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昨年の50倍!大流行中のマイコプラズマ感染症(肺炎)の2つの特徴。風邪との違いを解説

saita

昨年の50倍!大流行中のマイコプラズマ感染症(肺炎)の2つの特徴。風邪との違いを解説

近ごろ、ニュースで毎日のように報じられているマイコプラズマ感染症(肺炎)。今年は例年にない大流行で、特に注意が必要だと言われています。今回は、きくち総合診療クリニックの理事長である菊池大和先生に「マイコプラズマ感染症(肺炎)の症状の特徴や予防策」について教えていただきました。

教えてくれたのは……菊池 大和先生

医療法人ONE きくち総合診療クリニック理事長 菊池 大和先生
平成29年4月11日に「きくち総合診療クリニック」を開院し、令和元年に医療法人ONEを設立。「病気を診て、人を診て、一人でも多くの命をやさしく包み込む医療を提供する」ことを診療基本理念としている。

例年にない感染者数の「マイコプラズマ感染症」

今大流行中のマイコプラズマ感染症(マイコプラズマ肺炎)。今年は前代未聞の感染者数なのだと、菊池先生は言います。現在の感染状況について伺いました。

菊池先生:通常、マイコプラズマ感染症は11月ごろから徐々に増加し、1月から2月にかけてわずかに増える傾向にありますが、今年は異常な状況です。クリニックを開院してから8年が経過しましたが、これほどマイコプラズマ感染症に注目した年ははじめてです。今年の感染者数は、昨年の50倍ほどだと言われています。

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マイコプラズマによるものは、「マイコプラズマ感染症」と「マイコプラズマ肺炎」があります。感染症に罹患した方のうち、5%ほどが重度の肺炎になってしまうのが、マイコプラズマ肺炎です。当クリニックでも、1週間熱が下がらない、咳がひどいなど、例年にないほどお子さんの肺炎も多くなっています。

マイコプラズマ感染症は現在全国的に増えており、これから寒くなって乾燥する季節にさらに増えることが予想されます。そのため、不安に感じている方が多いのではないでしょうか。

マイコプラズマ感染症が流行した理由

なぜ、今年は感染者が急増しているのでしょうか。

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菊池先生:大流行の一因として、マイコプラズマに対する抗体がないことが考えられます。これまでの数年間、コロナウイルスの影響でマスクを着用していたため感染を防ぐことができましたが、マスクをしない生活に移行したことで、抗体がない人々の間で感染が拡がっているのではないかと思われます。

普通の風邪との見分け方「2つのポイント」と治療法

菊池先生によると、普通の風邪とマイコプラズマ感染症の見分け方があるとのこと。受診の際には、2つのポイントを伝える必要があるのだそうです。

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・乾いた咳が続いているかどうか

・まわりに罹患した方がいないかどうか

菊池先生:風邪のような症状が続いて熱が下がっても、痰が絡まない乾いた咳が2~3週間ほど続いた場合にマイコプラズマ感染症の可能性が考えられます。普通の風邪でも長引くこともあるので見分けることは難しいですが、周囲で流行っているときにはマイコプラズマ感染症を疑い、それに適した抗生物質をしっかりと飲みきり、休息を十分にとることが大切です。

「普通の風邪だろう」と放置してしまうと、肺炎になって入院が必要になることもあります。完治まで時間がかかってしまうため、身近にマイコプラズマ感染症に罹患した方がいる場合には医師に伝えることもポイントです。医師側も診察の際に確認するようにしていると思います。

大人もマイコプラズマ感染症にかかる?

マイコプラズマの感染者の8割が14歳以下だと言われており、子どものほうが感染者数が多いとのこと。大人と子どもの症状の違いはあるのでしょうか。

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菊池先生:マイコプラズマ感染症は、コロナウイルスやインフルエンザに比べて感染力が低いとされていますが、飛沫を浴びるなどの濃厚接触で家庭内感染する可能性はあります。ただし、大人は免疫力で対処できることが多く、重症化するケースはあまり見られません。潜伏期間が2~3週間と長いため、予防するのも大変だとは思いますが、お子さんが感染した場合には、家庭内でもマスクの着用を徹底したほうがよいでしょう。

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それに加えて、手洗い、うがい、消毒、こまめな換気など、基本的な予防策をしっかりと行うことも大切です。以前と比べて手洗いとマスク着用の意識が薄れているので、マイコプラズマだけでなく、あらゆる感染症に共通することですが、冬の時期だけでも心がけることが望ましいです。

みなさん忙しいとは思いますが、普通の風邪も、さまざまな感染症も、疲れを溜めないことが重要です。栄養のある食事を摂る、気持ちが前向きになれることをする、体を温めるようにするなどで、免疫力を高める生活習慣を意識できるとよいですね。

咳でつらそうな子どものケア方法

最後に、子どもが咳でつらそうなときのケアについて教えていただきました。

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菊池先生:処方された咳止めを服用しても、すぐに治るわけではないため、咳がつらくて眠れないお子さんも多いと思います。
咳のつらさを緩和するためには、乾燥しないように加湿をすることと、水分をこまめに与えることが大切です。風邪の諸症状を和らげる塗るタイプの薬を、胸のあたりに塗ってあげることも効果的だと思いますよ。

shukana/webライター

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