時宗総本山遊行寺 開山700年の節目祝う 「呑海忌」に市民ら多数
時宗総本山遊行寺(西富)が開山700年を迎えた。その節目となる「春の開山忌」(呑海忌)が17日と18日に執り行われた。同寺を創建した遊行4代・呑海上人をしのぶ忌日法要で、盆踊りの起源とされる「踊り念仏」の奉納や伝統衣装を身にまとった子どもが練り歩く稚児行列などを一目見ようと、両日とも多くの市民らが境内を訪れ、新たな門出を祝福した。
遊行寺は鎌倉時代後期の1325年、呑海上人が開山した。正式な寺名は「藤澤山無量光院清浄光寺」だが、全国を旅して布教する遊行上人が住む寺として「遊行寺」の名で親しまれている。
昨春の開山700年開白法要を皮切りに、独創的な催しが行われ、呑海忌の結願法要で一区切りがついた同寺。宗祖の一遍上人から受け継がれた遊行上人を務める75代・一浄上人は「守られてきた伝統を改めて大事にしなければならない。人々の心がつながる場になるよう”誠を尽くす”を信条に努めていきたい」と決意を新たにした。
今年の呑海忌を機に、初めて同寺に訪れる人も多いなか、熱心にカメラのシャッターを切っていた60代男性は「よく来ているけれど、境内がきれいになっていて驚いた。これからも身近な憩いの場として通い続けていきたい」と笑顔で語った。