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全国高校剣道選抜大会県予選 男子団体 「王者の剣道」を披露した明豊が9連覇達成 【大分県】

オー!エス!OITA

写真/オー!エス!OITA SPORTS

第22回全国高校剣道選抜大会大分県予選 男子団体

1月26日 クラサス武道スポーツセンター武道場

(決勝リーグ)

明豊3勝(3-0鶴崎、2-0杵築、4-0東九州龍谷)

 

 全国高校剣道選抜大会県予選があり、男子団体戦で明豊が圧倒的な力を見せつけ、9連覇を成し遂げた。予選の2試合、そして決勝リーグの3試合を通して一切の隙を見せず、「王者の剣道」を披露した。岩本貴光監督は「危なげなく戦えた」と選手たちの冷静な戦いぶりを称賛。試合ごとにメンバーのオーダーを変えず、確固たる戦術を貫いたことが、安定した強さの要因だった。「基本的にオーダーをほとんど変えない。それが一番流れをつくりやすい」と語る岩本監督の采配が勝利を導いた。

 

 注目すべきは、次鋒を務めた宮川太良(2年)の活躍だ。すべての試合で確実にポイントを重ね、後続の選手たちに勢いをもたらした。宮川は「自分の持ち味は1本を確実に打ち抜く力強さ。それを試合で発揮することを目標にした」と語る。力強い打突を武器にチームをけん引する姿は、まさに「頼れる次鋒」だった。試合後、宮川は勝利への喜びを口にしつつも、自身のプレーに厳しい評価を下した。「最後の試合では1本を取られてしまった。すぐに2本取り返せたが、県予選で満足してはいけない。全国で全勝してこそ真の実力が証明されると思っている」と、すでに先を見据えている。

 

頼れる次鋒・宮川太良

 

 今回の勝利を支えたのは、年末の厳しい冬稽古だった。1週間にわたり、毎日30分間の「切り返し」を休むことなく徹底し、体力と技術の両面を磨いた。切り返しは剣道の基本稽古でありながら、その効果は計り知れない。足さばき、手首や肩の使い方、踏み込み、そして体幹の安定といったすべての要素を一度に鍛えられる。岩本監督もその成果に手応えを感じている。「選手たちの技のつながりと体幹の安定が格段に向上した。打突後の体勢が崩れないことが他校との違いとして大きく表れた」

 

 明豊は3年ぶりの全国制覇を目指してさらに高みを目指す。岩本監督は選手たちに、「自分の技術を磨き続けることに加え、心を鍛え、自分の力を素直に発揮できるようになってほしい。明豊で剣道に取り組む意味を考えながら、先輩方の背中を追い越してほしい」と思いを伝えた。宮川もその言葉を胸に、自身の役割を果たす覚悟だ。「自分がポイントを取るのはもちろんだが、そのポイントをチームとしてどう守り抜くかが重要」と、個人の活躍だけでなくチーム全体の勝利を考えている。そして、「全国選抜で日本一になり、その後のインターハイでも必ず優勝する」と力強く宣言した。

 

9年連続9回目の優勝に輝いた明豊

 

 

(柚野真也)

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