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富士山でルール逸脱して遭難 救助費の自己負担に「法律の壁」 知事は「議論の余地ある」

Shizuoka

■富士宮の市長は自己負担を提案 知事は「国のマター」

富士山のお膝元・富士宮市の市長が提案した「遭難救助」について、静岡県の鈴木康友知事は「法律の壁」を挙げた。国の問題としながらも、「ルールを逸脱した場合の費用の問題は議論の余地がある」と私見を述べた。

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富士山をめぐっては、閉山期間の登山が問題となっている。4月にも東京都に住む中国籍の大学生が富士山8合目付近で動けなくなって救助を要請した。

この大学生は5日前にも富士山の登山中に救助されていた。最初に登った際は「アイゼンをなくして下山できない」と助けを求め、2度目は「1度目に登った時に置き忘れた携帯電話を取りに行くために再び富士山に向かった」と説明したという。

このように、冬季の閉山期間に登山をして救助要請する人が後を絶たないことから、富士宮市の須藤秀忠市長は5月9日の定例会見で「二重遭難になる危険もある中で、税金を使って救助隊が命がけで救助している。安易に登った人は自己責任。救助にかかる費用の一定割合を自己負担にすべきだと思う」と提案した。そして、県に法整備を働きかけるとも話した。

これを受け、静岡県の鈴木康友市長は13日の定例会見で「開山前の登山については天候も非常に厳しい時期ですし、登山道の安全も確認できていない。山小屋も閉鎖されているので、緊急の際の避難場所もない。非常に危険。無理な登山は、くれぐれも行わないように広く周知していきたい」と話して。そして、閉山期間に遭難した際の救助費用については、こう語った。

「富士山も対象だが、全国的に色んな事案がある。ただ、法律では救難救助は無償で行うことになっている。国全体に関わる問題なので、国において課題を整理していただいて、ルールを無視した際の遭難救助費用の負担の在り方は国の方でしっかりと検討していただくのが良いと思っている」

冬の閉山期間の登山は危険が伴う富士山

■「程度や状況にもよるが、費用の問題は議論の余地ある」

鈴木知事は静岡県だけが動いても現状を変えるのは難しく、全国知事会などの大きな組織や団体から国に要請する必要性を指摘した。救助要請の費用を静岡県内のみ自己負担にするのは難しく、「自己負担とする場合は法律を改正しないといけない。国のマターになる」と説明した。その上で、次のように私見を述べている。

「モラルの問題も含めて、きちんとしたルールがある。救助はしなければいけないと思うし、程度や状況にもよるが、ルールを逸脱した際の費用の問題は議論の余地があると思っている」

遭難救助は税金でまかなわれ、閉山期間の救助はリスクが高くなる。危険と言われている中で富士山に登って救助要請する人たちを減らすために、救助費用の自己負担を真剣に国が検討する時期が来ているのかもしれない。

(SHIZUOKA Life編集部)

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