
さらにイナダを追加
その後は手首が痛くなったため、「普通の」キャスティングロッドに持ち替えて、同サイズのイナダを4匹追加しました。いつもは時間の許す限りカヤックに乗る筆者ですが、この日は珍しく満足してしまい、早めに釣行を終了いたしました。
釣り人向けの日焼け止め
これからの暑い季節、日焼け止めは釣り人にとって欠かせないアイテムです。筆者もいろいろ試してきましたが、最近使っているスティックタイプの日焼け止めが、釣り場でも扱いやすく感じています。
リップクリームのようにくるくると繰り出せる仕様で、手が濡れていたり魚のにおいが気になるときでも、あまり抵抗なく塗り直せるのが便利です。塗り心地もさらっとしていて、真夏の釣りでも不快感が少なく、気に入って使っています。
釣行時に使いやすい日焼け止めを探している方は、スティックタイプを一度試してみるのもおすすめです。
愛用のカヤック『ホビー・アウトバック』
今回の釣行では、本来はカヤックフィッシングに向いていないタックルをあえて使用しましたが、そのぶんホビーカヤック・アウトバックの性能に助けられたと感じています。特に印象に残った2点をご紹介いたします。
方向転換がしやすい
ライトタックルを使用している場合、強引に魚の向きを変えるようなファイトはできません。そのため、自分の後方やカヤックの反対側へ魚がまわり込む状況が発生しやすくなります。
そんなとき、足漕ぎのホビーカヤックは、ラダーを目一杯切ってペダルを踏み込めば、クルクルとカヤックの向きを変えることができ、魚とのやりとりがしやすい角度に調整できます。
魚との位置関係が適切であれば、ロッドの破損やラインブレイクのリスクは大幅に低下します。これこそが、ライトタックル使用時における重要なポイントだと言えるでしょう。
両手がフリーな状態でも方向転換が可能なのは、足漕ぎカヤックならではの大きなメリットです。
安定性抜群の船体
4.8ftという非常に短いロッドを使用する際、シートにどっかりと座ったままでは、バウ(船首)を左右にかわすようなロッド操作ができません。そのため、短いロッドで魚の引きをいなすには、身を乗り出して腕を伸ばす必要があります。
しかし、もともと立って釣りができるほど安定性のあるホビーカヤック・アウトバックであれば、ベタ凪の海でヒザ立ち程度の動きはまったく問題ありません。カヤックの安定性に信頼をおけるからこそ、スリリングなファイトを思う存分楽しむことができたのです。
タックル選びも自由
今回は、ライトタックルでサバに遊んでもらうつもりが、それ以上のパワーを持つゲストたちに恵まれるという、うれしい誤算となりました。また、これまで5号以上のリーダーしか使ってこなかった筆者にとって、2.5号でも十分戦えると実感できたのは大きな収穫です。
もちろん、周囲に釣り人がおらず、根に潜られるリスクも少ないという、カヤックフィッシングならではの好条件があってこその結果ではありますが……。
ともあれ、ライトタックルでのカヤックフィッシングは、心に残る楽しい釣行となりました。あまりにも弱いタックルでラインを切られ、魚にかわいそうな思いをさせないように気を付けながら、ホビーカヤック・アウトバックに乗って、また渓流タックルでの挑戦を楽しんでいきたいと思います。
<福永正博/TSURINEWSライター>