ノーベル賞受賞吉野さん 高校生と意見交換 カルッツかわさきで
川崎市立高校5校(川崎、幸、川崎総合科学、橘、高津)の生徒とノーベル化学賞を受賞した旭化成名誉フェローの吉野彰さんが意見交換を行った「市制100周年記念シンポジウム〜川崎臨海部の未来を考える〜」がこのほど、カルッツかわさき(川崎区富士見)で開催された。
川崎臨海部の認知度向上と、生徒たちのキャリア形成の一助にしてもらおうと、市と市教育委員会が企画。約1700人の生徒が参加した。
「今までの人生で感謝している人」の生徒の問いに、吉野さんは小学校3、4年生の担任教諭を挙げ「将来を決めるきっかけになった」と述べた。研究で壁にぶつかった時には、高校時代のマラソンで経験したランナーズハイ(辛くても、ある瞬間から楽しくなる)を思い出すとも語った。
吉野さんはまた、「常識にこだわらないこと」や「今が将来のための絶好のチャンスにいる」と強調。吉野さんが子どものころに訪れた大阪万博についても言及し、当時は携帯電話はなかったが、それから25年後にコードレスホンが発明されたとし、「今回の万博が2050年の世界を見る良いきっかけになる」とも語った。
市立高校5校の生徒たちによる自主研究発表では、各校それぞれが環境やIoT、川崎の未来像をテーマに調べ上げたことを紹介。吉野さんによる「リチウムイオン電池が拓く未来社会」と題した講演も行われた。