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初心者向けアユルアーの始め方完全ガイド 必要な道具と釣り方・ルールを徹底解説

TSURINEWS

アユルアーでキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版・編集部)

ここ数年で一気に人気が出てきたアユルアー。アユを釣るには、日本古来の伝統釣法であるトモ釣りがほとんどだが、そこに一石を投じたのがこのアユルアーだ。オトリの代わりにルアーを使い、野アユを掛けていく。アユ解禁特集第2弾は、このアユルアーに焦点を当ててみたい。

アユ釣りの新世界へ

アユはナワバリ意識が非常に強い魚だ。まだ小さい間は群れで行動することが多いが、石に付着したコケを食(は)むようになると、ナワバリを持つようになる。根魚でもそうだが、ナワバリを持つとそこに侵入してきた魚を激しく追い払うようになる。

この習性を利用したのがトモ釣りだ。掛けバリを仕込んだオトリアユをナワバリに侵入させ、追い払いにきた野アユを引っ掛けるのだ。

アユルアーという新しい選択肢

このオトリの代わりにルアーを使うのがアユルアーなのだ。アユに模したミノーを使い、野アユのナワバリ内で泳がせて攻撃してきた野アユを掛けていく。

アユルアーでヒット(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

前週特集を執筆した渡邉敦さんの言葉を借りると、「トモ釣りは生きたルアーを使った釣り」。タックルやオトリは違えど、ナワバリ意識を利用したゲーム性の高さは同じというわけだ。

その大きな違いとして、ルアーマンが現在使用しているタックルを、そのまま流用できる点にある。バスアングラーなら、ライトアクションのバスロッドを、ライトソルト愛好者ならアジングロッドやエギングロッド、少し硬めのメバリングロッドなど。

つまりトモ釣り入門に最大の障壁となっている高額すぎるタックルが、ここでクリアされているわけだ。もちろんアユタイツやアユタビ、ベストなどは必要になるが、それでもコストをかなり抑えられるというのは、これ以上ないメリットだろう。

タックル

前述の通り、バスロッドやアジングロッドの流用が効く。専用のロッドも発売されているが、取りあえず始める……というのであれば、他のタックルの流用がお勧めだ。

アユルアーのタックル(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

長さは7~9ft。規模の大きな河川であれば、9ft前後のやや長め、小規模河川であれば6ft台後半から7ftの短めのものが使いやすい。

ラグゼ舞香(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

アクションはライト~ミディアムアクション。スピニングでもベイトでもいいが、キャストしやすい方を選びたい。ラインはPEラインの0.2~0.4号。ちょっと細すぎるんじゃ……と思われるかもしれないが、流れのある川での釣りは、水流抵抗を受けにくい細ラインがお勧めだ。

リーダーはフロロカーボンライン1~1.5号を1ヒロほど。これにスナップを付け、アユルアーをセットすればOKだ。

風が強い日にPEラインを使うとトラブルの原因になるので、フロロカーボンライン通しでもOK。太さは3~6lbだ。

ルアー

ルアーに関しては、アユルアー用ミノーなるものが発売されているが、もちろんシーバス用やネイティブトラウト用のミノーも十分使える。専用ルアーには肛門部分にハリス止めが付いており、そこに掛けバリの付いたハリスをセットする。

水深や流速で使い分ける(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

シーバス用やトラウト用にはハリス止めは付いていないので、極小スナップでハリスをフロントに付ける。肛門部分にアイはないので、ハリスの長さには気を付けたい。

専用のものが発売されている(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

掛けバリはトモ釣り用だが、3本イカリ、4本イカリを状況に応じて使い分ける。

その他の装備

まずアユタイツ。トモ釣りもアユルアーも、川に立ち込んで釣ることがほとんど。そのため水の抵抗を受けにくい、下半身にフィットしたものを着用したい。

アユタビは底がフェルトになっており、コケの生えた石の上を歩いても滑りにくい。渓流用のフェルトスパイクブーツでも代用OK。タイツとタビの2点は、川に立ち込む際に必ず必要なアイテム。

そしてベスト。アユ用のそれより、ルアーのケースが2~3個収納できるポケットが大きなものがお勧め。背中にネットを背負えるものならなお良い。もし背中にネットを装着できないものであれば、アユベルトを装着しそこに挟み込んでもいい。

初期は群れアユが多い(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ネットはアユ用のものでなくでも、渓流用のコンパクトなものが使いやすい。

他に必要なものは引き舟。「オトリを使わないのに引き舟はいらんでしょ……」と聞かれそうだが、釣ったアユを生かしておくために必要だ。

これから暑くなる季節、ビクに入れておくと、釣ったアユがすぐに傷んでしまう。釣っていちいちクーラーに収めに行くのも面倒なため、引き舟があれば非常に便利だ。

装備はトモ釣りと似ている

ここまで書けば、お気づきの人もいるかと思うが、タックル以外の装備はほとんどトモ釣りと変わりない。トモ釣りに比べて必要ないものといえば、オトリ缶ぐらいのものか。

さらに帽子、偏光グラス、腰にぶら下げるペットボトルホルダーなど。これから日差しがきつくなる季節を迎えるため、これらの装備は必須になってくる。

入漁券を購入しよう

渓流釣りをしている人なら当然のことだが、川で釣りをするにはその川を管轄している漁協が発行している入漁券を購入する必要がある。

だがその前に、その川でアユルアーができるのかどうか……という確認を必ずしておこう。まだまだ始まったばかりのアユルアー、中部エリアでも受け入れていない河川もまだ多くある。

入漁券は地元のコンビニや釣具店で購入できるが、最近はつりチケやフィッシュパスなどの電子遊漁券を扱っている漁協も増えているので、いちいち購入しに行かなくても良くなった。釣行する河川が決まったら、必ずその河川の入漁券を購入しよう。

ポイントの見つけ方

トップトーナメンターの渡邉敦氏も書いているが、川に着いたら慌ててサオを出すのではなく、橋の上や土手からじっくり川を観察しよう。ピカピカに磨かれた石があれば、アユがコケを食(は)んでいる証拠。その周りには間違いなくナワバリ意識の強いアユがいる。

日中は瀬に出てくる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

また初期は群れアユになっていることもあるので、群れで動くアユを見つけたら迷わずサオを出そう。

アユルアーの基本操作

このアユルアー、とにもかくにも、ルアーを野アユのナワバリに侵入させることが絶対条件となる。ルアーは生きたオトリのように、流れに逆らって泳いではくれないので、基本的にダウンの釣りになる。

ダウンとは、川でルアーフィッシングをする場合、自分の立ち位置から下流方向へ投げるのをダウン、もしくはダウンクロス、流れに直角に投げるのをクロス、自分より上流に投げることをアップ、またはアップクロスという。

基本的にダウンの釣りになる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

アユルアーは基本的にダウン、もしくはダウンクロスの釣りだ。ビギナーが最もとっつきやすい釣り方は、攻めるポイントを定めたらその上流に立ち、流れに乗せてルアーを送り込む。

ここぞという所でルアーを止めると、流れを受けて自然に泳いでくれる。そして時折ティップを下げたり軽くシェイクを入れたりして、ルアーがいかにもコケを食(は)んでいる様子を演出してやるのだ。

あるいは立ち位置からクロス、ダウンクロスにキャストして、そのままラインを止めて待つとルアーは扇状に泳いで、自分の下流側に定位する。この扇状の分だけ、広範囲を探ることができるわけだ。

偏光グラスは必須

この釣りでの必須アイテムが偏光グラス。確実に狙ったポイントにルアーを送り込むためには、自分のルアーが今どこにあるのか確認する必要がある。また川で泳ぐ野アユの位置をしっかり見極めることも大事。何がなくとも、偏光だけは持参するようにしたい。

トモ釣りと同じく引き抜く(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

アタリの取り方とファイトのコツ

アタリは手元にガツンとくることが多いが、アワセは不要。トモ釣り用の掛けバリは、驚くほど刺さりが良いし早い。背掛かりなんかすると、ラインをひったくっていくほど強烈なアタリを見せることもある。

トモ釣りと違い、アユルアーにはリールのドラグという武器がある。あまり強引に巻くと身切れしてしまうので、しっかりロッドでためドラグを駆使して、ネットで取り込むようにしよう。

アタリがなければとにかく移動だ。ナワバリを持つアユを、こちらから探しに行く。ここぞという所では粘るのもありだが、基本はラン&ガンを心がけよう。

アユ釣りのマナーとルール

まだまだ始まったばかりのアユルアー。トモ釣りはしたことないけど、ライトソルトやバスをしている人には特に始めてほしい。ただ海には海のルールがあるように、川には川のルールがある。

してやったりの背掛かり(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

まずトモ釣り師がいたら、最低でも20mは距離を空けてポイントに入ること。先行者が釣り上っているのか、釣り下っているのかをしっかり確認して、その先には入らないなど。もし分からなければ釣行する漁協や量販釣具店に問い合わせてみよう。

特に釣り人口の減少が叫ばれるアユ釣り。その未来において、アユルアーもトモ釣りも共存共栄していくことを願わずにはいられない。

<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2025年6月6日号に掲載された記事を再編集したものになります。

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