なぜか人気のローソン×カンロ「味のしない?飴」とは何なのか 甘みはあるけど〝味わい〟皆無...初めての食体験に困惑
食べ物は、なるべく美味しくあってほしい。みなさんもきっと、そう思うはずだ。
しかし、そんな考えと相反しそうな商品が、人気を博しているという。
ローソンでテスト販売されていたカンロの「味のしない?飴」である。
パッケージでは可愛らしい飴のような鳥のような「飴なのに味がしない...? 不思議なキャンディ」とさえずっているが、不思議というより「不可解」である。
味がしない飴とは? どうして? なんのために? 食べ物としてどうなの? 疑問でいっぱいになるが、X上では
「味のしない飴独特の臭み?も無いし、ほんのーり甘い『無』の飴で面白い! これ私すごい好きかもしれんもっと欲しい」 「カンロさんの味のしない飴、好き... ダイエット中の口寂しい時にめちゃくちゃいい〜」 「味のしない飴前にも食べたことあるんだけど好きなんだよねー 再販してて嬉しい〜」 「味のしない?飴がかなり好みで美味しかった」
など好評も寄せられ、「美味しかった」という人もいる。味が、しないのに......?
この飴は一体、何なのか。Jタウンネット記者は2025年6月11日、「味のしない?飴」をテスト販売していたローソンに詳しい話を聞いた。
「ありそうでなかった商品」として
取材に応じたローソン広報部の担当者によると、「味のしない?飴」が最初に世に出たのは、2022年10月25日~11月7日の期間で開催された、食品メーカー7社による「テスト販売」のイベント。
同イベントで「ありそうであまりなかった商品」をテーマにラインアップされた7商品のうちの1つとして、カンロから発売された。
「甘いものが苦手な方、口さびしいけど飴は糖類が気になる方、香りを気にせずお口を潤したい方などにとって、味のしない飴の需要があるかどうかをテストしておりました」(広報担当者)
原材料として記載されているのは「食物繊維(ポリデキストロース)」と「エリスリトール」の2つだけ。ポリデキストロースは、大塚製薬の「ファイブミニ」にも含まれている水溶性食物繊維で、エリスリトールはカロリーゼロの人工甘味料(糖アルコール)だ。
編集部でも食べてみたところ、「味のしない飴」といっても、舌では少し甘みを感じる。ただ、「甘い味がする」というよりも「舌が甘みという刺激を受けている」という感覚。風味や香りなどが皆無で、〝味わい〟はない、という印象だ。
一般的な飴の場合、口の中がもったりしたりスッキリしたりすることがあるが、この飴はただただ「口の中に存在している」という感じ。そして、徐々に小さくなり、最終的に消滅する。味が広がらないので、口の中で溶けていっている、という感じがしない。なんだこれ......。
そんな「味のしない?飴」はテスト販売で非常に人気だった。キャンペーンサイトで人気投票を実施したところ、1位を獲得したのだ。
当時の結果発表では、開発担当者が受賞コメントとして「正直、まずい!とお叱りを受けるかもしれないとビクビク不安だったのですが、多くの方に良い評価をしていただけたことに、とても驚いています」と述べていた。
多くの人からの好評を得たことで、ローソンでは2023年7月に「味のしない?飴」のブラッシュアップ版を発売。一度販売が終了したものの、2024年11月26日に再び「テスト品」として発売してきたという。
こうした幾度かのテスト販売をする中で、顧客から「のど飴の機能がついたらよいのに」という声が寄せられ、2025年1月には「カンロノンシュガー ゼロフリーのど飴」を発売。さらに5月からはコンパクトサイズの「ノンシュガー味のしない?のど飴」として再販売している。
2025年6月現在、テスト品としての「味のしない?飴」の生産は終了しているが、一部店舗では販売されている場合もあるという。
X上でもあるXユーザーが商品を紹介したところ、21万件を超えるいいねが寄せられるなど、再度大きな注目を浴びることとなった。
こうした反響に対し、同広報担当者は「発売から時間が経っているにも関わらず話題にしていただきありがたいです。『味のしない?飴』に価値を感じていただけて嬉しいです」
と語り、こう続けた。
「特に決まった条件はありませんが、好評をいただければレギュラー商品になる可能性が高まります」(同担当者)
気になる人は、ローソンを探し回ってみては?