日本代表不動のセンター、ジョシュ・ホーキンソン〈Bリーグスター選手ガイド⑧〉【バスケ】
Bリーグスターガイド⑧ ジョシュ・ホーキンソン
今シーズン、開幕9年目を迎えたBリーグ。今夏行われたパリ五輪での日本代表の奮闘ぶりも記憶に新しく、現在では強豪チームの試合でチケット争奪戦が行われるなど、絶大な人気を誇っている。そこで『ラブすぽ』では「今年からBリーグを見よう!」と考えている読者のために、「この選手は押さえておこう」という、Bリーグのスター選手を厳選してご紹介する!
ジョシュ・ホーキンソン
サンロッカーズ渋谷
背番号:8
バスケットボールというスポーツは、他の球技と比較しても「高さ」がモノを言うスポーツだ。ゴールが記録されるリングが地上305センチ(10フィート)に設置されており、NBA選手の平均身長は約199.4センチ(※2023‐24シーズン開幕ロスター選手が対象)。そのため、欧米人と比較して身長が低い日本人には「不利なスポーツ」とされてきた。
近年はレイカーズでプレーする八村塁選手(203センチ)、昨シーズンまでNBAでプレーした渡邊雄太選手(206センチ)のように「大きくて動ける」日本人プレーヤーも生まれるようになったが、それでも国際舞台ではまだ身長を含めたフレーム面で他国に及ばないケースが多い。
特に、身長とフィジカルが重視されるパワーフォワード、センターのポジションは長年日本のウィークポイントとされてきた。2メートルを優に超える「ビッグマン」は、日本ではなかなか育ちにくい。そんな状況で救世主となったのが、2023年に日本国籍を取得したアメリカ生まれのジョシュ・ホーキンソンだ。日本代表不動のセンターとして、2023年のワールドカップ、2024年パリ五輪にも出場。大柄な外国勢にも負けない強いフィジカルを武器に日本代表を支えている。
ホーキンソンはアメリカ・シアトル生まれ。幼少期はバスケと野球の二刀流選手としてプレーし、当時のアイドルはシアトル・マリナーズに所属したイチロー選手だったという。高校3年時にヒジの故障で野球を断念してバスケに専念すると、大学卒業後、憧れだったイチローの母国でもある日本でのプレーを選択。
トライアウトを経て2017‐18シーズンからファイティングイーグルス名古屋に所属した。その後、信州ブレーブウォリアーズを経て2023‐24シーズンにサンロッカーズ渋谷に移籍。54試合に出場し、1試合平均17.0得点、8.1リバウンド、2.4アシスト、1.3ブロックの好スタッツをマーク。
来日以降はコンスタントに平均10点代後半の得点、10前後のリバウンドを記録していることからも分かるように、攻守で安定したプレーを見せる「オールラウンダーのビッグマン」。高さとフィジカルを活かしたゴール下での献身的なプレーだけでなく、3ポイントシュートも高確率で沈め、昨シーズンの成功率は実に41.2%(153本中63本成功)。
味方を活かすスクリーンや、日本代表のトム・ホーバスヘッドコーチも絶賛するパスセンスも兼備するなど、208センチのビッグマンでありながら万能型のプレーヤーとしてBリーグ、日本代表で存在感を発揮している。
日本代表では昨シーズンまで川﨑ブレイブサンダースでプレーしていたBリーグ初代得点王のニック・ファジーカス(2018年に日本国籍を取得)が代表のセンターを務めてたが、ファジーカス選手も昨シーズン限りで現役を引退。その「穴埋め」は喫緊の課題だったが、ホーキンソン選手の出現によって見事に解決することになった。
また、日本語も堪能でバラエティ番組の出演なども多く、人気・知名度は代表でもトップクラス。今季も開幕からSR渋谷不動のセンターとして出場を続け、4戦目の秋田ノーザンハピネッツ戦では20得点14リバウンドの「ダブルダブル」をマークするなど、変わらぬプレーでブースターを魅了し続けている。
文・花田雪