【8/11(日)開催】倉敷管弦楽団 第50回定期演奏会 ~ 創立50周年の集大成。世界で活躍する演奏家と奏でるクラシックコンサート
私は市内のイベントやお祭りに足を運んだ際、ステージ上で演奏している市民楽団の姿をよく見かけます。その度に「倉敷には多くの市民楽団があるんだな」と実感し、倉敷が芸術の街であることを再認識しています。
市内に数ある市民楽団のなかでも、倉敷管弦楽団は2024年に創立50周年を迎える歴史の長い楽団です。
創立50周年を記念する「第50回定期演奏会」では、今までの演奏会とはひと味違う特別なプログラムが奏でられるそうです。
倉敷管弦楽団にとって節目となる第50回定期演奏会について取材してきました。
「第50回定期演奏会」について
倉敷管弦楽団の第50回定期演奏会は、2024年8月11日(日)に開催されるクラシックコンサートです。
演奏する倉敷管弦楽団は、1974年に結成された市民オーケストラです。結成当初は団員24名の小さな楽団でしたが、地域に根差した音楽活動を続けて、10年後には約80名の団員が所属する楽団となりました。
2024年7月現在も約80名の団員が所属しており、年に一度の定期演奏会と、倉敷音楽祭の公演を軸に活動中です。
2024年は、倉敷管弦楽団が創立50周年を迎える節目の年。第50回定期演奏会では、集大成ともいえる特別なプログラムが用意されています。
公演の目玉は、倉敷管弦楽団と共演する2名の演奏家です。
指揮を担当するのは、寺岡清高(てらおか きよたか)さん。音楽の都といわれるオーストリアのウィーンでクラシックを学び、これまで国内外問わず数多くの楽団を指揮してきました。2000年のミトロプーロス国際指揮者コンクールで優勝した経験を持つ、世界で活躍する指揮者のひとりです。
ピアニストには、牛田智大(うしだ ともはる)さんが出演します。第16回浜松国際ピアノアカデミー・コンクールでは、最年少で1位を受賞。その後、CDデビューや世界各国の楽団の日本公演にてソリスト(ソロ演奏)を務めるなど、実力・人気ともに注目されている若手ピアニストです。
寺岡さんと牛田さんがアマチュアの楽団と共演するのは珍しいらしく、創立50周年の節目にふさわしい貴重な演奏会になりそうです。
小・中学生は先着100名まで無料で観覧できます。詳細は倉敷管弦楽団のホームページからチェックしてください。
豪華ゲストと共演する第50回定期演奏会。倉敷管弦楽団の広報担当 西島弥生(にしじま やよい)さんに、公演の意気込みについてお話を聞きました。
担当者インタビュー
──第50回定期演奏会の見どころを教えてください。
西島(敬称略)──
記念すべき創立50周年の演奏会となるので、今までにないような大編成や、珍しい楽器の使用など、特別な演出に挑戦します。
編成の部分で言いますと、今回は舞台に上がる団員数が非常に多いです。普段は1台のみの打楽器(大太鼓・ティンパニなど)を2台ずつで演奏してみたり、ハープを2台使ってより豪華な印象を与えたりなど、音色の部分だけでなく、視覚的にも迫力がある舞台になると思います。
舞台裏で演奏する団員もいるので、「姿は見えないのに音は聞こえる」という不思議な体験もしていただけると思います。
また、カリヨンと呼ばれる珍しい楽器の音色も見どころです。
カリヨンは鐘のような楽器で、最後に演奏する「幻想交響曲」で鳴り響きます。まるでヨーロッパの街中にいるような気分を味わえると思いますので、ぜひ注目してみてくださいね。
私たちと一緒に演奏してくださる指揮の寺岡さん、ピアニストの牛田さんも、世界中で活躍されている素晴らしいかたがたです。お二人がアマチュアの楽団と共演することは珍しいので、この貴重な機会にぜひ多くのかたに足を運んでいただけたらと思います。
──演奏する3曲はどのような楽曲ですか?
西島──
今回演奏する楽曲は、ピアニストの牛田さん、指揮の寺岡さんとも相談しながら選曲しました。どの曲も、ロマン派の時代の作曲家が生み出した名曲です。
最初に演奏するのは、ヨハネス・ブラームスの「大学祝典序曲」。ドイツの大学から名誉博士号を授与されたブラームスが、大学への返礼品として作曲したもので、演奏会の始まりにふさわしいような華々しい曲になります。
2曲目の「ピアノ協奏曲」は、1曲目の作曲家の師匠であるロベルト・シューマンが作曲しています。牛田さんがソリスト(ピアノのソロ演奏)をしてくださるので、ぜひ音色に注目してみてくださいね。
3曲目に演奏するエクトル・ベルリオーズの「幻想交響曲」は、団員全員で選んだ楽曲です。この曲は来場者アンケートに書かれるリクエストでも名前が挙がることが多く、クラシック好きのなかではかなり人気の高い作品になります。
曲が作られた経緯などを調べてから演奏を聴いてみると、さらに面白いかもしれません。
たとえば3曲目の「幻想交響曲」は、作曲したベルリオーズが、とある女優に失恋してしまい、薬物を服用して見た幻想や夢をもとに作曲にしたといわれています。その曲の背景やストーリーを知ると、作曲家の感情の起伏なども想像できて、新たな楽しみ方ができるのかなと思います。
──創立50周年の節目を迎える今回のコンサート。意気込みを聞かせてください。
西島──
倉敷管弦楽団が創立されたのは1974年。創立当初から活動している初期の団員は、現在ほぼおりません。
少しずつ新しい団員と入れ替わりながら活動を続けていき、創立50年目を迎えました。
団員の年代は幅広く、若いメンバーも多い楽団ですが、さまざまな年代の団員が心を一つにして情熱を持って演奏をお届けします。
──どのような人におすすめしたいですか?
西島──
オーケストラの演奏を「ハードルが高い」と感じられるかたもいると思いますが、一度お越しいただけたら、きっと身近に楽しんでいただける存在になれるのかなと思います。
幅広い年代のかたがたに、私たちの音色をお届けしたいです。
──楽団として目指す次の目標はありますか?
西島──
私たちはアマチュアの市民オーケストラとして、50年間演奏に対して志高く向き合ってきました。
今後は、若い世代を中心にたくさんのかたに入団していただいて、新たな時代の流れも取り入れながら、より成長していけたら良いなと思っています。
そして、地域の皆さまが音楽に親しみを持っていただけるように、これからも上質なクラシックの演奏をお届けしていきたいです。
日々の練習を重ねて、各楽器の音色の素晴らしさも伝えていけるように頑張ります!
──最後にメッセージをお願いします。
西島──
貴重なかたがたと共演する、50周年を記念した特別プログラムの演奏会となりますので、ぜひご家族で足を運んでみてください!
小・中学生のみなさんは、先着100名の無料招待があるので、ご応募お待ちしております。
また、倉敷管弦楽団ではともに演奏してくださる団員も募集中です。
歴史のある市民オーケストラの演奏に興味のあるかた、一緒に素敵なクラシックを奏でていきましょう!
おわりに
倉敷管弦楽団による第50回定期演奏会は、貴重な演奏家との共演や、特別仕様の演出を楽しめる上質なクラシックコンサートだとわかりました。
毎年観覧しているファンのかたにとっても、これまでとは違うプログラムとして楽しめるのではないかと思います。
私は普段めったにクラシックを聴きませんが、「楽曲が作られた背景を知ってから聴く」という新たな楽しみ方を知れたので、事前に調べてから当日の生演奏を堪能してみたいです。
夏の思い出のひとつに、本格的なクラシックに触れてみるのはいかがでしょうか。